大きな玉ねぎの下でのレビュー・感想・評価
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平成の恋人たちが、令和の恋人たちとリンクする構成がとても良い
細部の描かれた脚本で複雑な人間の交錯が上手く構成されている
点がとても良かったです。
二つの物語、
①30年前の平成の高校生のパート。
②現在の令和のパート。
現在のパートでは、主人公は大学生の丈流(たける)。
アルバイトするバー「double」は昼はカフェで、
そこで働く女性美憂と、
互いに顔も知らずに業務連絡ノートで繋がっている。
備品の購入連絡がいつのまにか悩みや心情を書き綴る
交換ノートになって行く。
一方、
②のパートはラジオパーソナリティ大樹(江口洋介)の
思い出話の中の2人、
高校時代チャラい大樹(窪塚愛流)は、ちょっと惹かれた
顔も知らない女子高生と文通をしている。
面倒くさがりと悪筆を理由に真面目な友達の喜一に代筆をさせていた。
文通は盛り上がりある日、爆風スランプの初めての武道館ライブに、
文通の子を誘って「大きな玉ねぎの下」(武道館)で会う約束をする。
しかしその女の子は入院中で、行きたくてもドクターストップがかかっていた。
そして現在の丈流。
昼間のカフェのノートの子にどんどん惹かれて行く。
その一方で、急性アルコール中毒を起こした友達を、咄嗟に応急手当てを
してくれた看護学生の美憂(桜田ひより)と、
喧嘩友達のような関係になって行く。
気は合うのだがきつい性格でズバズバ話す美憂に気後れする丈流。
でも好きなアーティストが同じで盛り上がる事はは盛り上がる。
種明かしをしてしまえば、平成の高校生カップルが丈流の両親。
この恋はとても清潔で素敵でした。
また相手の今日子役の伊藤蒼がまたまた泣かせてくれるのです。
代筆する喜一(中川大輔)の生真面目な誠実さが、丈流れの父役・
原田泰三と重なるし、お母さん役の西田尚美と伊藤蒼は
ちょっと違うかな?
でも平成の恋、もうとても共感しました。
令和の2人で新鮮だったのは、昼間の文通相手を丈流は
もう1人のアルバイト女性と勘違いしているんですね。
その勘違いに2人は直前で気がつく点。
美憂はすっかり意気消沈してヘソを曲げてしまう。
しかし丈流は憧れの恋からリアルな恋へ変換が上手くいって、
返って「対岸の彼女」から「普段着の恋」へターンしているみたいです。
この辺が令和の恋はリアルで良かったです。
そして武道館の待ち合わせ、平成の恋人と、令和の恋人たちが、
同時進行で待ち合わせに遅れそう‼️
めっちゃハラハラしました。
終わってみればチャラい親友の大樹(江口洋介=窪塚愛流)が
恋のキューピッドでしたね。
もちろん「大きな玉ねぎの下で」をカバーしたasmiさんの声は
切なくて刺さりました。
めっちゃよかった
久々にいい映画。すれ違いはあるもののやはりハッピーエンドなのがいい。演技も安心してみられて、感情移入もできた。カバーの歌もよくて、とてもいい映画だったと思います。
ラブストーリー豊作年に埋もれてしまいがちな心温まる良作
女優の桜田ひよりさんのお芝居が好きで、映画の公開発表があった時にやや気になっていましたが、ラブストーリー豊作の年で騒がれていたこともあり、個人的に埋もれてしまっていた作品でした。
ふと思い出して、機会があり鑑賞。
音楽には疎く、恥ずかしながらこの作品のあらすじを読んで初めて、爆風スランプさんの名曲であることを知りました。
その後映画鑑賞前にたまたま音楽番組でご披露されており、作品を観るなら先にしっかり聴いておこうという気持ちで拝見しました。
近年ヒット曲を題材にした作品が増えていますが、楽曲というのは不思議なもので、作品を観る前と後で、作品の印象がガラッと変わるんですよね。
鑑賞後の場合、歌詞が物語のあの部分を表現している、という理解が生まれていることが感情に大きな影響を与えます。
初めは気が合わないところからスタートして、いつの間にか誕生するカップルって実際にいますよね。それってちゃんと相手のことを知らないから、見た目とか仕草とか最初に会った時の印象で勝手に「好き」とか「嫌い」とかに分類しちゃってるだけで、興味関心がなく知ろうとしなければ一緒になることはないし、逆に少しでも相手を知ろうと歩み寄ればそれが良い出会いになったり。
相手を知るきっかけがあるかどうかの問題もありますし、第一印象から生理的に受け付けないってパターンも僕の経験上なくはないので一概には言えませんが、それが恋に発展するとかしないとかの問題以前に、もしかしたら知ることができたかもしれないその人の良い部分を知らずに終わってしまうのは寂しいなって、この作品を通して考えさせられました。
好きの自覚は丈流(神尾楓珠)より美優(桜田ひより)のほうが早いって認識ですが、好きだと自分でハッキリ理解した上で嬉しさを隠すことのない美優のバイト先での姿は無邪気で可愛らしいです。
桜田さんって普段ツンツン系や男前系の役柄が圧倒的に多いので、お芝居上たまーに見せるきらきらした笑顔が素敵だなと感じます。
恋する女の子は可愛いとよく言いますが、とても上手く表現されていて素晴らしいです。
そしてこれまた上手く挟んでくるすれ違い模様や、過去と現在の伏線。
丈流の両親が誰なのか、過去のあの人は誰だったのか、現在でそれを察した瞬間から、過去と現在どちらにおいても「すれ違い」がもたらす見えない何かが人の運命を大きく左右することに気付かされました。
配役面でいうと桜田ひよりさんと神尾楓珠さん以外のキャストの方々を知らないまま鑑賞にのぞんだので、個人的に嬉しいことが。
余談にはなりますが、桜田さんの作品で一番好きな作品がドラマ「神様のえこひいき」なんです。
そのメインキャストだった藤原大祐さん、窪塚愛流さんが出演されていて、今回の映画で桜田さんと直接の絡みはなかったとはいえ、御三方がまたひとつの作品に集結していることが、僕にとっては嬉しいサプライズでした。
そうそう、お芝居といえば山本美月さん。僕の中で山本美月さんはお芝居が下手な方のまま時が止まっちゃってたんですけど、自然なお芝居になっていてスッと心地よく見ることができました。
役柄も合っていたと思います。
親や親の身近な人達にとっては過去から現在の、子供にとってはこれから先の。両方の視点から心温まる友情と純愛の物語です。
得るものがたくさんあり、素敵な作品でした。
大変面白く観ました!
