「幾重もの奇跡の果てに」リアル・ペイン 心の旅 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
幾重もの奇跡の果てに
疎遠になっていた従兄弟同士が、亡き祖母の遺言で参加したポーランドのツアーにてあれやこれや騒ぎを起こすが…といった物語。
性格は真反対。元気で破天荒に見えるベンジーも抱える闇があるらしく時に情緒が…。そんな彼を冷静に抑え込むデイブも彼もまた…。
そんな状況の中、ユダヤに縁のある個性的な人々と一緒に、祖母とも関係のあるホロコーストの歴史に触れていくが…。
いやぁ〜何というか、大変おこがましいですがデイブとワタクシって色々似てるな(イケメン顔以外)と思い、深く感情移入しちゃいました。
常識ハズレで空気も読まずにその時々の気持ちをヅケヅケと言い放っては皆を困惑させるベンジー。そんな彼の奇行を皆に謝る、神経質ながら常識人のデイブ。
…しかし何故でしょう。蓋を開けてみれば皆に心を開かれているのは…。
彼のことが大好きで大嫌い。
そんな彼になりたい。
…う〜ん、この複雑な気持ちよ!!
真面目にやるのが馬鹿馬鹿しく思えてしまう…。
特にジェームズとの別れ…気を遣いっぱなしだったデイブの方が遥かに淡白だったことが印象的だった。
…とはいえ本筋は勿論そこではないですね。
誰にも表面上には見えない心の闇を抱えて生きているわけだし。ここからの物語はどうなるのか。
そして石の置く場所よ…
リアルペイン…それは1人になった寂しさか、或いは闘魂注入のことか、はたまたこれからの不安か…。
あとは序盤のヨーグルト捨てるのは、ゾンビランド1.2の酒ポイッを思い出してちょっと笑っちゃった(笑)
終始聞かれる美しいピアノの旋律とともに、解決などではなく、抱えて生きていくしかない、最後の希望とも不安ともとれなくない眼差しに、そんなことを思わされた作品だった。
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