「荒唐無稽すぎる設定を常識ヒロインの絶妙なバランス」ゴーストキラー 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
荒唐無稽すぎる設定を常識ヒロインの絶妙なバランス
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アクション監督として知られる園村健介が監督(兼アクション監督)、阪元裕吾監督が脚本を手掛け、主演が髙石あかりと、どう考えても『ベイビーわるきゅーれ』を想起させる顔合わせなのだが、適度に「ベビわる」感もあれば、また別個のベクトルも楽しめるというジャンル映画としては最適なバランスに落ち着いているのではないか。
園村監督の演出は、笑いの部分でもそこまでしつこく押してこないので、ある意味では見やすくなっていて、もともとの設定が突拍子もないこの物語においては、ふざけすぎない塩梅もちょうどよかったように思う。
そして「ベビわる」との最大の違いでもあるのだが、殺しはあくまでも殺しであり、決して許してはいけない犯罪であり悪徳であり、主人公が最後まで受け入れたわけではないという限界ラインが設定されていること。ふみかというキャラが常識人であるという設定がちゃんと最後まで生きていて、それを工藤や影原もちゃんと認めている関係性が心地よい。
あとこれは脚本上の仕掛けだけど、エンドクレジットで工藤の名前の漢字が「英雄」だったとわかる瞬間は、ベタでもやっぱりグッと来るんだよな。
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