「誰でも話したくない過去がある」遠い山なみの光 ももかさんの映画レビュー(感想・評価)
誰でも話したくない過去がある
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抽象的な映画が好きでない方には好みではないかもしれないが、映画の雰囲気を味わうことが好きなら、とても好みの映画なのかと思った。
わたしは好きだった。
「映画を観てる」という感覚になった。
最後の解釈は他の方のレビューを見てなるほどと思った。
原作は読んでいないので、あくまでもわたしの解釈ですが、
戦後の人々は、希望を持って戦った最後に原爆を落とされ、敗戦した。
その後は何に希望を持ったらいいかやり場のない気持ちをかかえ、変わらなせればならず、変わることができない。
そんな中に主人公は、(想像だが)被爆者ということで子が産まれた後に観念的な夫と離婚することになり、やっと見つけた働き先でも客から差別を受ける。そしてアメリカに希望を持ち、アメリカなら変われると信じていたのかもしれない。
しかし、望み通り長崎から離れられても子どもは馴染めず自死という結果になってしまった。
後悔と懺悔の思いから、架空の女性を作り出し投影させていたのかもしれない。
物語と同じように葛藤や過去の自分を肯定したいときに、心にもう一人の自分を作り出し、対話を繰り返す人がいるのではないだろうか。
明るい映画ではないが、感傷に浸れる映画だった。
もう一度観ようかなとも思った。
余談だが、映画が2,200円の時代になった。通常料金では気軽に何度も観ることができないな。
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