劇場公開日 2024年10月4日

「本編に勝るとも劣らぬ感動を味わえる」ドキュメンタリー オブ ベイビーわるきゅーれ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0本編に勝るとも劣らぬ感動を味わえる

2024年10月16日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

幸せ

本当は「ナイスデイズ」本編を先に観たかったのですが、上映時間の都合でしかたなく本作を先に鑑賞しました。ネタバレになってしまうのではと心配していましたが、ストーリーに深く関与する部分はなく安心しました。むしろ十分すぎるほどのウォーミングアップとなり、本編への期待値がさらに上がりました。

内容は、「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」の宮崎県ロケでのクランクイン前日からクランクアップまでの撮影現場に密着し、主演の二人や関係者らのインタビューを交えて、撮影当時を振り返りながら、作品にかける製作陣の思いや出演者の素顔を紹介していくというもの。

全編通して、どんな短いシーンも些細なカットも決しておろそかにしない、作り手の矜持のようなものをひしひしと感じます。特に、アクションシーン中心に編集されたドキュメンタリーであるため、現場のピリピリした緊張感、ワンカットからにじみ出る凄みは、スクリーン越しでも十二分に伝わってきて、こちらも呼吸を忘れて見入ってしまうほどです。

中には何テイクも撮り直すカットがあり、映像をチェックしながら手足の位置や動きやタイミング等のわずかなズレを修正しているようでしたが、正直言って素人目には違いが全くわかりません。ただ、そんな細かなこだわりをもって作品を届けてくれているのかと思うと、その熱意にうれしくなります。「OK!」の声を聞くと、こちらまで安堵と高揚から拍手したくなります。

もちろん全てが順調にいくはずもなく、天候、けが、体調不良など、さまざまなトラブルに見舞われます。その結果、撮影の遅延が発生し、日程変更や追撮といった決断を迫られます。役者やスタッフのスケジュールのみならず、資器材の調整や資金繰り等、細部にわたって多大な影響が出ることも伝わってきます。本作に限らず全ての作品において同様の苦労があり、作り手はそれを乗り越え、少しでもよい作品を作って世に送り出そうと奮闘しているのでしょう。こうしている今も、きっとどこかで撮影や編集が行われ、公開の日に備えているかと思うと、本当にわくわくします。

主演の髙石あかりさんと伊澤彩織さんはもちろん、阪元裕吾監督や園村健介アクション監督らのインタビューも盛り込み、宮崎ロケの密着映像とともに、「ベイビーわるきゅーれ」シリーズの作品世界にどっぷり浸れる本作。シリーズファンなら、ぜひ本作もご鑑賞ください。これまで以上に、ちさまひ愛が高まること請け合いです。

おじゃる