(完全ネタバレなので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
(レビューが遅くなりました、スミマセン‥)
結論から言うと今作の映画『大きな玉ねぎの下で』を大変面白く観ました!
私的には特に良かった場面が2つありました。
私的1つ目の良かった場面は、村越美優(桜田ひよりさん)に対して業務連絡の交換ノートで思いやりのあるやり取りをしていた相手が、実際の現実の態度では嫌な感じだった堤丈流(神尾楓珠さん)だと、村越美優が分かった後の場面です。
業務連絡の交換ノートの相手が実際は現実で嫌な感じの人物だと分かったならば、落胆したり不機嫌になったりするのが自然だとは思われます。
ところが、村越美優は、業務連絡の交換ノートの相手が堤丈流だと分かった翌日の店への出勤時に、スキップして登場し、心の深層としては、堤丈流がその相手だったことに喜んでいたと伝わりました。
この村越美優がスキップして店に出勤する場面は、現実では嫌な感じの堤丈流のその奥に、思いやりある別の側面があることを発見した喜びにも感じました。
そしてこの、その人のさらに奥には別の(良い)側面があることの発見の喜びを大切な場面として描く姿勢は、この映画を根底で貫いていたと思われるのです。
私的2つ目の良かった場面は、望月(和田正人さん)が、夜のバー店員の堤丈流を店のカウンターの酒の席で自分の会社に軽く誘い、その後、堤丈流が、母(西田尚美さん)の病気の経過もあって望月の話を鵜吞みにして望月の会社を訪ね、あっさりと就職を望月から断られる場面です。
そして、この時に望月は、大切な時間が奪われることがいかに社会人でダメかを、堤丈流にシビアに伝えます。
この場面は一見すると、(村越美優のスキップの場面とは真逆で)望月の軽口のその奥に、嫌な人間の冷淡さシビアさが垣間見えた場面にも思えます。
しかしながら、望月が自身が働く会社への堤丈流の就職を(入り口で)断った理由は、堤丈流のテンプレの履歴書に理由がありました。
もっと踏み込んで言うと、この場面は、(村越美優が気がついてスキップして喜んだ)堤丈流自身の(思いやりなどの)奥底にある本来の良さに、堤丈流自身が気がついていないのではないか?(それがテンプレ履歴書の理由ではないか?)と、望月が指摘した場面だったとも言えるのです。
そして堤丈流の本来の良さが、果たして望月の会社で発揮出来るのか?との更なる問い掛けの場面だったとも思えます。
その自身の良さの問い掛けと発見は、堤丈流自身が時間を取って行う必要があり、それを相手にゆだねるのは相手の大切な時間を奪うことになるのだ、との望月の趣旨だったと思われるのです。
つまり、村越美優が堤丈流のその奥の本来の(思いやり優しさなどの)良さに気がついてスキップして喜んだ場面と、望月が堤丈流の自身の奥にある本来の良さに気がついてないとの批判的な指摘の場面は、根底では同じ所でつながっていると思われるのです。
そして、村越美優が看護師として生きて行くと決めたからこその病院内での悩みもまた、村越美優の奥の別の人間的な側面です。
加えて、堤丈流がまだ何者かとして生きて行くと決めていないからこそ、堤丈流は本来持っている思いやり優しさが自然にあふれ、彼が村越美優の存在を根底から肯定していると、村越美優にも伝わります。
堤丈流も、行く先を決めている村越美優への敬意を持ち、自身も村越美優に続こうとの想いも伝わって来ます。
堤丈流と村越美優が自然とひかれ合うのも、深く納得する自然な流れだったと思われます。
そして今作は、堤丈流の両親の過去の文通からの結婚の話の過去編も、表の文通相手とその奥にいる実際の文通相手との、二重構造になっています。
この過去編でも、その人のさらに奥には(友人関係含めた)別の良い側面がある、人間に対する希望を一貫して描いているように思われました。
それが今作に対して多くの観客が高い評価を感じている要因だと、僭越思われました。
今作は、草野翔吾 監督の前作の映画『アイミタガイ』に引き続き「偶然」がキーワードになっているとは思われます。
そして前作に引き続きと今作も「偶然」の非現実性を超えて、しっかりとした人の深さに踏み込むことによって、観客の心の深いところに届く秀作に仕上がっていると僭越思われました。
ただここまで深く人間を描くことが可能なのであれば、「偶然」の要素が無くても同様な作品構築が出来るのではないかとも、僭越思われたりもします。
なので今後の草野翔吾 監督は、「偶然」の要素がない人間の深さを表現した作品にも挑戦して欲しいと、僭越ながら思われたりもしています。
しかしながらそんなことはさておき、今回も深さと優しさと人間に対する希望と重層性に満ちた、素晴らしさある作品だったと、大変面白く最後まで今作を観ました。
役者の皆さんも、それぞれ深さと厳しさの中にも優しさある、素晴らしい演技だったと、僭越ながら思われました。
棚は高いと取りにくい、低いと頭にご用心
3月9日(日)
割と評判が良いが「アイミタガイ」の草野翔吾監督だと知らなかった。気が付いて観ようとしたら東京の上映は終了。調べたら土・日曜のみ夜1回だけ丸の内TOEIで上映有り。日曜に駆けつける。
丸の内TOEI2で「大きな玉ねぎの下で」を。
東映本社移転・東映会館再開発のため、1960年に開館した丸の内東映は今年7月27日に閉館する。
昔は1階は東映封切館、地下は洋画ロードショー館(丸の内東映パラス)だった。
「悪魔のいけにえ」を観たのはここだったか。最近では「あまろっく」を観た。
20年前に丸の内TOEI1、2になった。
築65年、有楽町の映画館がまた消える。
閑話休題
40年前の爆風スランプの曲「大きな玉ねぎの下で」にインスパイヤされた二つの武道館コンサートのチケットをめぐるラブストーリー。
1989年1月8日(月)爆風スランプ ―1989爆風伝説― 武道館ライブチケット
日本武道館 2階南A列31番 開演18:30 ¥3,000(チケットぴあ藤沢駅前店発行)
