「こりゃあと2回観なきゃ」遠い山なみの光 totechinsyanさんの映画レビュー(感想・評価)
こりゃあと2回観なきゃ
僕ごときが一回観て全部理解して解釈して評論なんか出来るような単純な作品ではありませんでした。
「海街diary」みたいに、爽やかハッピーに終わる作品だと勝手に思って観たら全然違う。
戦争が日本国民全員に大きく深い傷をつけ、人それぞれに消化しようとしつつ、でも飲み込めず、体も傷み、心が七転八倒し、なんとかかんとか、もがきながら生きていた。
そんな時代に生きていない僕なんかがわかるわけがない。
登場人物全員がそれぞれの辛さに溺れまいと何かにしがみつき、ひたすら生きる。
「希望はたくさんある」・・・逆光の中の台詞
そうだ。何かを失っても、沢山失っても、大きく失っても、希望は必ずたくさん見つけられる。
苦しく辛い中でも、探せば希望はたくさんある。
ちょうど、僕が今、大きな物を失いつつあり、ターニングポイントの最中にあり、そのストレスにげんなり。
そんな時にこの作品が乗り越える希望をくれました。
最後は、実は全ての登場人物が同一人物の時間の線の中にあったというオチ。主観と客観の錯綜。あの時代の全ての人が、"戦争"という同一の大事件に巻き込まれ、葛藤し、それでも何とか生きて、そして未来に今の僕らに繋がっている。みんな同じ一本の線の上にいた。
いつの時代も苦しみや辛さは変わらずあり、でも、遠くの山際に薄暗く仄かに見える光に向かってただ歩くしかない。それが人生なんだろう、きっと、多分、恐らく。
文化も価値観も全てが変わりゆく。今もそうだ。昭和では普通の何ともないことが、今ではタブーだったりアンモラルだったり。三浦友和の演技はさすがでした。
この作品が魅せる光と影、そして音と風。素晴らしかった。
(滅裂、書き殴りです。)
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