まつりのあとのあとのまつり「まぜこぜ一座殺人事件」のレビュー・感想・評価
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まぜこぜするなら乳化させよう
ほとんどが本人役で出演し、団体や公演まで実在のものを使ったメタフィクション作品。
舞台の紹介や動機としての不満などで、マイノリティの紹介や主張を展開してゆく。
不自然スレスレではあるが、メタの使い方としては正解。
それぞれの個性から犯行の不可能性が証明される流れも上手い。(ほぼ腕力だったのは物足りないが)
ただ、ミステリを期待すると肩透かしを食らう。
密室の謎をほったらかして、うっすい根拠で疑い合い、挙げ句テレポートまで持ち出す始末。
コメディなのは分かるが、真剣味が無さすぎてオチへの落差がないのは残念。
まぁそもそも事件の動機がアレなので、誰も本気で謎解きしてないのもあるが。
また演技に関しては、あえての舞台調というのを差し引いても上手いとは言えない。
そこを期待する作品ではないし、マメ山田なんかは慣れてて気にならないが、野澤さんの辿々しさは気になった。
(演技してる芝居なのかもだけど…)
度々オウム返しするだけで、上手くもない謎ダンスに尺を取った紗季の使い方には疑問が残る。
最初の舞台ダイジェストで、本作に関わらない方たちまで紹介したのも混乱を招く。
第四の壁を乗り越えてくるラストも直接的過ぎた。
台詞と文字の両方で「みなさん、どう思います!?」連呼はサスガにしつこさを感じる。
とはいえ趣旨としては理解するし、わちゃわちゃ具合も楽しかった。
現実の『まぜこぜ一座』に興味を持たせる作品としては、十分成功だと思う。
結構しっかりした冊子を無料配布してたのも嬉しい。
臭くないのに蓋
東ちづるが企画・演出するマイノリティ・パフォーマー集団「まぜこぜ一座」の公演 『歌雪姫と七人のこびとーず』の舞台後、楽屋で東ちずるが殺されて、そこにいた人たちで犯人を推理する話。
東ちづるの自己紹介とストーリーテリング、そして弁士の語りと『歌雪姫と七人のこびとーず』のダイジェストと始まって、打ち上げ会場から楽屋に戻った東ちづるの悲鳴が…となり巻き起こっていくストーリー。
エレベーターも階段も使えない密室状態のフロアで、誰が犯人だ彼が犯人だとワイワイガヤガヤと始めて行くけれど、人物紹介を兼ねていたり、ダイバーシティ的説明があったりと、軽いノリてはあるもののちょっと能書きにクドさも。
かなり早い段階で、もしかして…と思ってしまったしね。
とはいえなかなか愉快で面白いエンタメだったし、まぜこぜ一座が素晴らしく、興味が湧いた。
趣旨を加味したらもっと星つけても良いけれど、そうするとこの作品の主張に反することになると思うので、そういうのは無しのフラットな評価ということで。
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