字がきれいな虎太郎は、同じ放送部の友人大樹のペンフレンド明日香への手紙を代筆して名前と住所も自分のものを使用している。
大樹は、明日香と爆風スランプのコンサートに行くため校内放送で寄付を集め武道館コンサートのチケットをゲット、虎太郎が明日香に郵送する。
しかし、前日に天皇陛下崩御でコンサートは中止に。虎太郎は慌てて速達で中止を伝える。手紙には「必ずまた会おう。大きな玉ねぎの下で」と書いた。速達がちゃんと明日香に届いて伝わったたかが分からない。
虎太郎はチケットを手に武道館に向かうが、実は明日香名義で虎太郎と文通していたのは今日子だった。
虎太郎は武道館前で明日香を待つのだが…。
―35年後―
2024年3月1日(金)
A-riスペシャルライブ武道館!チケット
日本武道館 2階スタンド 南A列30番 開演19:00 ¥7,700
大学4年の丈流は友人喜一の就職内定祝をするが、丈流の就職はまだ決まっていない。喜一は店で倒れてしまう。隣席にいた看護師見習いの美優の適切な応急処置で喜一は助かる。
丈流は、昼はスイーツの店、夜はバーになる「Double」でバイトをしているが、共用品や忘れ物等の昼の店との連絡帳で顔の見えない相手との交換日記のような連絡が始まる。
母が入院している病院で美優と会うがぶつかってばかりで折合いが悪い。
喜一の計らいで美優と食事をする事になり、その後行った中野サンプラザ近くの飲み屋で好きなシンガーがA-riで共通している事が判りちょっと仲良くなる。
昼の「Double」の近くを通りかかった丈流が店を覗くと昼のスイーツ店をやっている紗希の姿を見かけ、連絡帳の相手は紗希だと思う。喜一のお節介で女性の名前がサキ、既婚でない事が判る。連絡帳でお互いがA-riのファンだと判った丈流は武道館コンサートのチケットに当選し、1枚を連絡帳に挟んでサキに贈る。しかし、チケットを受け取ったのはサキではなかった。
受け取った相手が誰かを知った丈流はチケットを手に武道館前で相手が来るのを待つのだが・・。
40年前の曲を基に、二つの武道館コンサートのチケットにまつわる話を上手くまとめて、しかも35年を跨いでその話が見事にクロスしているのが絶妙で素晴らしい。
「アイミタガイ」でもそうだったが、人と人との繋がりが何処かでまた別の人と繋がっている。丈流の父と母と美優、DJ、救命救急士、おっと喜一もか。自転車もだな。
店の名前がダブルって言うのもね。
後で予告編等の映像を確認したら、35年を跨いだ武道館のチケットは同じ席だった。
2階南A列、女性が30番(丈流がサキに送ったチケット)、男性が31番(武道館前で虎太郎が手にしていたチケット)。
ツッコミどころとしては、大樹は35年後に文通していた明日香の住所が判るのに、友人の丈流の住所は知らんのかい。
鎌倉から武道館は遠いぞ。チケットを取りに行ってそれから武道館へ、それも自転車?
丈流の就職は一体どうなった?
私が武道館のコンサートに行ったのはABBA、加山雄三、ジョン・デンバー、キース・ジャレットかな。あとはプロレスだ。
おまけ
私の前列右側で観ていたのはサンプラザ中野くんのようだった。声はかけなかったが、あの頭で真っ赤な服を着ていた(サングラスはしてなかった)。いくら銀座でも芸能人でなきゃ真っ赤な服着て映画観に来ないよ。
歌の力
突っ込みドコロは満載。特に設定や展開はあざとさが目立つ。
だけど、嫌いになれないのは、愛のある映画だ。
過去と現在の絡み合い方が心地良い。
そして、何よりも歌の力を思い知らされる映画でした。爆風スランプのタイトル曲と「Runner」。この2曲に持っていかれる。歌の力、それだけでも価値がある映画なのでは。
あと、伊東蒼さん、今回も一番印象に残ったなぁ。相変わらずスゴい。
#大きな玉ねぎの下で #爆風スランプ
令和の話も昭和の話もとても面白い。だけど、べつに令和と昭和をシンクロさせなくてもヨカったんじゃネ?とは思った。わ~ぷ有り (^^)。
僕は、玉ねぎの歌は聞いたことがあるけど内容ちゃんと知らなくて、神尾楓珠と桜田ひよりを見に行った。
しかも、伊藤蒼がサプライズだったので、かなり満足したが、感動はしなかった。
令和版の、実際に会うと反目してしまうのに、連絡ノートで ”まだ見ぬアナタ”に互いに引かれあう話は面白かったし、昭和版の、写真の右端同士が、お互いに気になっていた話もすごくイイ。
令和では、タケル(神尾楓珠さん)と美優(桜田ひよりさん)が、連絡ノートを介して武道館で会おうとする。
昭和では、タケルの父コタロー(原田泰造さん)と母京子(西田尚美さん)が高校生のときに同じような体験をしているのも面白い。
*高校生バージョンは藤原大祐さん,伊藤蒼さん。
伊藤蒼の下がり眉毛と困り顔には僕もやられたくちである(^^)。
どちらも紙媒体で出会って、武道館で会おうというエピソードで、どちらもとても良いと思う。
だけど、タケルの両親が武道館で会おうとした事と、タケルが美優と武道館で会おうとした事には何の関連もない。
タケルが両親と同じような経験をしたというだけなので、僕は特に感動するということもなかった。
昭和と令和の似てるエピソードが2つ描かれたので焦点がボケてしまったと思う。
どちらか一方にしぼって描いてたらラブストーリーとして感動したかもしれない。
*もし武道館で会おうというエピソードが、昭和と令和でシンクロする事に何か必然性が有ったとしたら、僕は見逃してしっまている。
その他、気に入ったエピソードなど。
・桜田ひよりが、神尾楓珠ママの病室で見かけた力こぶマークから、もしかしたらと思うエピソードが良かった。
・カケルと美優は、連絡ノートの相手が誰かコッソリ見に行くんだけど、現実的には絶対ダメである。ちゃんと相手の営業時間中に店に入り、自分も名乗って相手を確認すべきだ。
だけど、映画的にはコッソリ相手を見に行くほうが絶対面白いし、しかもカケルは、連絡ノートの相手を見間違えるというオマケ付きで、ますますよろしい。
自分がコッソリ見に行ったのなら、当然、逆に相手もコッソリ自分を見に来てるかもしれないと何で思い当たらんのじゃ、なぞとツッコム (^^)。
