劇場公開日 2025年1月31日

リアル・ペイン 心の旅のレビュー・感想・評価

全217件中、41~60件目を表示

3.5石を置こう。僕らが訪ねた印に。

2025年3月1日
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鑑賞方法:映画館

現実社会では、人と人は本音と建前で交流し生きている。それが「大人」としての作法。正直に生きることは、窮屈で痛みを伴うものだ。正直に生きてきたベンジーが、これまでの人生でどれほど苦しんで生きてきたのか、彼の行動の端々ににじみ出ていて、胸が苦しくなった。救いは、ポーランドだけにショパンのメロディーが全編に流れ、そんな苦痛を癒してくれた。
アウシュビッツを訪れた人は、皆一様にあの重い空気を纏うのだろう。だけど、それは過去の歴史としてだ。ベンジーは、その縁者として、実際に迫害を受けた彼らに寄り添う。だから、一等車に乗ることに我慢ができない。正直自分も、ツアー同行者たちと同じような気分だった。これは昔の話じゃないか、今と比べてどうする?と。だけど、ベンジーはピュアなのだな。そのピュアな心を知った人は彼の行動や言葉の理解者となる。それでいて、それは全員ではないところ(別れ際ひとりだけ抱擁も握手もしない)に、「いい話」としてこじつけようとしないこの映画の誠実さが見えた。そして、そんな窮屈な世界を生きているベンジーを案じるデビッドの痛みさえも共感できた。
映画のはじめと終わりは空港のロビー。観始めた時の、ただの雑踏の風景でしかなかったその場所が、ラストには、そこにいるひとりひとりに人生の物語があるのだという視点でいる自分に気づいた。そしてベンジーは、同じように周りを観察している。彼は、なにも変わってはいない。変わったのは、こちらの見え方(言い換えれば偏見)だった。

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栗太郎

3.0本当の痛みは、当事者にしかわからない・・ということかしらん? そう...

2025年2月27日
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鑑賞方法:映画館

本当の痛みは、当事者にしかわからない・・ということかしらん?
そういう意図があるのであれば・・ユダヤ人の受けた痛みは・・想像はできるけど・日本人の私にはわからないのかもしれない・・。

ユダヤ人の従兄弟同士、デビット(ダビデ)とベンジー(ベンジャミン)が・・ナチ支配下の時代には、ホロコーストの主要な舞台だったポーランドへ旅するお話・・。
ホロコーストといえば「アウシュビッツ」「ダッハウ」が頭に浮かぶが・・その他にも、破壊から免れ、生々しく残った施設もあるのですね・・・。

キーラン・カルキン(マコーレ・カルキンの弟)演じるベンジーの情緒の不安定さに、ハラハラしながら、保護者のようにフォローする優しく真面目なデビット・・・。
ベンジーの抱える痛みが、ユダヤ人由来のものなのか・・人種には関係ないものなのか・・はわからない・・。
旅によって癒されたのかも・・わからない・・。
彼、ベンジーの「リアル ペイン」はデビットにもわからなかったのかも・・・。

※キーラン・カルキンは、この映画で オスカー助演男優賞を受賞。

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J417

5.0わかった気に、ならない

2025年2月26日
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興奮

知的

映画を通して、複数の人物を通して、大きな歴史や個々人の痛みを自分ごととして探訪した。
しかし自分ごとは、現代の、自分の、解釈である。

この映画の手法や人物像により、
「真実の痛みは解釈しきれない。」その事実とはつながることができた。

自分で実際に旅へ行ったら、
もっとわかった気になっていたかもしれない。

こんなことがあるのか。
映画すごーー。
すっっごく心動かされた。
目覚めさせられたような。

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き

3.5良かった

2025年2月26日
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鑑賞方法:映画館

何がどう良かったのか分かんないけど
何か良かった

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みのまる

4.0旅をしている気分に

2025年2月26日
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鑑賞方法:映画館

カルキン&アイゼンバーグ、大好きな2人。
これは観るしかない!
と思いつつ、観たい作品を観られる幸せをかみしめつつ、ギリギリようやく〜

音楽、風景、旅番組のよう。
ポーランドに行ってみたくなった。
収容所見学の帰りに咽び泣くカルキンにもらい泣きしそうになってしまった。

ナチスドイツのユダヤ人迫害ありきの作品なので、詳細などは会話の端々から読み取るしかない。
全く知らない人も少ないとは思うが、前情報は必要。
デリケートな内容を描けたのはそのルーツを持つからなんだろうな。

