「不思議な感情」リアル・ペイン 心の旅 ぎにゅう♀さんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な感情
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特に説明もなく淡々と終わるアウシュビッツのシーンで、気づいたら涙していた。
元々アンネの日記、戦場のピアニスト、シンドラーのリスト、近年は関心領域など、ホロコーストをテーマにした映画や文化には比較的興味を持って触れてきたほうではある。だが生粋の日本人だ。
私は歴史そのものに涙していたわけではなく、自分をベンジーに重ねていたのだと気づいた。
大事な人を失った喪失感、普段は明るい人だと言われても、内では繊細で悩みも多いこと。
ベンジーの感情が動くたび、わたしの感情も大きく揺れた。
演技、余白、音楽、その土地の歴史までもが完璧に調和していた。
出逢う人たちの優しさにも、静かなラストにも、希望を感じた。良作。
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