武道館と鎌倉、武道館と秩父が距離的に離れ過ぎじゃろ♪ヽ(´▽`)/
高校時代の京子(伊藤蒼)は、あの時間に薄着で秩父の病院を抜け出してどこへ行こうとした、何をしようとした?時間的、距離的にワープするっきゃないじゃろ♪ヽ(´▽`)/。 まあ、バイクでワープした高校時代のコタロー(藤原大祐)と会えたので結果オーライじゃ。
2025(令7)/2/22(土) A
会えてどーする
原田泰造さん演ずる主人公の父親と同い年の中高年男性の以下レビューです。
※この作品が好きな方はスルーして下さい。
サンプラザ中野のオールナイトニッポンのエンディングだったこの曲が、アルバム発表から少し時間をおいてリメイクでシングルカットされて、爆風の中でも名曲の一つとなった。
もちろん私はこの曲が大好きだったので、観賞後に感じた最大の違和感の要因は、やはりこのテーマとなった「大きな玉ねぎの下で」の歌詞で描かれた世界との差。
いや、もちろん作り手も意図しての構成だとは思うし、別に「この曲の映画化」ではないんだから問題ないんだろうけど、単純にやっぱり
「会えてどうする!」
「結ばれてどうする!」
なんですよ。
この曲が心に刺さるのは、会ったこともない相手に寄せた淡い恋心が、泡と消える切なさ。
そもそも冷やかしだったのかも知れない・体調を崩して急に来れなくなったのかも知れない・ウソの写真を送ってしまって会いづらくなったのかも知れない…
理由も分からず、想像ばかりが広がるけど、玉ねぎの下で待ち続ける自分だけは現実。
「そんな予感もしてただろ?」
「でも信じていたい」
「これで終わり、なのかな」
でも、その後のことは描かれない。
くううううっ!
サイコーじゃないですか。
それを。
ラストで、武道館の前で、この曲流して。
♪僕は一人 涙を浮かべて
千鳥ヶ淵 月の水面 振り向けば
澄んだ空に 光る玉ねぎ♪
で…
会えてどうする。
結ばれてどうする。
え?二組とも?
そういう歌じゃないよな。
二つ目。
主人公の男の子に共感できなかった。
役者さんはみんな好演だったと思うけど、やはり、私の年齢で観る分には「ファンタジーが過ぎる」。
あんな、確実に他の人も読むバイト先のノートで知らない相手と個人的なメッセージ交換始まるとか。
2人が直接会って初めて飲みに行って、お互いのバイト先の話もしないとか。
都合良すぎる。
映画の中では終始、主人公くんの言動が「それはお前が悪いよ」って感じがベースなので、お母さんが危なくなってから(病室には通ってるから心配はしてるんだろうけど)就職面接に行って「時間がないんです」ってのも全然同情できないし、「生まれちゃったからには、生きるしかないでしょ」って、どういう開き直りなんだろう。
三つ目は時代観。
もちろん80年代当時の私の周辺に限った印象として、あの当時交換日記は一部やってる男女はいたが、雑誌などを通じての文通はさすがに当時でもやはりかなりレアだったし、いわゆる「陰キャ」の秘め事、もしくはかなりディープな趣味人たちの交流が主だった。
だから、こんな他人の「なりすまし」みたいな出会いが直接の接点として成立するツールではなかったはずだし、ましてやこんな「なりすまし同士が相手のなりすましを意識して文通する」とか、あまりにナンセンス。
そんな特殊なものをまるで、「当時多用された不便なSNS」や「マッチツールの一つみたいに描くことへの違和感は拭えなかった。
フラワーロック、舐め猫、マジックハンド。(舐め猫ブームはこの時期よりかなり前だよね)
あの頃流行ったグッズを強調する割に、ただの小道具。写ルンですなんかはもう少し話とからんで来るかと思ったのに。
ま、このあたりは「言いがかり」のレベルですな。
もちろん良いところはあって、途中にちりばめたパーツが後半で結び付いくのは楽しかった。
「俺なら先に帰ってるよ」とか
「野菜ジュース」とか
「エース級のナース」とか
「直売所」とか
「店長の自転車」とかね。
前述したとおり、若い方にはラブストーリーとして受け止められたんだと思う(だから評価もされてるんでしょう)のですが、中高年の私にはかなり物語として無理筋という感じでした。
ラストは「ファーストキス」より断然こちらが良い
文通をテーマに親世代と子供世代が織り成す物語ですが、前半は普通の恋話という感じで、つかみどころのない感じがしました。
ラストはコンサートでひたすら待つ丈流、そして丈流の想いに気づいた美優が武道館に必死に向かう、両者のひた向きな姿が胸に響きます。
ラストシーンが「糸」という映画に似ているんですが、本作の方が景色がキレイで好きです。
桜田ひよりさんのアヒル顔もチャーミングで、主演をはれる女優になったなあと思います。
本当に欲しいモノがあるのなら本気で取りに行こう。出会いの約束をしたのならその場所を目指して全力で走りだそう。その心は時代を超えて観る者へと良く伝わってきます。
最初はノーマークの作品だったのですが
大きな玉ねぎの正体とか爆風スランプとか
出演者に気になる人が多く出てるなぁ と
気付いたら映画館に来てました。・_・♪ またかー
というわけで鑑賞です。
30年前と現在。
平成と令和という二つの時代の流れを縦軸に
それぞれの時代で起きる人間模様を横軸に
武道館ライブを観に行くはずだった、平成・令和それぞれの
時代のカップルの恋愛模様を描き出した作品です。
光の描き方がとても匠で綺麗。・_・デス
登場する人物の感情表現も共感しやすく描かれていて
最後まで作品の世界に入り込んでの鑑賞でした。
主な登場人物は
・堤丈流 (神尾楓珠) 大学4年正。就職活動はどうした…
・村越美優(桜田ひより) 看護学生。 ツンデレ。
この二人のバトルを描いたのが令和パートです。 …他に平成パート
その他の主要人物として
丈流の両親(原田泰造・西田尚美)
丈流の友人
丈流と美優のバイト先の店の人など一杯登場。
他にも沢山の人物が登場しますが、ヘタな紹介を書くとネタバレ
に直結しそうなので省略。 @_@ (本当は書きたい…うずうず)