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ジャーニー

4.0ホロコーストの孫たち巡礼の旅

2025年2月25日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

知的

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レント

彼は今も一人で膝を抱えている

2025年2月24日
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鑑賞方法:映画館

 おばあちゃんの遺言通りにポーランドのホロコースト現場を訪れる二人のアメリカ人男性のロード・ムービーを縦糸に、それぞれが抱える人生の息苦しさを横糸に描いた小さな物語です。何と言っても心惹かれるのはベンジー役のキーラ・カルキンでした。言ってる事は心の虚を衝く様な真実なのですが、その空気の読めなさに周囲から眉をしかめられ、それでも何故か人々に一目置かれます。しかし、彼自身はとんでもない孤独の中に佇んでいるのでした。複雑な心の表裏が入れ替わるベンジーの思いが切なく迫ります。そして、「旅を経て小さな一歩を進める事が出来ました」と言った安易な成長ロードムービーに終わらせなかったのも心に染みました。彼は結局一人ぼっちで膝を抱えているのではないのだろうか。

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La Strada

4.5タイトルなし

2025年2月23日
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予告編を見てるともう少し奥がありそうに思ったけど、ほんとにエピソードを繋げただけの生な作品。監督にこのストーリーと人物へのへの思い入れがあったのだろう。

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Emiri

4.0他者の営みの先に生きている

2025年2月22日
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鑑賞方法:映画館

難しい

ハートフルいとこ旅的な気持ちで見に来たけれど、想像以上に重くてずっしりした。

繊細で表情豊かで人に好かれるも定職に就かずフラフラとマリファナを吸う陽キャと、美人嫁と可愛い息子がいるも他者の目が気になって仕方なくて社会に馴染むのに必死や陰キャ。

わたしは後者にめちゃくちゃな親近感を覚えて、共感性羞恥を味わった。
記念写真ではしゃぐの、無理だもんな。

なんというか、当たり前なんだけれども、私が今住んでいる家に住んで私という歴史を紡いでいるのと同じように、歴史の上に生きた人々もその人の歴史を毎日毎時間毎秒紡いでいたんだよな、と改めて思った。
そりゃそうだろと言われたらそりゃ、そうなんだけどさ。
例えばこう、徳川家康が豊臣家を滅ぼしました!と聞いても、ふーん、としかならないけれど、そこには徳川家康という人間と、豊臣秀吉、茶々、秀次、秀頼、……みたいな人間が当たり前だけど存在していて、それを刺して、頭を切り落とした人がいるわけで、もっといえば、兵糧攻めで苦しんだ人だっているわけで…みたいな気持ちになった…………

歴史って授業で習うものだし、年号なんて覚えてもどうせ何か新事実が発覚する度に変わってゆくのだから、と思っているけれど、そこには当たり前だけど、当たり前に人の営みがあって、その先で私は生きているのよな、と思った。
ただ、これをずっと考えながら生きるのはあまりにも重いから、難しいけれど。

それから、万人に好かれていてコミュ強だったとしても、幸せな家庭に身を置いていたとしても、どんな人だって、どんな過去があってどんな事を後ろに抱えて、生きてるなんて、言わなきゃ伝わらないし、聞かねばわからん。その抱えているものが、どのくらい大きいかなんてのも人によって感じる重さは違う。

とかなんかそういうことをいっぱい考えた。
いや、ずっと、考えてるとこ。

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海渡

4.5それぞれ痛みを抱えて生きている

2025年2月21日
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デイヴとベンジー、それぞれ痛みを抱えて生きていますが感じ方も向き合い方も異なります。他のツアー参加者もそうです。アウシュビッツを訪れたとき、個々はどんな痛みを感じたのでしょう。そこで感じた痛みは自分の痛みを材料に想像した痛み?当の人の痛みは計りようもないでしょう。だから意味がないというわけではなく、理解しようと歩み寄ることでそれは癒されたり癒したりすることもあるのではないでしょうか。劇中、ショパンの曲が多く使われていますが美しくわたしはこれも効果的だと感じました。

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菓子

3.5気にするな

2025年2月20日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

知的

ユダヤ人の従兄弟同士が
ポーランドのアウシュビッツへ
向かうツアーに参加するという
デリケートな内容のロードムービー
なのですが、
従兄弟同士の性格がまるで
違って生真面目な人間が
悩み苦しみ、トラブルメーカーが
評価されるというどこの国でも
真面目な人は損するのか?
自意識過剰から解放されて
気にしないのが一番。

