レイブンズのレビュー・感想・評価
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無知ですみません⋯
このお二人を全く知らなかったので、こんな2人がいたのだなぁ⋯。
個性の強い2人が惹かれ合って、ぶつかって、大変だぁねぇ⋯とか、思っていました。
あんまり、こういう人たちの近くにはいたくないなぁ⋯とも。
1960年代の深瀬さんは30歳ぐらい?
そこで、浅野忠信さんは、30代には見えないなーとか、
キム兄に似てきたなーとか、
“地雷を踏んだらサヨウナラ”もカメラマンだったなぁ⋯とか、
話し方が、たまに北野武みたいだなぁ⋯とか、
若い時なら、自分的になんかカッコいい作品だなーと思っていそうとか、
そう思っている自分がカッコいいっんちゃうん?と思っちゃっている自分がいそうとか⋯
いろいろ要らないこと考えたりして気が散りまくっていたので、
総括すると、そこまで好みの作品ではなかったのかと。
洋子役の瀧内さんは、とても魅力的でした。
結局、あんまり心に残るものはなかったのですが、
実在したこの二人に対する監督さんのリスペクト魂は強く感じました。
カラスの擬人化した自身の分身のようなものが出てくるのは、とても面白いと思いました。
予想通りの内容でしたが予想を上回る面白さ
憎み切れないエゴイスト
写真家『深瀬昌久』。
彼の作品を2015年に@DIESEL ART GALLERYで観ている。
写真展のタイトルは〔救いようのないエゴイスト〕。
写真群の表現手法は多様も、
並んでいる殆どに作家本人が映り込んでいたのが特徴的。
対象物とカメラの直線上に
横顔が写り込む構図とし、
自分がその場に間違いなく居たことの証しにしている。
まるでクロニクルのように。
1934年に北海道で生を受け78歳で亡くなるまで、
「エゴイスト」がどのように形作られ、
どのように生きたのかを
本作では詳らかにする。
もっとも彼は、(映画でも描かれた事情により)
死の二十年前を境に写真の発表はされていない。
それでも1971年代に出版された〔遊戯〕は、
同年の『荒木経惟』による〔センチメンタルな旅〕と並び
{私写真}の傑作と思う。
今の時代では、
多くの人がSNSに個人の生活をさらけ出すのに何の躊躇いもないものの、
五十年も前に既に先鞭をつけていた二人に畏敬の念すら抱く。
それにしても、
前者の妻(であり被写体でもある)が『洋子』で、
後者が『陽子』なのは、偶然にしてもでき過ぎだろう。
「育てたように子は育つ」と言う。
父『助造(古舘寛治)』は戦争のトラウマか
酒乱の気はあり、子供が長じても暴力をふるい、
個性を否定しコントロール下に置こうとする。
映画での『深瀬昌久』は、
そのエキセントリックさを色濃く受け継いでいるように見える。
しかし溢れ出す才能は狂気と紙一重。
周囲との軋轢は次第に彼を蝕んでいく。
1986年の写真集〔鴉〕はもう一つの代表作。
固執したように撮った鴉が実体化し、
目の前に現れ対話を繰り返すのは面白い趣向。
その姿は本人にしか見えず、
傍目からは独り言の多い人物と思われている。
彼の特異性を現す要素の一つとして
上手く造り込んでいる。
にもかかわらず『昌久』は、作品以外でも多くの人を魅了する。
編集者で写真評論家の『山岸章二』や、
アシスタントだった『瀬戸正人(池松壮亮)』を始めとし。
暴君でありつつ、何故か憎めない、
そして写真に熱狂する主人公を
『浅野忠信』が熱演する。
『荒木経惟・陽子』夫妻は、
奥様が存命の時に紀伊国屋@新宿で見かけたことがある。
失礼な表現も、連れ添う姿は
妖怪と美女にしか見えなかった。
一方の『深瀬昌久』と『鰐部洋子』は
写真の記録で見るばかり。
二人並んだ佇まいは、どのようなものだったろう。
レイブンズ?ワタリ鴉の謎が解けた
どこまでがフィクションか分からないけど
酒と烏と男と女
深瀬昌久という実在の写真家の半生記でした。深瀬を浅野忠信が、彼の妻・洋子を瀧内公実が演じたこと、そしてイギリス人のマーク・ギルが監督を務め、さらには制作がフランス、日本、ベルギー、スペインの合作という、極めて国際色強い作品であることに注目して観に行きました。
ただ舞台装置がインターナショナルなのに対して、お話の舞台は純日本。言語も基本日本語。ただ何故か深瀬の分身である烏(英語でレイブンズ)だけが英語で喋るのが面白いところでした。この烏の設定は、ちょっとした謎でした。
実在の人物の半生記ということで、物語の骨子は事実に基づいたものだったと思うのですが、喋る烏が登場することからも、テイスト的にはファンタジーと言えるものだったと感じました。
一応、子供の時から”独り言”が多かったという深瀬の話し相手が、彼の代表作の被写体でもあった”烏”だったということになっていて、最終的に離婚されてしまった元妻・洋子から、「あれはあなたの自画像」と言われていたように、結局は深瀬の心の内奥をずっと見せ続けるという私小説的映画だったと言えるかなと思います。
内容的には、良くあるぶっ飛んだ芸術家の話で、周りを振り回しまくった挙句、酒に溺れてゴールデン街の飲み屋の階段から落ちて脳に深刻な障害を負ってしまうという結末。でも、街の写真館を経営する彼の父や弟のような”写真師”ではなく、”芸術家”として生きる道を選択した深瀬の心の動きが良く表現されていて、映画としてなかなか面白かったと感じました。
また、浅野忠信と瀧内公美が期待通りの活躍を見せてくれたのをはじめ、父親役の古舘寛治の演技は中々良く、見どころは俳優陣の演技でした。最近注目している池松壮亮が、深瀬のアシスタントを務める写真家として登場していましたが、本作の役柄としては無駄に腕が太くて笑ってしまいました。彼にはやっぱり殺し屋が似合う?