せめてお話の冒頭だけでも…(あきらめの悪いヤツ と、自爆)
◇
酒の席で、友人の就職内定を祝う丈流。
友人から丈流の就職活動の状態を聞かれ、こう答える。
” 全ては偶然の結果だから ”
そんなことを友人に話していたところ、隣の席の女子から
丈流に声がかかる。
どうやら、丈流の話が聞こえていての反応らしい。
それも、丈流の主張の矛盾を指摘する突っ込みだ。 むむ
丈流とその女子との声のトーンが上がっていく。
” まあまあまあ ” と、丈流の友人その2が割って入り仲裁。
…しようとして、その場に倒れる。
” えっ ” どうしよう…まずい
固まる丈流たちを横目に、昏倒した友人に冷静に処置したのが
先程の丈流に突っ込んだ女子だった。、
店の人に救急車手配を依頼し、状況を知るものとして救急車に
乗り込んで言ってしまう。 ただ呆然とするだけの丈流。
応急手当が良かったらしく、友人は無事退院。ほっ
お前はオロオロするだけだった と丈流に文句をぶちまけて
” 俺に代わって、命の恩人を食事に誘え! ”
と、正論とも理不尽ともつかぬことを依頼する急アルの友人。
” なぜ俺が? ” という気持ちは当然あるが、あの場に
彼女=美優が居合わせなかったら、友人を一人失ったていたの
かもしれない。美優の連絡先は、急アル友人がナンパ(?)した
美優の友人から聞き出していたようだ。
「お礼」ということで、美優と一緒に食事をすることに。
食事の席の後もギクシャクとした丈流と美優だったが
ふとしたことで、互いに共通のサイトのファンであることが
分かる。思いがけず、親密度が徐々に上がっていくのだが…
以降、そう単純な展開ではありません。・_・デス
丈流の父親の話や、30年前の高校での出来事とか
過去から現在につながるエピソードを散りばめながら
最初はぼんやりとした、ストーリーの骨格が次第に明らかに
なっていくのを一緒になって体験した気分です。
あと、この作品での重要アイテムが「交換日記」。 ← …違う
丈流と美優、実は同じ場所でアルバイトをしていた。
同じ場所…に違いはないのだが、店としては別々。
同じ店舗を使って、昼と夜とで別の店として営業しているのだ。
昼はケーキ屋で夜はバー。(オーナーが同じなのかな?)
二人は昼と夜それぞれの店でアルバイトをしているのでした。
互いにそのことを全く知りません。
昼の店と夜の店とで、相互に連絡事項(落し物とか)を共有するため
の「連絡ノート」を準備し、申し送りする運用が始まります。
昼の部からの連絡を記入するのは、美優。
夜の部からの連絡を記入するのが,丈流。
本来は業務連絡用の日誌のはずが、次第にそれ以外の内容を書き込ん
だもの(日記のような)になっていきます。
ノートの中では、相手が誰だか分かりません。
知らない気安さもあり、励ましや悩み相談のようなこともしばしば。
顔を合わせれば、なかなか素直に相手を認められない二人が
ノートの中では心の交流の親密度が深くなっていくのですが…。
以降、そう単純な展開ではありません。・_・; デスヨ
というわけで、
作品が気になる方は是非、劇場で確かめてみて下さい。・_・☆
個人的には、作品に入り込める良い作品でした。
充分満足です。・_・☆
◇あれこれ
■タマネギといえば
パタリロを思い浮かべました。タマネギ部隊。・_・
舞台にもなっていたとは知りませんでした。
■丈流クンの就活
結局 就職できたのかなぁ…。
結果が描かれなかった気がして、気になってます。
■配役の妙
丈流の父(原田泰造)の現在と30年前。似てます。
丈流の母(西田尚美)の現在と30年前。こちらも違和感無し。
それぞれ似た役者さんを良く探しましたね。
■桜田ひよりさん
一番最近観た作品では、フライパンが武器でした。(ウソ)
今回の作品でも、自分の考えることを主張する自立した女性を
好演。「おかえり寅さん」で満男の娘役で初めて観たときは、
大人しめの雰囲気を纏っているように感じたのですが、むしろ
活発な役の方が似合うのでしょうか。
今後も要チェックです。
■原田泰造さん
誠実で実直。そんな中年男の役が似合うなぁ と、改めて認識し
ました。個人的には出演作を観るのが久しぶりでしたので、
充分満足いたしました。
◇最後に
ノートに書いたことだけが、相手に直接伝わる訳なので
読む方は文字通り「白紙状態」の「先入観なし」で相手の
イメージを作り上げていくことになります。
この「作り上げたイメージ」って、「本人が自覚している
自分」よりも、より本質に近いことがあるのでは? と
そんな気もします。
リアルの相手を知っていたら書けないようなことも、ノート
の中の相手には書けてしまう。 うん、これも分かります。
人と人との関係って、単純そうで面倒臭いです。
面倒臭いのになかなか切れないのも人の縁・_・デス
◇最後に その2
作中、以下のようなセリフが出てきたかと想うのですが…
” 自分の感情にウソは付けない ” (…うろ覚え)
” 理屈より感情が大切なことも ” (…さらにうろ覚え)
理屈では無い何かで人は動く。ということを描いた
この作品の監督さんは誰だろう? と思い、後で確認したところ
「アイミタガイ」の監督さんでした。
あぁ なるほど。と、腑に落ちた気がしました。
この監督の次の作品も要チェックです。・-・/☆
◇追伸
鑑賞後、気がつくと「大きな玉ねぎの下で」を脳内で再生して
います。良い歌ですね。・_・♪
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
懐かしいタイトルにひかれて
爆風スランプドンピシャ世代なので、このタイトルですぐに見ようと
手紙を連絡ノートに置き換えて……
甘く切ないあの歌詞に沿う内容は好きだけど
シナリオは只々素直に物語を送るだけ
表情の裏に潜む、心の揺れは……すべて分かりやすく顔で表現してくれて
こたつに入って見ればもっと楽しめた作品だったかも
音楽も、爆風のあんな曲やこんな曲が流れるかなぁって期待したけど
玉、Run感じ……
じゃあ、いっそ大きな玉ねぎだけでよかったじゃん!
