嗤う蟲のレビュー・感想・評価
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ホラーではなく、ビレッジサスペンス
「閉鎖的な村に移住して来た都会の若い夫婦と地元民との隔壁を描く、村社会映画」でした。
ホラーっぽいけど、ビレッジサスペンスです。少しずつ明かされる村の秘密と、周りを固められて逃げ場が無くなっていく感じがイヤ(つまり良い)。
城定秀夫監督の丁寧な演出が光る。
#嗤う蟲
この村...、方言が何かおかしい!
〜ら。は静岡。〜だには、俺が女を追いかけていった先の長野弁。
〜りん。は何処の国の言葉だ?こりん星か?安田大サーカスのクロちゃんの出身地か?
あと、一言で聞いた事がある語尾の末尾があったが、失念、珍年でござるよ。慌てない、一休み、一休み...。
...は!しまった!寝てしまった!しまった、しまった、島倉千代子。
村人の流行り言葉、ありがっ様って、何?有賀さつきの事?大麻を育てている事が分かった時のBGMとEDテーマのホーミーは何?と、思っていたら、何だ、ゲイリー芦屋が音楽担当か?じゃあ、しょうがないや。
今回は無理矢理、話しを戻す!杉田かおるが近所に住んでいるって、それだけでションベンちびるくらい怖いぜ?バラエティ番組で散々、ネタにされてしまうんだぜ?コワイよー!
しかも、杉田かおるの旦那が田口トモロヲだ!?きっと、ピロートークでは、あのいい声で48手の作法について語っているに決まっている!絶対にだ!
あと、駐在がでんでんだったら、王手飛車取り敗北の形だ!愛のかたちはMISIAの鉄板曲だ!!
そして、柄本明が!東京乾電池の劇団員達が!
↑ いい加減にやめろ。
やぁ、みんな、お待たせ、あらすじだよー?
都会の生活に疲れた、嫁がイラストレーターと経験も無いのに農家を目指す旦那が、詮索好きの腹黒い村人に虐められるお話しだよー!
あまり、作物が育たない枯れた土地だから、村人は大麻でご飯を食べていまーす!ちなみに、ご飯を食べるのに使うのはお箸だからねー?言葉の杉本彩だよー!
でも、大麻って、日本で栽培する時って、かなり面倒くさい申請とか許可が必要なんだけど、演出が変なのか違法に育てているように見えるんだー?
あんな、ビニールハウス一つだけで賄えるのかなー?Misty Heart 恋してる女の子は、はんぶん不思議🎵
あと、不思議なのは、連続ドラマだけど、視聴率が悪くて急きょ台本を書き直したような、やっつけ仕事のラストシーン!
へんなの!へんなのあいつ!
へんなの!へんなのあいつ!
へんなの!へんなのでもね!
へんなの!めちゃくちゃ好きさー!って、
なんねーよー?ばーか!ばーか!脚本家のばーか!
先生を流産させる会、許された子供たち、ミスミソウって、人を不快にさせるだけの芸の無い脚本ばっか、書いているんじゃねーよ?
ホムンクロスのオチは何だ、ありゃ?
ライチ⭐︎光倶楽部、舞台劇の脚本をそのまま書き写してんじゃねーよ?これ、舞台劇をそのまま撮影したのか?と思っちゃったよ?
そりゃ、城定秀夫監督もシナリオにクレジットされるくらい脚本に手直しされるぜ?
辻調理師専門学校のヒゲの先生が、どれだけ頑張っても、ドブ川の巨大貝を調理しても食えないのと同じで、食えないんだよ?この脚本はさー?
脚本家の岡田惠和のカバン持ちから、やり直せ!
何か、公開劇場が少ないな?と思っていたが、この出来じゃあ、しゃーねーな?
田口トモロヲファンにだけ、お勧めの映画です。配信でも見なくていいよ?
時間の無駄!無駄!無駄!ムタはベッサ族の刺客ぅぅ!!