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のぶきち

3.5立ち上がって歩き出す

2025年2月20日
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『リアル』とつくと逆になぜか嘘っぽくなってしまうものですが。
誰しもが抱えているさまざまな、漠然とままならないものたちはけっこうリアルで地に足がついている感じがした。

私はポーランドやユダヤになんのルーツもないし、映画のワンシーンとしてみているだけだけれども、それでも「システマチックにひとの尊厳を奪って虐殺処理していた場所」をみるのはとても気が滅入った。
その場所に実際にいってみたら、もっとものすごいものを感じるのだろうなと思った。

あの椅子から、彼が立ち上がって歩き出すところをみたかった。

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kikisava

3.5ちょっと苦手かも。

2025年2月20日
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笑える

悲しい

場の空気みたいなものを壊さないように生きているので、ベンジーのような人は苦手なんだけど、じゃあデイヴに共感して観られるかというと、彼でさえちょっと無理って感じがする。

というか、純日本人である自分にとって、アメリカ人の突然怒鳴り散らしたかと思うと、急に冷静になってさっきのことを謝るみたいな状況が理解できないんで、この二人の濃いやり取りを観ているのが苦痛。

兄弟のように育ったとしても、いとこ同士であんなに寄り添うってことも感覚としてわからない。

ホロコースト映画は山ほどあるけど、「ポーランド」も景色ってのは珍しいから、その素晴らしい風景にプラス1。

会話が面白くて、何度か噴き出したのでプラス1。

全体としていい映画なんだろうとは思うけど。

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バビ

4.0誰でも、困った自分を抱えて生きてる

2025年2月19日
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ガンビー

3.5人付き合いあるある

2025年2月19日
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ほんの1日、若しくは数日だけを一緒に人と過ごす事って有りますよね。その時の人間模様が上手く描かれていると思いました。ほとんどの日本人はデヴィット側で、ベンジーのように振る舞える人を羨ましく眺めた事有りますよね。
ベンジーにもいろいろ闇が有りそうですが。
旅の後の二人の成長が感じられる描写が有るともっと良かったように感じました。

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やまぼうし

3.5タイトルなし(ネタバレ)

2025年2月18日
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りゃんひさ

4.5大嫌いで大好きな、愛すべき相棒

2025年2月18日
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設定が「今」のアウシュビッツテーマものという珍しさ、ダブル主演の二人のロードムービー的要素、ポーランドの美しい景色を映画に写し込んだロケハンと撮影、これらのすべてがうまく合わさった、質の高い作品だと思いました。
全編に流れるショパンのピアノ曲も映画の雰囲気を盛り上げる良い仕立て役になっていたと思います。

ジェシー・アイゼンバーグ演じるデイヴの苦しさや痛みとキーラン・カルキン演じるベンジーの苦しみや痛みは少し異なるものだけれど、そういうものはみんなの中に必ずある。
それらは、映画の中での、印象的な主役二人のそれぞれのカットで語られる。

奔放で人を惹きつけるかに見えて、空港で、寂しそうな何とも言えぬ表情でそこにいる人々を見つめるベンジーを切り取ったラスト、ベンジーの持つ、自分にないものに嫉妬や羨ましさを感じ、ディナーの席でそういう気持ちを全部吐き出してしまうデイヴ。二人とも「大嫌いで大好きな、愛すべき相棒」のことをずっと思ってる。

でも、それは心の底にあるだけで表にはなかなか出てこない。だから、別れは何だかとても寂しい。
先述したラストの(でも冒頭とも繋がっている)ベンジーの顔は本当に心に残ります。

今を生きている人々にも、歴史の中の人々にも、それぞれに「リアル・ペイン」がある。でも、ただ「痛み」であるだけではない。
そういうものとどう付き合うか、自分に問うことのできる、とても余韻の残る映画でした。
おそらく、アカデミー脚本賞に本作でノミネートされた、ジェシー・アイゼンバーグの才能によるところも大きいんだと、映画の余韻を感じながらあらためて噛みしめています。

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mayuoct14

4.5隔世の感

2025年2月18日
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ハチ

4.5とても良い

2025年2月18日
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mi

5.0地味だけどとても良かった

2025年2月17日
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キーラン・カルキン演じるベンジー、が良かった、乱暴さと繊細さが共存するキャラクター。実際近くにいたら嫌かもしれないけど。

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Nana Shinozaki