「痛み=生」リアル・ペイン 心の旅 Another Popcorn Timeさんの映画レビュー(感想・評価)
痛み=生
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人間の生き方について深く問いを投げかける映画はたくさんあるが、今作は生を「痛み」という視点で見ていく。
ビンタされた時のような身体的な痛みから、家族の死と向き合う時のような精神的な痛みなど、誰もがそれなりの痛みを抱えて生きている中、登場人物一人一人の痛みも描かれていく。
ホロコーストという人類史上最大の痛みの一つを取り上げているにもかかわらず、それでも映画は驚くほどさっぱりした仕上がりで、淡々と情景が流れていく。
今作の好きなポイントは、結局痛みと共に生きていくしかないという点をあっさりと見せていること。強制収容所が残酷にも人々の生活のすぐそばにあるというのもショックだが、痛みと共に淡々と進んでいく人生の旅を表している。しかし、それは絶望的でなく、無気力にも感じさせない。
個人的に好きなシーンは、亡くなったおばあちゃんの家の玄関に弔意を表し石を置いたベンジーとデイビットに隣人さんが「危ないからやめとけ」とばさっと言い放つシーン。思わず吹き出してしまった笑
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