本当にありそうな怖い話
たいして怖くないだろうとタカを括ってた。田舎あるあるのだとも思ってた。田舎に住んでる友人は、適齢期が過ぎると、両親が、ご近所の方から、結婚しないのは何かがあるって言われるんだとか…。私には、直接は言わなくて、両親に言うのよね…なんて言ってた。それくらいのつもりで見たから、さあ大変。気味、悪い、悪い。
タイトルに「蟲」とつくだけあって、いろんな虫が、ドアップで出てくる。吐きそうでした。「蠱毒」の話も思い出しました。
こういうの、本当にありそうで、余計に恐怖を感じました。
「田舎あるある」の詰まった怖い話。気持ち悪い虫は出てこないので安心してご覧ください。
想像していたより、ずっと面白かった。
もっとドロドロの気持ち悪い人体損壊系ホラーかと思って観に行ったら、ぜんぜんえげつないスカムなんかじゃなかったし、なんならホラーですらなかった。
これ……、タイトルで結構損してるのでは?(笑)
このタイトルだと、少なくとも「蟲」に関連する映画かと思うもん。
具体的には、某同人ソフト&アニメに出てくる●●沢症候群みたいな。
勝手に寄生系、脳内支配系の話を想像していた。
少なくとも超常的要素のあるこけおどしのきついのを。
グチョグチョで、うじゃうじゃで、
人間の断面から白い線虫がいっぱい蠢いてるみたいな。
ふたを開けてみれば、正攻法のヴィレッジもののサスペンス。
巨大な虫も、微細な虫も、出てこない。
たまに「ふつうの虫」が草に止まってるくらい。
都合の良い話ではあるが、一応すべて「理屈」で説明がつく。
たしかに「嗤う蟲」の字面から想像されるような内容の映画ではなかったので、その「落差」には新鮮な驚きがあったし、先読みできない面白さもあったけど……。
一方で、このタイトルをつけることで生じた「不利益」もそれなりにあるのでは?
結構な数の「本当はこの映画を気に入って観てくれるはずだった」お客さんが、「コレ、なんかオエー系の気持ち悪い映画なのでは?」と「敬遠」しちゃってるんじゃないのかなあ?
個人的には、制作陣が自らコンプラ的に絶対ダメだということで没にしたらしい仮題「村八分」でも(そう大規模公開ではないホラー枠なら)行けた気がするし、あるいは「つけびの村」のイメージで「火祭りの村」とか、「嗤う」を使うなら「嗤い村」とか、必ずしも「蟲」は使わなくてよかったのでは、と思う。あとは「#田舎生活」「#田舎に移住しました」とか。
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内容的には、まさに「村八分」の話。
いまやこんな村はないだろうと思っておられる方もいるかもしれないが、農村部でこれに近いことは、現代でも頻繁に起きているはずだ。
田舎暮らしにあこがれて移住したはいいけれど、村独特のルールや風習、「地主と小作人」のような旧弊な関係性、土着宗教的な信仰と団結心、お互いを監視し合うスパイ文化などに耐えかねて、1年もたずに都会に逃げ帰る若い夫婦の話は、いくらでもきく。
僕は天然記念物めぐりと仏像めぐりを趣味としていて、年に10回くらいは地方を訪れるが、現地のタクシーの運ちゃんなどに話を訊くと、今でも「ムラ社会」は厳然として存在していて、新参者が馴染むにはなかなかにハードルの高いものがあるという。
そもそも僕の妻の実家は北関東の山間地にあるが、やはり空気感が都会とは全然違う。
まず驚いたことに、在宅中はみなさん、家に鍵をかけない。
朝ごはんの時間に、近くの畑からご近所さんが勝手に家に上がりこんできて、一緒に食べて帰る(これにもすごくびっくりした)。
いまどき犬は全部外飼い。猫は放し飼い。時々はらんで帰ってきて子供を産んだら、当たり前のように川に沈めてから山に捨てに行く。
ゴミは基本すべて自宅の窯で燃やす。家族全員が車持ち(実家だけで4台ある)。犬を連れずに「ただ村を歩いている」人間はとても不審がられる。
四六時中「村普請」があって、農作業や祭りの準備や公共部の掃除がある。若い世代は「消防団」にほぼ強制参加。例外はない。夜の話題はもっぱら近隣住人のゴシップ。とくに出産、病気、受験、離婚などの話題に驚くほど詳しい。何か悪いことがあると、うちのお義母さんは必ず最後に「バチがあたったんよ」と付け加える(笑)。
あと、妊活の時期は、本当にお義母さんから、地で穫れた自然薯や山芋が大量かつ頻繁に送られてきたものだった……(山芋とカボチャのシーンはアレ、マジで超リアルです!)。
みんな驚くほど気さくだし、お互いにおすそ分けをしあっていて仲が良いし、旅行に行くのも習いごとするのもご近所さんどうしだし、基本的に「あの中にいる限りは居心地のいい楽園のような村落共同体」なのだと本気で思う。
