劇場公開日 2025年1月31日

「共感性羞恥が発動」リアル・ペイン 心の旅 キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5共感性羞恥が発動

2025年2月2日
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行動はあまり褒められたものではないが、社交的でいつも周りを巻き込んでその中心にいて、何かと注目を浴びてしまう人。
可愛げがあってどこか憎めない人。
感覚がビビッドで、純粋だがそれを隠さず周りを気にせず言動に表す人。
そんなベンジーを見ながら、私もデヴィッドと同じように困惑しながらもどこかで「憧れ」てしまっていたり。

でも、ベンジーには純粋で奔放であるが故の痛みや悩み、地獄がある。
ただの石ころが死者への想いを表す一方で、ただの危険物にもなり得る様に、同じ人・モノにもたくさんの価値観や印象があって、そのどれかがいつも正しいということもないし、その逆もない。
それでも人はその地獄から逃れることができず、時には他人、そして自分をも傷つけてしまう。

もしかしたら、今回登場する収容所やルワンダでの虐殺もそういった異なる価値観が生んだ最悪の終着点であったのかも知れない。

主人公の二人は、旅を終えてまた日常に戻っていく。
この旅で何か彼らに変化があったかは分からないけど、離れた場所に住む仲の良い二人が、お互いの無事を確認し、そしてまた生きていくというだけで、十分な映画的な意味があるのかも知れない。

いや、ぶっちゃけ、物語で特に大きな事件が起きるワケではないし、ベンジーは普通に考えて厄介な親戚だし、デヴィッドの立場に立つと、共感性羞恥が発動してしまう。どこに私は心を寄せていけばいいの、というタイプの作品ではあるけどね。

キレンジャー
トミーさんのコメント
2025年2月2日

“たまに行くなら”こんな店って事でしょうか。

トミー