「最悪のバッドエンドは…」ファーストキス 1ST KISS おたまさんの映画レビュー(感想・評価)
最悪のバッドエンドは…
※タイトルがネタバレになるかもと思って変更しました。他にも加筆してるところがあります。
本日3回目の鑑賞。
最初から、坂元裕二脚本で「カンナのおかげで未来が変わり、駆は死なずに2人は末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」とは絶対にならない、と確信していたので
・カンナが身代わりになって死を選び、駆が生き残る未来
・カンナが過去の駆と恋に落ちて過去で暮らすか、過去の駆が未来に行って2人で暮らす
・B T Fと逆パターンでカンナが駆と出会わない(別離)未来
と予想しました。結果としては3つめが割と核心に触れてはいるものの、実際は全く別のエンドで、それがまた坂元裕二脚本の真骨頂と言ったところでしょうか。そうかそう来たか。
ただ、15歳も年下のイケメンに恋されるって、中年女性の見果てぬ夢ではありますが、現実ではオバさんのイタイ妄想でしかなく、松たか子だからギリギリありとして見られたところもあるかと思いましたので、ちょっとした自虐もこめて0.5マイナスといたしました。くうう松たか子じゃなくてつれえええ。
それにしても若カンナは、若かりし頃の松たか子がタイムスリップしたのかと思うくらい自然な映像でした。逆にオバさんカンナは、ほうれい線やタプタプのあごも容赦なく描写されており、そこらへん自らを顧みるにつけ、思うところがなくもなく…(はああ)。にしても松たか子はいくつになってもキュートな女性ですね。ほんとにステキ。
さて駆役の松村北斗さん、申し訳ないけど自分は彼を存じあげず、今回初めて名前を知りましたが良い役者さんですね。未来からやって来たカンナに振り回され、好きになってこっぴどくフラれて涙目になった割には、彼女が未来の妻だと知ったとたん「だいたいキミはね」と態度が謎の夫シフトチェンジ笑。オジ駆のお腹周りがちょっぴりタプついてるところも芸が細かい。事故直後、駅員さんが片付ける飛び散ったと思しきアレやコレ、画面の右隅に映ってたのは…ですよね。一瞬だけどウッと思いました。
そして、坂元裕二脚本で楽しみな登場人物の軽妙な会話のやりとり、現実にありそうな日常の切り取り、見ている者に差し出される甘くない御伽噺。今回も堪能させていただきました。
鑑賞後、松たか子演じるカンナの死という最悪のバッドエンドでなくて良かったね、と同行の友人に話したところ「いや〜最悪は、松たか子が朝はパン派ではなくご飯派になってた未来エンドやろ」と言い出して…いや確かにそれダメ絶対!春の国民的行事…いや祭礼が中止と言う事態になってまうやん!!(白目)
あと、パンフレットはかなりのネタバレがあるので未見の方はご注意を。開くとちょっとしたお楽しみもありますし、この映画を高く評価した方は、購入することをオススメします。