でも、僕の妻は「田舎のああいうところがイヤで、イヤで、本当にイヤで、必死で勉強してなんとか東京の大学に受かって逃げるように出てきた。それでなんとか救われた、死なないで済んだ」と吐き捨てるように言っていた。
本作に出てくる村も、僕の知っている妻の田舎とよく似ている。
もちろん映画だから、いろいろ誇張がなされている。
わかりやすい悪事を働いているし、人死にも出る。リアクションも極端になっている。
だが、本質的な部分は一緒だ。
田舎の村社会には、いいところもあれば、悪いところもある。
そして、それは二分された関係のない別の何かではない。
「同じもの」の見せる、コインの裏表なのだ。
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本作でやろうとしていることは、
『ひぐらしのなく頃に』や『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』と本質的には変わらない。
古くは津山三十人殺しやそれを題材にした『丑三つの村』、
周南五人殺しやそれを題材にした『つけびの村』『楽園』。
「村」と「部外者」の引き起こす、違和と軋轢の話。
それを、B級娯楽映画の枠内で、なるべくリアリティラインをあげて、「本当に起きてもおかしくない村の話」として組み立てようとしている。
リアルに近づける試みは、「超常現象に頼らない恐怖演出」にとどまらない。
たとえば、村人が村に来たばかりの新参者にはやたら優しいが、「いったん仲間になった新参者」には猛烈に厳しいのは、とてもリアルな感じがする。
学校で転校生はもてはやされるが、半年くらい経つと方言がしゃべれないだけでいじめられだすのと一緒だ。基本的に、「いじめ」は「仲間内」でしか起きないものである。
この物語における「隣人夫婦」は、主人公たちの写し鏡だ。
同じ「移住者」で、結局村に馴染めなかった者。
村の要望に応えられず、村の要求水準に達することの出来なかった者。
その末路が、アレだ。
あの夫婦はたしかに薄気味悪いけれど、主人公夫婦にとっての「敵」ではない。
明日は我が身として、自分を振り返るためのよすが。
彼らの未来をうらなう、「悪いモデルケース」なのだ。
この村には秘密がある。
秘密があるぶん、部外者の取捨には選別が必要になる。
それが冒頭シーンの、手に持っている「鎌」だ。
主人公夫婦の場合は、事前の面談で「与しやすい」タイプと判断されたのだろう。
(農地の相談など、引っ越してくる前に結構事前のやりとりをしている気配がある。)
一方で、この村は限界集落で、子供はほとんどいない。
何がどうなったかは知らないが、村長の子供の世代すらどこにも見当たらない。
(子供ばかりが例の水害で亡くなったみたいな設定にしてもよかったのかも)
この村は、村総意の意思として「次の世代」を希求している。
だから彼らは、新住民を欲する。赤ん坊を欲する。
このままでは、村はなくなってしまうからだ。
そもそも村をなくさないための「秘密」なのに、
村がなくなっては本末転倒だ。
だから、彼らは危険でも「新参者」を受け入れざるを得ない。
ここの描写は、必ずしも映画の中でうまくいっていないので、「なんでそんなヤバい村に若夫婦わざわざ移住させるんだよ」と思うお客さんが多いような気がするのだが、ロジックとしてはそういうことだと思う。
村長夫妻のキャラクターも、漫画的なようでいて、そこそこリアリティがある。
カリスマ性をもって村を支配していても、「仲間に対してはふつうに愛嬌のある」人たちだというのは決しておかしな話ではない。恐怖と友愛。支配には両輪が必要だ。
村長に認められていることが、村民にとっての価値となるためには、一定の指導者に対する敬慕の念が必要となってくる。一方で、仲間の結束を高めるために「出来の悪いゴマメ」を集団でイジメるという行為も発生する。あの「みそっかす」の一家はその犠牲となったわけだ。
いざ危機に立たされると、村長がやけに小物でコミカルなのも、意外とそういうものだと思う(奥さんのほうが断然キモが座っている)。
個人的には、村の雑貨店の反応とか、寄り合いでの奥さん方の反応のほうが、ちょっとやりすぎでコントぽかった気がする。
ちなみに、本作で扱われている真相のネタが非現実的だと考えている方もいるかもしれないが、産業用の「アレ」が国家の認可制で認められていて、むしろ古来の文化を守るために保護されているのは「本当」である。とくに北海道や栃木県は「アレ」の生産のメッカだ。鳥取県では、合法的に「アレ」を扱っていた人物が違法な「アレ」の所持で逮捕され、実際に大問題になったことがある。おそらく、本作の脚本はあの事件あたりにインスパイアされて書かれたのではないか。
