劇場公開日 2025年3月28日

「期待度○鑑賞後の満足度○ 深瀬昌久という人は知らなかったし本当にこういう人だったのかも分からないけれども、監督の創造した一人の写真家のポートレートとして良く出来ていると思う。」レイブンズ もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5期待度○鑑賞後の満足度○ 深瀬昌久という人は知らなかったし本当にこういう人だったのかも分からないけれども、監督の創造した一人の写真家のポートレートとして良く出来ていると思う。

2025年4月2日
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鑑賞方法:映画館

①“後悔は流砂のようなもの、底なし沼だ”という台詞が一番心に刺さった。他人の人生を描いていても、映画を観ているとどうしても自分に引き寄せちゃいますね。

②監督の確かな演出と浅野忠信の出色の演技とで、“深瀬昌久”という人間がくっきりと造形されて生き生きとスクリーンの中で存在している。
変に芸術云々を語らずに人間を描くことに重きを置いたのが良かったと思う。

主人公の分身として“鴉”を登場させたのはやや有りがちな話術ではあるし(“バードマン あるいは…”のパクリか…)、“鴉(人間)”の被り物もややビミョーではあるが、作品の魅力を損なうほどではない。

③浅野忠信は上記に書いたように好演だが、深瀬が歳を取ってからの方が良い(20代の頃は最初若作りに無理があるなぁ、と思ったが段々気にならなくなる)。
特に、首吊り未遂の時のの池松壮亮との絡み合いのシーンが上手い。

④瀧内公美は現代の日本映画界で数少ない「映画女優」という雰囲気を持った人だと思う。

もーさん