そんな訳で、本作の評価は★4.0とします。
エンディング曲とエンドロールの映像が良かった
写真家の深瀬昌久の実話とフィクションを織り交ぜた映画。
浅野忠信が演じる深瀬昌久の事は今回初めて知りました。
予告で見ていたショートカットの瀧内公美を見たくて行ってみる事に。。
彼女、最近出てますね。
先日見た『敵』も良かったし、予告で見た『奇麗な、悪』では主演みたいだし。。
河合優実を追いかけててサブスクで見た『由宇子の天秤』で初めてシッカリ認識した。
その前にも存在自体は認識していましたが。。
カラス男が出てきて、虚構と現実が混ざって進行する。
アーティストらしい酒と女と薬にまみれた生活。
カラス男と浅野忠信が演じる深瀬昌久のやり取りが思いのほか良くてポイントになっていた。
正直序盤は眠くなったんだけど、だんだんと映画に引き込まれていきました。
浅野忠信はやっぱり良いですね。
主張しすぎない演技というか、雰囲気が良かった。
昔若い頃に彼の評価が高い事を映画雑誌か何かで知ったが、当時の私には良さが分からなかった。
淡々とした演技だし、喜怒哀楽の表現が得意な人では無い。
ただ、この雰囲気を出す役者という意味では右に出るものはいないだろう。
最近、カメレオン俳優ばかりが良い役者ではないと思うようになった。
唯一無二の何かをもっていれば良いと思う。
最近それで感じたのは、例えば、佐藤浩市の息子の寛一郎。
彼の情けない感じの演技は一品だと思った。
松田龍平の低いテンションの演技なんかも彼しかできないものだと思う。
いろんな演技を見せてくれる菅田将暉、磯村勇斗、松山ケンイチも好きですけどね。
エンディング曲が良い感じでした。
字幕で映し出される歌詞が、映画を語っていたと思う。
調べてみると、イギリスを代表するバンド ザ・キュアーの名曲「Pictures of You」だったらしい。
このバンドの事はまったく知りませんでしたが、良い感じの曲でした。
そして、このエンドロールでは、実際の深瀬昌久と奥さんの洋子の写真が映し出される。
これが映画の中で出てくる写真と同じ構図、同じ服装。
久しぶりに最後まで立てないエンドロールでした。
狂人天才芸術家
洋子
天才の狂気
レイブンズ見に行きました 写真家・深瀬昌久の波瀾万丈な人生(僕も素...
マサちゃんwake up
我が良き友よ
心の闇。
父の写真館を継がず上京し写真家として活動する深瀬昌久の話。
モデル(被写体)となってくれた洋子と恋に落ち、…モデル洋子が写真の主題となり、深瀬、洋子と2人で一つの作品を生みだすことになるが…。
瀧内公美演じた洋子のロングヘアーで隠す胸、この作風にこの感じ、この描写で嬉しいサプライズあるかも!?何て思ったのものの何もなし!残念!(←ネタ化してる
自殺しようと思えば飼い猫、正田に邪魔され、飲み屋・南海の階段、「この階段でいつか死ぬかも」が、まさかの伏線?!が過りながらも、こういう写真家がいたんだって感じ。
浅野忠信さんと瀧内公美さんの画力で観れた感じですかね。
ダメ人間ほど愛される
天才と狂気の狭間で揺れた写真家・深瀬昌久の生涯。闇を抱えるあまり、鴉のドッペルゲンガーに囚われていく展開は、どうしても『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』とダブる。両方とも鳥がモチーフになっているから余計そう思えてしまう。
監督のマーク・ギルは、前作『イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語』では、ザ・スミス結成前のモリッシーをとにかく甘ったれで優柔不断な男として描いていた。本作の深瀬も、ドッペルゲンガーに急き立てられるように自分が撮りたい写真の為に驀進する。傍目から見れば2人ともダメ人間。でもモリッシーは女性にモテて(しかも美人)ちやほやされ、深瀬もまた妻の洋子や後輩の正田に呆れられつつもサポートされる。2人とも母親に愛されていた点もそっくりだ。
しかし、そんな深瀬もついに洋子に愛想をつかされる時が来る。深瀬が手で作ったファインダーに彼女が嫌悪感を示していく様は、『ラストタンゴ・イン・パリ』のマリア・シュナイダーとジャン=ピエール・レオのオマージュか。実際の深瀬はその後に別の女性と再婚しているが、そのあたりはオミットされている。
鴉に導かれるように、自らも鴉となった深瀬。表現する事を生業とする者はとにかく面倒くさい人間ばかり。だからこそ市井の人は惹かれる。
浅野忠信や瀧内公美といった主要キャストはもちろん、脇役に徹した池松壮亮も良かった。浅野と高岡早紀は『バタアシ金魚』以来の共演というから驚き。
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