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●ヒロインの深川麻衣のアイドル時代を全く知らないので、なんかこの映画だと、奈緒に見えてしょうがない……(笑)。可愛い若妻としてふるまっているときと、うつろな顔で隈作ってるときのギャップが激しくて、なかなか良い。麻衣ちゃんってイラストが得意らしいんだし、役の絵も自由に好きなのを描かせてあげればよかったのに。
●若葉竜也は『ぼくのお日さま』のゲイカップル以来か。もともと色気と殺気がにじみでてくるタイプだが、こういう善良そうで流されやすいボンボン育ちの役も、器用にこなすんだな。さすがの安定感。あと若葉くんはこの青年についてクソミソにこき下ろしていたけど(笑)、 僕は周辺に合わせるタイプだし、気と押しの弱いタイプなので、結構共感しながら観られた。
●村の駐在さんって、10年前ならマキタスポーツがやっていたような役だが(顔そっくりじゃない??)、実はずっと『あの人が消えた』の駐在さんと同じ俳優さんだと思って観ていたので、別人でびっくりした。富岡晃一郎と中山功太、結構互換性があるのでは。
で、中山功太のことをまるで知らなかったのでネットで検索したら、2年前の陣内智則のYouTubeに出て、ピン芸人トークをしている動画を発見。観てたら「最近、映画のお仕事をいただきまして、髪を役柄上角刈りくらいに短くしないといけなくて」と言っていて、その映画タイトルが「放送禁止用語でピーを入れないと口に出せないんですよ!」って。それ……、「村八分」のことじゃねーかwww
●田口トモロヲはとにかく楽しそう。こういう「怪演しても許される役」って、この手のくせ者俳優にとっては、ほんとやってて面白い得難い仕事なんだろうね。ちょっと映画の空気感からするとコミカルに振りすぎの気もするけど(とくに羅刹顔から恵比寿顔へのやりすぎな顔芸とか)、逆にこの映画の「リアルを目指しているのに予定調和だったりB級っぽかったりするいい加減な部分」を、彼の演技で全部「中和」している印象もある。
●杉田かおるの村長夫人は、本当に僕のお義母さんに雰囲気が似てて、ぞわっとしました(笑)。田舎の人ってああいうこというんだよ、ほんとに!! 実によく研究されたキャラ付けだったように思う。
●この映画に関しては、あまり細かいところに突っ込んでも仕方ない気がするのでくどくど書かないけど、やっぱり「秘密を抱えた村」が敢えて「新参者」を受け入れて、徐々に村に取り込んでいく過程が、あまりうまく描けていないのが一番の問題かと。
同様に、そんなに村民に違和感があって不気味に思うなら、さっさと都会に帰れよって思うお客さんは、けっこういると思う。とくに出産を都会でやったのなら、いくらでもそこで足抜けはできたはずだし(赤ん坊がそれなりの大きさに育った状態で帰ってきていたから、数か月は奥さんの実家に戻って親御さんに面倒を見てもらっていたように見受けられる)。
あとは細かいことだけど、アレの製造所のセキュリティの問題とか、旦那が虫に詳しいネタが冒頭しか出てこないとか、あれだけ意識高い系の夫婦が犬を外飼いするかなあとか、手筒花火にああいうことしてもあんな現象にはならないだろうとか。
とはいえ、映画としては十分楽しかったし、退屈する間もなく観終えられた。
この手の外観の邦画としては、なかなかの佳品だったと思う。
においでわかるに
三河の田舎の村に移住してきた別姓夫婦が、閉塞的で謎の力の蠢く村で翻弄される話。
脱サラし村で農地を借りて農業を始めた夫と、在宅でイラストレーターをする妻を、優しく受け入れてくれた自治会長と村人たちという構図だけれど、SNSより速く拡散される噂話にもうちょい嫌悪感とか警戒感とか持ちましょうねw
そして明らかにヤバい扱いを受けるポンコツ隣人、というよりそういう扱いをする村人にもっと違和感を覚えましょう。
この村に住み続ける理由とか、出来事を成り立たせる理由付けとか、色々と上手くストーリーに織り込みつつ、不穏で胸糞悪い感じを積み上げていく展開はなかなかお見事。
まどろっこしい部分やツッコミどころとかが色々あるし、お残しとかがあってモヤッとした部分もあったけれど、メインの部分ではそこしかない感じのオチにしっかりと繋げてくれて面白かった。
深川麻衣さんの演技がとても素晴らしい作品。 本年度ベスト級。
お気に入りの監督の作品。
これに加え、以前観た深川麻衣さんが井浦新さんと共演した作品の演技が素晴らしかったので、彼女の演技に期待して鑑賞。
期待を裏切らない素晴らしい演技だった!
