「愛とアートと商業と」レイブンズ 猫柴さんの映画レビュー(感想・評価)
愛とアートと商業と
1950〜90年の日本の映像をイギリスの監督が
とても美しく描いてくれている事に感謝
光や色がとても綺麗です。
実在の写真家で1970年代にMOMAで初めて日本の写真家として取り上げられた深瀬昌久と妻の洋子の物語
洋子は彼のミューズであり、彼女の存在があってこそ
MOMAでも注目されたのだが
その事がかえって彼の芸術家としてのプライドを傷つけるし、洋子は芸術性より商業的でも金を稼ぐ事を求める。
洋子との『愛』は
はじめあまりしっくりこなかったのだけど
別れて再会してからの後半のシーンでとても泣けてしまった。
写真家として何度も注目されては堕ちてを繰り返し
その度に新たな視点を生み出すのが素晴らしかった
結局は彼を一番理解していたのは洋子であり、
だけれど結婚生活を共にする相手ではない、という悲しさ
再会で白いスーツを着ていた洋子が
お見舞いのシーンで真っ黒なワンピースをきていて
まるで深瀬の心の鴉そのもののようだった。
瀧内公美さんがナチュラルでエネルギッシユで
とても素敵でした。
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