制作UNEXTだって知ってれば……こたつまで待ってた。
俳優陣は原田さんが良い感じで後半を引き締めてたなぁと言う印象
酷かったのが脇役陣で、ふろふき、なべぞこ、桜島、練馬、かいわれなど、まあ、色々あるんだねって感じ
ラノベをまんま映画にしたような、たぶん、アニメの方が相性良かったんじゃねぇの?
なんだかほっこりした映画
予告で気になって鑑賞!
同じ場所にいるのに会ったことがない2人。
丈流と美優は、夜はバー、昼はカフェになる「Double」でそれぞれ働いている。
“夜の人”と“昼の人”を繋ぐのは、連絡用の<バイトノート>だけ。
最初は業務連絡だけだったが、次第に趣味や悩みも綴るようになった。
会ったことがないからこそ、素直になれた。
でも実は、2人は顔見知り。
しかも、全くそりが合わず関係は最悪。
お互いの素性を知らないまま、2人は大きな玉ねぎの下(武道館)で初めて出会う約束をするがー。
一方、あるラジオ番組では30年前の文通相手(ペンフレンド)との恋が語られていた。
顔は知らないけど好きな人と武道館で初めて会う約束をして・・・
2組は大きな玉ねぎの下で出会うことができるのか?
令和と平成2つの恋が交錯し、やがて1つの奇跡が待ち受けるー。
というがあらすじ!
予告で気になって出演者とかも見て観たいと思って鑑賞しましたけど予想以上によかったです!
今は手書きで誰かを思って書いて気持ちを伝えることはなかなかないですがそれがよかったですね!
バイトノートでお互いの距離が少しずつ縮まってるところとか30年前のペンフレンドとの恋もよかったですね☺️
お互い文通で恋に落ちて丈流の両親はさらに代筆した人同士が落ちていろんな偶然や運命があって全てが繋がってるのかな思ってしまいました…
でも映画の中でも言ってましたけど偶然はなくて自分たちが選んだことが積み重なってできたものだから必然だったのかもしれないですね
そして最後は抱き合うのではなく照れ臭い感じがまたいい感じ…
みなさんとてもいい演技で観終わったあとはなんだかほっこりする映画でした!
正直言って大きな玉ねぎの下でという曲は知らなかったのですが知らなくてもとても楽しめました!
素晴らしい映画をありがとうございました😊
そういえば武道館の上にある追手内洋一の髪みたいなやつはなに?
2025年映画館鑑賞15作品目
2月13日(木)イオンシネマ石巻
ハッピーナイト1300円
監督は『にがくてあまい』『世界でいちばん長い写真』『九月の恋と出会うまで』『彼女が好きなものは』『アイミタガイ』の草野翔吾
脚本は『朝が来る』『記憶の技法』『東京リベンジャーズ』『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 運命』『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 決戦』の髙橋泉
ストーリー原案は中村航
粗筋1
同じ店舗で夜はバーで昼はカフェ
夜と昼で業務上のやりとりを始めた夜のバイトの大学生堤丈流と昼のバイトの看護学生村越美優
やがて交換日記のようなやり取りになっていく
2人の出会いはそれ以前にあり居酒屋で言い合いになっていた
連絡帳だけの関係も美優は夜のバイトの正体を知るが丈流は店長の篠田沙希だと勘違い
美優の友人の真子と丈流の友人の喜一が間に入り誤解は解けるが丈流と美優は破局してしまう
粗筋2
昭和から平成になる頃に三浦の高校生と秩父の高校生が文通していた
三浦の男子高生堤虎太郎は字が汚い友人の府川大樹の手紙を清書し投函していた
秩父の女子高生の池島今日子は病弱で入院中
ルックスに自信がなく友人の谷崎明日香の顔と名前を借りて文通をしていた
やがて虎太郎も今日子が相手が別人だと気づき始める
爆風スランプの名曲『大きな玉ねぎの下で』の歌詞にインスパイアされたストーリー
そういえば玉ねぎってあれのことだったね
タイトルだけだとピンとこないが歌詞を聞くと思い出す
堤丈流の世代と丈流の親の世代の話のツープラトン
頭が悪い人にも配慮したややこしい構成ではないのが嬉しい
さすが売れっ子脚本家髙橋泉
ヤンキーのスクーターが笑える
そういえば『下妻物語』の土屋アンナもあれに似た感じのスクーターだった
ガキの使いのフリートークのコーナーでレディースがスクーターで埠頭に行く内容の松本人志の話を思い出した
笑えるといえば桜田ひより
彼女の顔は面白い
特に「はっ!?」とキレる感じのときが変な顔
もちろん褒め言葉
居酒屋のシーンで他を圧倒する存在感
だからこそ実写版でチビ太に異例の抜擢をされる若手女優
ネタバレしてから観た方がより楽しめると思う
つまりこれも2度目が1度目より味わい深い
配役
「Double」の夜のバーでバイトをしている大学4年生の堤丈流に神尾楓珠
「Double」の昼のカフェでバイトをしながら鎌倉の病院で看護学生の村越美優に桜田ひより
病気で秩父の病院に入院中の高校生の池島今日子に伊東蒼
鎌倉の病院に入院している余命わずかな丈流の母の堤今日子に西田尚美
三浦に住む高校生で大樹の代筆をしている虎太郎に藤原大祐
出版社で教科書を作る仕事をしている丈流の父の堤虎太郎に原田泰造
虎太郎の親友で放送部の府川大樹に窪塚愛流
ラジオ番組のナビゲーターのTaijyuに江口洋介
今日子の親友でヤンキーだが看護師を目指す谷崎明日香に瀧七海
急性アルコール中毒の喜一を救急車で搬送する救急救命士に飯島直子
昼のカフェの店長の篠田沙希の山本美月
丈流と同じ大学に通う友人の喜一に中川大輔
丈流の友人の小柴に伊藤あさひ
美優の友人で喜一の彼女の真子に秋谷百音
「Double」の店長の重田に休日課長
丈流を経営する会社に軽い気持ちで誘うベンチャーの社長に望月に和田正人