若葉竜也さんも安定した演技で安心して鑑賞出来た。
ストーリーは既視感ある感じもしたけど、スリラー色が濃い目で恐ろしさがジワシワとやって来る感じ。
都会から田舎に移住した安奈&輝道の夫婦。
村の住人から歓迎されるも何だか不自然(笑)
田口トモロヲさん演じる自治会長の田久保が1番怪しい(笑)
村民達が田久保に支配されている感じなんだけど前半はその理由が解らず。
徐々に田久保の全貌が明らかになって行く感じが恐ろしかった。
安奈と輝道に新たな命が宿ったシーンから恐ろしさが倍増。
輝道が村の村民に染まって行くのに反して安奈は冷静になって行動する感じに引き込まれる。
ラストまで目を離せない展開なんだけど安心出来る終わり方が良かった。
本作のタイトル(ワラウムシ)が意味不明だったけどエンドロールの後に答えがありました( ´∀`)
嫌なら出ていったら(と言ってはいけませんかね)
田舎暮らしにあこがれて移住した夫婦に襲い掛かる、村社会の恐怖のお話。
しかし「最初はよさそうだった村が、一歩踏み込んでみると…」ということではなく、最初から違和感、異変だらけ。これではお化け屋敷のように次々と驚かせるばかりで、物語の起伏がなくなってしまう。
そもそも夫婦がどうして田舎を選んだのか。「#田舎移住」のSNSを投稿するだけでは動機として薄すぎないか。村にこだわる必要はなく、おかしいと思うなら出ていけばいいでしょうと思ってしまった。
村が抱えている事情も拍子抜けで、悪い人が悪いことをしているという単純な話に見えてしまう。立派に伝統を守っている裏にはこんな非合理がある、みたいなギャップが欲しいのですが。
揃いも揃って薄い人物しかいないので、ブラックユーモアとしては面白いかもしれない。ただ、そこで描かれるリンチ(「いじめ」と言って済ませたくない)はさすがに後味が悪かった。
深川麻衣さんはドラマ「彼女たちの犯罪」や「サワコ」で、キャリアを守るために道を踏み外す女性を好演しており、本作の人物像にリアリティがないのは惜しまれた(イラストレーターとしての地位を積み上げてきたらしいけど)。その深川さんをはじめ一同の怪演技には拍手。次作に期待したい。
ヴィレッジスリラー?
夢のスローライフを求めて田舎の村にやってきた夫婦が村民の過剰なお節介が続く中でこの村の異常さに気付いていく話。
本質的にホラーではないことにまず注意しなくてはいけない。
直接的に観客を驚かすような演出はないし霊的、宗教的な要素もない。
あえていうなら自治会長が強い影響力を持つ中で村民がそれに従っていくというのが宗教的ではあるが。
私自身も直接的な怖さは感じなかったが閉鎖的な環境のなかでは力のあるものについていかなければ生きていけないという人間心理が一番怖いし、現実味もあり怖いと感じた。
トリック?のような?
