劇場公開日 2025年3月28日

「見つめるカラス」レイブンズ momoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5見つめるカラス

2025年4月6日
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全編を見つめるカラスは監督の視線なのかな。
独り言激しいという設定で処理されてたけど実話ものを映画化するにこの鴉男を出してきたのがこの映画の肝。
イギリス人の監督がじっと写真家を見つめているかのように鴉男は英語で語りかける。

こんなに、にたっとしたり、くすっとわらうとは思っていなかった。

この映画は、好き嫌いが別れると思うが私はかなり好きだ。

古いカメラは見ているだけで素敵だ。そして何度も何度も繰り返しシャッターを切る音が心地よい。
随所に散りばめられた音楽がいいところをついてくる。誰が選曲したんだろう。

タバコと酒と写真と薬…デカダンスな雰囲気は今、令和の映画館にいることをどんどん忘れさせてくれる。素晴らしい!

天才か狂人かという写真家深瀬昌久の役は浅野忠信でないとこうはいかない。唸る!
池松壮亮を起用してくれたのも浅野忠信や津田寛治の演技との対比で、かなりほっとできた。ありがとうこの、キャスティング!

瀧内公美の洋子がチャーミングすぎる!
この映画のミューズでもあり、深瀬のミューズでもある洋子の魅力を余すところなく表現してくれている。
彼女なくしてこの映画は表現出来なかっただろう。
エンドロールで本物の洋子さんを見てにんまりした。
首吊りなんてしちゃダメだよ!池松壮亮の弟子ネコが居て助かって良かった。
死ななかっからこそ生まれた後期の作品の数々が素晴らしかった。
40にして子をなさずとも素晴らしい写真の数々を生んだのです。
いやー!写真っていいですね!

momo