武道館ライヴを行うアーティストのA-riにasmi
ラジオ局に訪れるサンプラザ中野くんにサンプラザ中野くん
爆風スランプについて話すラジオのパーソナリティに坂上みき
美優の友人に成田愛純
美優の友人に藤本ばんび
店長と話すバーの客に永野宗典
美優を指導する看護師に宇乃うめの
看護師長に智順(旧・ちすん)
看護部長に七海映子
病院の理事長に板垣雄亮
ラジオ局のスタッフに松尾百華
大樹の担任教師に廣末哲万
三浦の郵便局で並んでいる主婦に西田麻耶
三浦の郵便局で並んでいる男に佐藤五郎
入院患者に松田弘子
望月の部下に板井剛貴
すれ違いぶりがシンクロする二人
ペンフレンドとの文通が盛り上がり、いつの間にか膨らんだ理想像。でも現実はまさかの…という設定。こういうすれ違いドラマは昔から何百回も描かれてきたであろう。しかし爆風スランプの30年以上前の曲をモチーフに、親子二代の物語を交互に描く構成など工夫されており、柄にもなく泣いた。
就活の時期なのに皆と同じようには動けない、斜に構えた価値観の神尾楓珠君。偶然居合わせた居酒屋で、神尾君が語る「すべては偶然だよ」という人生論に、「聞き捨てならない」とばかり割り込んでくる桜田ひよりちゃん。この冒頭場面から引き込まれた。
二人のすれ違いぶりに説得力があるからこそ、クライマックスの和解が生きてくる。この映画は会話劇が面白く、二人の口論をずっと聞いていたいと思った。「僕はそんなこと言ってない。言った僕が言っているんだから間違いない」「あなたはそう言っているように聞こえた。聞いた私が言うんだから間違いない」など。相性が合う二人は、口げんかもシンクロしているのだ。
親世代の、昭和から平成に変わる時代の文通ドラマも効果的。大人だってお手本となるような人生は送っていないけれど、ほろ苦い昔話をさらっと若者に伝えて、背中を押す役割を果たしている。爆風スランプをカバーした主題歌のように、今の若者は全部をオリジナルで作る必要はなく、等身大の物語を作っていけばいいと教えているようだ。(そういう私は完全に親世代の年齢)
正直に言えば、リアルな口げんかに比べてノートでの文通にそれほど魅力は感じず、文章と生身の人格を最終的にどう融合したのかも描いて欲しかった。冒頭で挙げたような性格の好対照が魅力的だっただけに。(対面するとぶつかってしまうけれど、ノートで交流したような弱さや迷いも分かち合っている…そんな二人なのだと脳内補完しておきます)
好きな人にイライラしてしまう気持ち
文通相手に恋をしてしまう、しかし、現実の相手はキライな人
キライなのに気になる、考えるとなんかイライラしてしまう気持ちが描かれている。
お互いに会いたいという気持ちがあれば、会える。
彼女の方が会いに行かないとと走るパターンは珍しい気がする。
現実の彼と文通相手が同じことに気付いて喜ぶシーン、チケットの宛先が間違っていたことに拗ねるシーンは桜田ひよりさんの演技が素晴らしいと感じました。
p. s.玉ねぎを武道館ではなく国技館だと思っていました。
現実的に鎌倉から武道館まで自転車で移動するのはキツイはず、、
爆風スランプのドンピシャな世代に良いニッチな作品?
宣伝で気になり主題歌でもあるカバー曲を聞いてどハマりしたこと、原曲を聞いていた世代でもあるので見に行くことにしました。
この映画に出てくる大人にほぼ近い世代なので、若い方が見てどう感じるかは未知数ですが、大人側の話がベースというか絡んでいるところに安心感があったし意外!とかサプライズ!とか大袈裟なシーンもなくてもきちんと落とし込める回収が丁寧にされていました。
タイムリープとか記憶をなくす、入れ替わる、などの演出の恋愛モノにはもはや食指がのびず、
深く考えさせられたり感情を揺さぶられすぎたりすることにも疲れた。そんな時にこの映画が上映されていて良かったです。
若い2人を前面に出したプロモーションだった気がするけど、若い人というより人生後半に差し掛かった大人世代がぼんやり見るのに良い作品だと思う。平成のエモさがさりげなく押し付けがましくなく出てくるところ、奇を衒わないすごく気の利いた台詞とかでもないけどほっこりしたりちょっとニヤっとしちゃったり。2人がすれ違っちゃうきっかけがあるんだけどそれも完全善意の友達のお節介行動がきっかけってだけ。嫉妬とか悪い人とかは出てこない。
やや「偶然」の設定が無理やりかな?と感じることがありましたが、作品の柔らかい雰囲気でそこはあまり気にすることなく…。応援をこめて☆4つつけさせていただきます。
強いて言うならもう少し、九段下や千鳥ケ淵のエモさを出してくれたらなあ。
江口洋介さんと飯島直子さんのキャスティングにはすごく納得できた(笑)
あっ、中村航さん
エンドロールを観ていたら、ストーリー原案の所に中村航さんの名前が有って、なんか納得しちゃいました。
中村さん、青春の少し上の世代の青春を描くのが巧い印象なんです。
役者さんは、神尾さんと桜田さんだから安心して観られますよね。
だけど鑑賞前に大きな不安が一つ有ったの、それは曲自体がハッピーエンドではない事なんです。
それでいて、情景が目に浮かぶ歌詞になっているの。
なので、曲の情景は壊さないで、ハッピーエンドにして欲しいという、相反する私の勝手な願望を満たしてくれるのかなと。
結果、大満足でした。
丈流が美優を待つシーンは、曲の情景そのものだし、その後の再会シーンの二人の距離感が絶妙なんですよね。
曲のイメージを壊さず、しっかりハッピーエンドにしてくれました。
それから、この映画で巧いなと思ったのが、連絡ノートの設定です。手書きの文字でのやり取りに不自然さが無いんですよね。
ペンフレンドなんて、ほぼ絶滅してるだろうし、交換日記って時代でもないでしょうしね。
ん!?