事前に公式HPなどで確認して自分向きじゃないと思いつつ城定監督作品ということで
予想通りストレスの溜まる展開なのですがいつのまにか「笑えないコメディ」みたいな感じで楽しんで観ている自分がいました
観終わってみれば全体の雰囲気がドラマ「トリック」に似ている感じも
山奥の孤立した村に独裁者(インチキ霊能者や預言者)みたいな
追い詰められた杏奈さんの逃亡計画により「麻宮村」の秘密は暴露されます(結果多分廃村)
終わり方もいろいろ考えさせられますね
優柔不断?で頼りない?輝道さんはこれからどうなるのか気掛かりではあります
ラストで田久保さんがハンマー?でやられてしまいますがそれよりも麻薬中毒などで正気を失ってしまう方が独裁者の末路としてはよかったのでは
人間が怖い
少しだけ社会を先取りする
アメリカ大統領をオバマ以降黒人にしたり、ここ8年ぐらいはヒラリーを先回してモデルにしたりすることで政治的緊張感やリアルさを出すのは、アメリカ映画でよくやるが、この映画では基本的には現在だが、もし夫婦別姓が法案化されていたらという未来というか現在を先回りしている。更にそれに対する年長者の反応を見せるのは、ありそうでない。
この映画は政治的テーマの映画では全くないが、こういうのが少しあるだけで社会に与える影響は少なくないのかもしれない。
田口トモロヲ、松浦祐也、杉田かおる、片岡礼子など実力者揃いなので演技の不安感は全くない。思ってた以上にしっかりどっしりした映画で対象年齢も高めかもしれない。ノイズとかが近作では比較に良いかも。
城定秀夫はメジャーでも全く疲れたり、迷ってる感じがなく、表現のスタミナが素晴らしい。
俳優陣の演技は良かったけど・・・
個人的に2022年に観た「ビリーバーズ」以来の城定秀夫監督作品でした。「ビリーバーズ」はヤバい新興宗教と、その教祖に反逆した信者との戦いをエロを交えて描いていましたが、本作は田舎暮らしに憧れて都会から移住した夫婦と、ヤバい田舎住民との戦いを気色悪い感じで描いていました。同作との比較で言うと、新興宗教が田舎住民に入れ替わっている訳ですが、サリンを撒いたり霊感商法をしたりするヤバい新興宗教があるのは事実であり、そういう意味で同作の設定にはそれなりの納得感があったものの、本作の場合都会vs地方という図式が土台にあると感じられ、あまり共感できるものではありませんでした。
ただ俳優陣は中々いい演技をしており、特に敵役の田久保さんを演じた田口トモロヲの顔芸は素晴らしく、気色の悪さを存分に植え付けられてしまいました。また、主役の夫婦の妻を演じた深川麻衣の悲壮感の表現も充分に伝わってくるもので、初見の俳優さんでしたが印象深いものがありました。夫役の若葉竜也も安定の演技でしたが、この夫婦の隣家に住む三橋夫妻を演じた松浦祐也と片岡礼子が、余りにもいい味出していて、本作のMVPと言ったところでした。
以上、俳優陣の演技は良かったものの、どうも物語に共感できなかったので、本作の評価は★2.4とします。
最高です。鑑賞中ずっと胃が痛かった。
例のラブホは出てくるか?
田舎に移住した若い夫婦が、いびられる話です。
ホラーに分類されているので、そのつもりで見に行くと評価が下がるかも知れません。デヴィット・フィンチャ−の映画は「怖い」より「いやな感じ」じゃないですか。それに、PG12ですよ。
邦画のホラーは、超低予算とか、有名なキャストがでているけど大根なせいで興ざめするとか、怪異の造形が残念な感じとかあるじゃないですか。そうならないようにするには、黒澤清みたいに、種明かししないとか、コメディーに振り切るとか。本作はそれをせずに、普通な映画としてとっています。
十分怪演ができる田口トモロヲ・杉田かおる・松浦祐也がギリギリ押えています。主演の二人の職業も今風の意識高い系にしすぎると鼻白んでしまいますが、根性なしなところがようです。撮影も凝った証明にはせずに、淡々と田舎を切り取っています。衣装もわざとらしさがなく、何か意味を持たせたりしていません(僕がバカで見落としているのかも。)。そのおかげで、一番最後車窓からの映像が揺れるせいで気持ち悪くなってしまいました。単に自動車に乗っているというだけなのに。わざとそういう編集しているならすごいです。
あと、僕はタバコの使い方が下手な映画の評価をすごく落とすのですが、これは意味ある使い方のなので評価できます。
田舎のドラマなのでどこで例のラブホがでてくか期待していました。今回はどうでしょう。無人島の映画ではもちろん出てきませんでしたが。
僕の仕事は田舎に行くと、歓迎された後に、期待を裏切ったといわれて追い出されたりするので、真実味をもって、イヤな気分で見続けることができました。城定監督はどんな映画をとっても本当にうまいなと思います。
人間社会に潜む怖さ
観るかどうか決めるのに一番重要視する要素はキャスティングだが、それには全然魅力を感じなかったが、予告編の怪しげな空気に興味をそそられて観賞。
【物語】
田舎暮らしに憧れたイラストレーター杏奈(深川麻衣)は、夫の輝道(若葉竜也)と共に都会を離れ、辺境地の小さな村、麻宮村に移住する。期待に胸を膨らませて新天地での生活を始めた二人だったが、都会では経験しない村社会の文化に戸惑いを覚える。近隣の住民からしつこく子作りを勧められたり、過剰と思える親切を押し付けられたり、自分たちの生活に強く干渉してくるのだった。
それでも輝道は何とか村の中でうまくやって行こうと自治会長の田久保(田口トモロヲ)や自治会活動に積極的に関わって行くが、杏奈は一見親切に見える田久保がこの村社会で異常とも思える権力を持っていることに気付くなど、次第に居心地の悪さと嫌悪感を募らせていく。
【感想】
これはなかなかでした。
怖い!!
