「このタイムスリップ恋愛コメディが、教えてくれること…」ファーストキス 1ST KISS kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
このタイムスリップ恋愛コメディが、教えてくれること…
倦怠期を迎えた夫婦は、少なからず“恋愛時代からやり直せたら”…と思うことがあるのではないだろうか。
いつの間に、相手の嫌なところが目につき始めたのか。互いに目を合わせなくなったのか。
この映画、結構ベタな展開でファンタジーと言えども説得力に欠け、感じ方によってはアホくさくも思えるだろう。でも、小気味よい演出と松たか子の卓越したパフォーマンスが上手にスクリーンに惹きつけてくれる。
そして、やってくる結末に心を強く打たれるのだ。
40代、50代なのに、とてもそうは見えない女優がとかく注目される昨今、松たか子は年齢相応に見え(いや、一般的にはあんな若々しい47歳は珍しいのだが)、それを個性にして活動しているように思う。本作でも、下唇を突き出したりしてオバサン感を出している。
だが、松たか子ってカワイイ女優なんだと、本作で再認識させられた。
夫を事故で亡くした妻が、時空を超えて15年前の二人が出会った場所と時間に移動することは、予告編で先に明かされている。
妻役の松たか子は現在が起点で、夫役の松村北斗は15年前が起点という配役だから、松村北斗は老けメイクで15年の時の経過を表現している。
一方の松たか子はというと、15年前の当時の自分とニアミスを起こすので、ピチピチ20代の姿もほんの少し登場する。さすがにあれはメイクだけではなさそうで、ディエイジング技術を用いているのか、とにかく今の映像技術は凄い。
この若き日の松たか子が可愛いのは当然だが、15歳も年下の若い男にときめく中年の松たか子が可愛いのだ。
恋するオバサンを愛くるしく演じていて素晴らしい。
そして、彼女のコメディエンヌのスキルがいかんなく発揮されていて、坂元裕二の脚本は彼女を当て書きしたもののように感じた。
過去のテレビドラマで坂元裕二と松たか子の親和性は立証済みなのだから。
何度も同じ時間を繰り返す構成は、似たような映画が無かったわけではないが、二度目の恋愛を盛り上げていくために積み上げていくエピソードに小技が効いていて、演出のテンポもよくて面白い。
分っかんないかなぁ〜
この人は教授の娘なんかに興味はないの!
おばさんのことが好きなんだよ!
…あそこであの人物に言わせるか、というアッパレな脚本。
この物語が見事なのは、未来を知っている人間が逆転する仕掛けによって、メッセージを発していることだ。
倦怠期に至ると、こちらが努力したって相手の態度がああなんだから無駄…という意識に陥ってしまうが、それこそが元凶なのだとこの映画で思い知らされる。
かつて恋人だった相手が配偶者になって変わってしまったのではない。自分が変えてしまったのだと、省みなければならない。
こちらが愛情を注ぎ続ければ、相手を冷めさせないでいられる…そんなメッセージがこの映画にはある。
恋愛状態を維持されているご夫婦はご一緒に、倦怠期をむかえられたご夫婦は別々に観賞されることをお勧めする。
『こちらが愛情を注ぎ続ければ、相手を冷めさせないでいられる…そんなメッセージがこの映画にはある。』
同感です。
愛情を注ぎむ具体的な方法はコミュニケーションだと思います。
本作の冒頭での倦怠期のカケルとカンナの会話の少なさ、タイムトラベル中のカケルとカンナの旺盛な会話が、人間関係におけるコミュニケーションの大切さを物語っていると思います。
私もカミさんとのコミュニケーションは減少傾向ですので、数年前から料理を始めました。まだオムライス、チャーハン、ドリア、ドライカレー、ピラフ程度しかできませんが。
ー以上ー
kazzさま
コメントバックとフォローバック、ありがとうございました😊
>松村北斗って、ファンからは「ほっくん」て呼ばれてるんですか…
昨夜キネマ旬報ベストテン表彰式の生中継を観ていたら、YouTubeのコメント欄が「ほっくん」や「北斗」で大渋滞してました😅
>「やっくん」「もっくん」「ふっくん」の伝統ですかね…
キンプリの永瀬廉は「れんれん」、SnowManの目黒蓮は「めめ」なので、こっちの流れなのかと思ってました😄
2/17の舞台挨拶の配信で、松村北斗さんから「ほっくん」と呼んでほしいと言われて、松たか子さんがお断りしたエピソードを話されてました😆
kazzさま、初めまして。
共感とコメント、ありがとうございました。
>松村北斗さん、男でも見惚れるイイ男ですね。
>スッキリしたルックスにあの声のトーンと喋り方ですからね。
坂元裕二脚本には珍しい?、イイ男ですよね。
15年後には男は見た目じゃない、って大切なことを教えてくれたので、「ほっくん」ファンはどう思ったんでしょうね。