「最後まで読むとトリビアあるよ(コメも)」ファーストキス 1ST KISS きーろさんの映画レビュー(感想・評価)
最後まで読むとトリビアあるよ(コメも)
会話劇としては相変わらず頭抜けて面白いですが、行動原理がわからないキャラクターには共感出来ないし、タイムリープの原理が全くわからないのはモヤモヤするし、今から泣かせますよと言われると泣けるものも泣けなくなりますね。
良いですか、人は出会った頃の鮮度をずっと保ったまま一緒にはいられません。2人は死ぬまで幸せに暮らしましたとさ、は映画の中だけ。映画館を出た途端にどちらも教習所の教官です。
そんなことがわかりきった世界なので、コスパとタイパを重視する若者が自分の恋愛に後ろ向きな分、代わりに恋愛の持つコンテンツとしての楽しさや優しさ、歯痒さ、ままならなさを見せてくれるエンタメが流行るのでしょう。
未婚率が高まる▶︎恋愛コンテンツが売れる。
とてもとても難しい世の中です。主語と目的語をぼんやりと表現する日本語による味わいのあるシナリオをネイティブ話者として楽しめる日本人と日本映画がこの先いつまで残ってますのやら。インバウンドで溢れ多言語が飛び交う上野広小路でついつい憂国の思いを叫んでしまいますよね。
後ろの席にいた長年連れ添った感のある老夫婦は、この映画を見て何を思ったのでしょうか。同じ列に陣取ってた、かっこいいかわいい松村北斗さんが見れたらそれで良い女子の一団が1番欲望に素直で清々しいのは間違いないです。演技派でアカデミー賞ホルダーで既に作品数も多いので、この先歳を重ねた円熟味を醸し出しまくりで15年後もずっと推せますよ。良かった。
ちなみに28年前にリリースされた松たか子さんのデビュー曲にして不朽の名作「明日、春が来たら」の作詞は坂元裕二御大。この2人の縁は時を超えてミルフィーユのように繋がっていますね。
当時の8インチCDの長細いジャケの写真と今回の15年前のカンナさんの眉毛が同じでなるほどってなりました。歌いに行きます。
あ、ところで森七菜さんってAIで若さを取り戻した松たか子さんにすごく似てませんでした?そう思ったの私だけですか、そうですか。
坂元脚本は続きます。それではハバナイスムービー!