何も知らずに観始めると、一見ヒューマンドラマか社会派作品みたいな感じで始まるが、これはもうスリラーだった。 しかし、霊的とか超常現象とかではない極めてリアルの世界で生み出される恐怖であるところが凄い。村社会ではこんなことが起こってもおかしくないと思わせる。 実際にこういう田舎に住んでいる人は「ここまで酷いことは起きるはずない」と言うとは思うけれど、ひとつ間違えばこういうことが起きるかも? と思わせるところが秀逸。
そういうリアリティーを醸せているのは脚本・演出・役者それぞれが良いからで、拍手を送りたい。
書きながらふと、昔からよく言う“村社会”てなんだ?と改めて考えてみた。 村社会とは以下のような特徴を持つ集団ではないだろうか。少数で構成され、構成員は別の集団に移る選択肢を持たず、かつその集団から追い出されると非常に生き難い環境下にある。 そう考えると実は似たような集団は都会にも存在する。例えば学校のクラス。小集団で、生徒には今のクラスが嫌だから別のクラスに移るという選択権は無く、ハブかれれば学校に行くのも苦痛になる。学校でイジメが起きるのは子供達の未熟さもあるが“村社会”だからではないか。会社の職場にも似たような状況が生まれ得る。 大企業では人事異動による人の流動性もあるので閉鎖的にはなりにくいかも知れないが、小さな会社ではどうだろう? 社長の顔を毎日見るような会社では人の流動性は少ないだろうし、一部の能力の高い人ならその会社を見切るという選択肢を持てるが、多くの人は簡単に別の会社に移ることを選択できないだろうし、クビになったら困ると思っているだろう。そういう職場ではやはりイジメが起こり得る。 他にも色々なところに“村社会”は存在するのでは?
元々人間には自分の欲求が満たされるように集団を動かそうとする習性を持っていると思うが、“村社会”では、特定の人間が集団での自分の力を誇示し、存在感や統率力を高めるために、弱い者を攻撃したりすることが置き易いということだと思う。 大人の社会ではイジメまで行かなくても「村のため」「会社のため」「皆のため」「あなたのため」という色々な都合の良い言葉を使って同調、もっと言うと服従を促す。
一方、社会で生きている限り協調することは必要だが、協調・同調・服従の境界に明確な線を引くことは出来ないのだと思う。個人の価値観や置かれた立場で全然違ってくるはず。そこが難しく、一歩間違うと酷いことになるのが人間社会の怖さだと思う。 さらに言えば、協調・同調には個々の人の一定の“我慢”を伴うが、同じことを我慢しても苦痛の程度は人それぞれなので、属する“村社会”が良好な状態か酷い状態かの判断さえ違って来るのだと思う。
そんなことを考えながら観るとこの作品もまた違って観えて来る。
ある意味、ジャパニーズ・ホラーよりよっぽど怖い!