そういえば、桜田ひよりさん『交換ウソ日記』って、おもいっきり交換日記が題材の映画のヒロインでした・・・。
交換日記の時代は続いているかもです。
それにしても、手書きの文字ってやっぱり良いですよね。
書き手の思いが綴られている気がして。
なので、このレビューも手書きで書けば、私の感動がもっと伝わるのかな。
それは無理だけど、この映画を含めて好きな作品のレビューは、気持ちを込めて文章を書いているので、伝わるといいな。
関係ないけど、昼と夜の会わない男女のやり取りっていう設定だと、『こちら放送室よりトム少佐へ』が思い浮かぶけど、一度でいいからスクリーンで観てみたいな。
古き良き時代、二人の逢いたい気持ちは、この名曲に乗って永遠に奏でる~
爆風スランプ”大きな玉ねぎの下で”の曲名に沿った映画
今日は「大きな玉ねぎの下で」観に行きましたよ。
爆風さんね。昔は良く聴いてました。
確か ”タイ焼き焼いた” だったかな。
~俺の右手はアンコで真っ黒ぉ。アンコで真っ黒ぉ。~ とか
コミックソングって言うとファンの方から怒られそうだけども、
”大きな玉ねぎの下で”は 武道館の事を示した曲ってのは有名。
歌が出たのは平成元年前後だった様なので、若い人は知らない人も多いのだろうね。
この武道館コンサ-ト繋がりで、まだ逢った事も無い 顔も知らない人と
待ち合わせして逢うって事自体が、今からするととっても新鮮。
今ならスマホで連絡チョチョイのチョイ。
この作品に出て来るカップルは2組。
昭和時代のペンフレンドと、令和時代の日誌フレンドだ。
(昭和カップル)
堤虎太郎(後の丈流の父):役 藤原大祐さん
池尻今日子(病気、後の丈流の母):役 伊東蒼さん
(令和カップル)
堤丈流:役 神尾楓珠さん
村越美優(看護学生):役 桜田ひよりさん
この内、昭和カップルの恋が実は気に入ってて
ペンフレンド募集とか 代理で出したりとか懐かしい。
今なら偽装かよって言われそうだけど。
その当時はそれが当たり前だった。雑誌にペンフレンドコーナ-とかが有ってね。
(*ノωノ) (≧◇≦) ちょっと有名人に成りたくて送る人多かったかな。
虎太郎も友人(府川大樹:窪塚愛流さん)に代わって手紙を送るのだが
途中で多分 写真端の彼女って事に薄々気付く。
直接文字を書くからね 手紙だし。だから筆跡文字、文面の丁寧さで多分
ヤンキー女子じゃない事は直ぐ分かるのだろう。
その後結ばれた二人が丈流の両親で、
父役の原田泰造さんと、母役の西田尚美さんは好演だったと思います。
この母が癌で入院中。この病院の看護学生(看護研修生)が
村越美優なんだな。だから全体的にはそんな繋がり。
丈流の母の事は美優は知っていた訳で。
久し振りにスクリ-ン復帰の 篠田沙紀(カフェ店員)役:山本美月さんを観ましたわ。いつ見ても長い髪でお美しいですよね。
お店自体が夜と昼で入れ替わり、バイト店員がそれぞれカフェ店員美優とバ-テンの丈流となってます。お店の管理日誌にお互いが色々想いを書いているうちに
知り合っていく~展開。この辺りは良い流れと感じた。
最近、パソコンや携帯で常時メール文打ってると、急に日誌なんか書けって言われてもかけない。漢字が出て来ないし、文字も汚いかな。
だから 丁寧な文字で日誌に書いてる二人は エライな。そう思った。
ヤッパリ文字の丁寧さ見ただけで 人柄って分かるもんだと思う。
文体もそうだけどね。
共通の推しと、歌に惹かれて繋がるんだけど、
それだけじゃ無いと思うんだよね。
”ペンフレンド”って言葉に重きを置いて、相手を徐々に知る、知って行く楽しみ。
やがて逢う嬉しさ・・・
そんな事が上手く表現されていたと思います。
ここの所 注目してる桜田ひよりさん。
益々目が大きく輝いてて とってもいい感じ。
前作の”バジーノイズ”といい、今作品といい
次作も音楽絡む作品となるのでしょうか。
大いに期待ですね。
ご興味ある方は
是非 劇場へどうぞ!
小さな玉ねぎの横で
予告で流れてるのが原案となった曲(のカバー)ということすら知らなかった。
粗筋の「素性を知らないまま、大きな玉ねぎの下(日本武道館)で初めて会う約束をする」って嘘やん…
相手も分からぬ仕事用の連絡ノートに最初からカジュアルな書き方をする、丈流も美優もヤバい。
丈流の斜に構えた考えもあり、第一印象が微妙。
そんな2人をよそにちゃっかり連絡先交換して彼女をつくった喜一により、かなり強引な流れでデートへ。
ここで美優が応じるのに、沙希の言葉だけでは弱い。
食費にも困る貧乏学生とか、飲めるなら飛びつく酒好きとか、何かほしかったです。
その後に急激にデレるあたりもよく分からない。
趣味の共有程度では無理があるし、お互いはじめから好きだったのでないと理解できません。
勘違いからの修羅場とかは定番ながら面白かったし、山本美月の「わたし悪くないよね」は好きだけど。
個人的には虎太郎と今日子の方が感情移入できた。
明日香が合流できた流れはよく分からなかったが、大人パートの雰囲気もとても素敵だったし。
正直こっちの話をちゃんと見たいくらい。
DJ江口がラジオで自分語しすぎなのは気になるが。笑
クライマックスは過去と現在をやり過ぎなくらい被せてくるが、まぁ映画だし。
母の死はサラッと、就活の成否は丸投げなのは残念。
2回目の面接ですら「もう時間がない」と自己都合を押し付け、ラストも待ってるだけと丈流の成長も薄い。
大学4年にしては行動が幼いが桜田ひよりは可愛かったし、伊東蒼の起用も嬉しかった。
内容としてはおっさんに刺さるものではなかったが、なかなか楽しめました。
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