地縁と血縁と社縁
田舎者の自分が言うのもなんだが、
人口の少ない地方ほど世間は狭いし閉鎖的。
新しく入って来た者には基本冷たく当たり、
よそ者とのレッテルは剥がれず、
暮らし辛いこと、この上ない。
噂は高速で広まるし、
お節介や老婆心とは体の良い言葉で、
内調や懐柔の手段の一つに思えてしまうのは穿ち過ぎか。
「郷に入っては郷に従え」は処世術も、
予めそこに住んでいた人たちを基準にした格言なのは明らかで、
新参者の立場など考えてはいない。
そうした田舎の思惑が極大化した時に起こるのが、
本作でも描かれているエピソードの数々。
もっともこの村には、他にも裏があるよう。
ただそれは「麻宮村」との村名や、
前半のかなり早いタイミングで挿入されるワンカットで
鑑賞者はあっさりと見当がついてしまい、
コトが露見しても、
なんの驚きも無いのだが。
『上杉輝道(若葉竜也)』と『長浜杏奈(深川麻衣)』が移住した村へは
一本の長い橋を渡る他に道は無い。
外部からは隔絶され、
自治会長の『田久保(田口トモロヲ)』が村民からの信奉を集めると共に
専横を極める。
彼に睨まれれば、
村内で生きるのが難しい村八分に。
外に出ようとしても、通じる道は一つのみ。
封鎖されれば袋の鼠。
『田久保』が権力を持つようになったのは、
それなりの理由があるよう。
とは言えほとんどの村民は、
彼が全てを仕切ってくれることに安住し、
思考停止に陥っているのも事実。
顔色を窺い、事無かれの姿勢が官憲にまで及んでいることで
その地位はより強固なものに。
不承不承ながら朱に染まろうとする『輝道』と、
抵抗する姿勢を崩さぬ『杏奈』の対比が魅せどころ。
中途までは〔シャイニング(1980年)〕思わせる展開も、
あっさりと翻して見せる。
周囲に教えを請い、手助けしてもらわねば成り立たない農業を生業とする者と、
ネットで外部と直接に繋がっている者との違いが
取り込まれるか否かの境目かもしれぬ。
腹に一物あるのに、それを隠すような笑顔や、
ころころと豹変する村人の態度が不穏な空気を醸す。
神経を逆なでする音楽も流れるものの、
{ホラー}や{スリラー}とのカテゴライズは当たらない。
あくまでも日本の各所で実際に起こっている悲劇を扱った
社会派の一本と見る。
『輝道』と『杏奈』の間に男児が生まれたことに
我が事のように喜ぶ村人たち。
何十年かぶりに村で生まれた子供だとしても、
はしゃぎ過ぎに思える。
地縁も無いし、血縁も無く、
ましてやたった一人では。
アメリカでの「出生地主義」のように
「社縁」を期待しているのなら怖すぎる。
トモロヲの気持ち悪さが光ってた
田舎での暮らしに憧れてたイラストレーターの杏奈は、脱サラし農業をしたいと思ってた夫・輝道とともに麻宮村に移住した。子どもはまだか、など、過剰なまでにお節介を焼き、自治会の会長・田久保に絶対服従してた村民たちにうんざりしながらも、2人は田舎での生活を楽しみ始めた。そんな中、杏奈は安定期になるまで口止めしていた妊娠のことまで田久保に報告した夫に対しても次第に不信感を抱くようになっていった。一方、輝道は無理やり酒を勧められ、運転させられた宴席の帰りに人を轢き、田久保に脅され、田久保の影の仕事を手伝うことになった。その後、麻宮村の隠された秘密を知ってしまった杏奈は・・・さてどうなる、という話。
お隣さんに貰ったかぼちゃを捨てるなら、畑に埋めれば肥料にもなるのに、何で生ゴミで出したかなぁ?
そもそも、あんな村にゴミ収集車が来るのだろうか?焼却炉が有るようには思えないから、どこかの自治体に依頼してるのかも。
田久保に絶対服従の村民たちだが、なぜなんだろうとう、というのが1番の疑問だったが、やはり金か、って納得した。
杏奈役の深川麻衣、輝道役の若葉竜也とも安定の演技で良かった。
田久保役の田口トモロヲは口元の演技も含め不気味さが上手かった。
火サスの再現Part
『実はこうだったんです』での振り返りパートは必要だったのかどうか... 観客には親切に説明しているのでそれはそれで真摯なのだが、何だか古臭さが鼻につくような感じがしたのは自分だけ?
『敵』でもそうだったが、古い家父長、男尊女卑的因習にドロップキックを喰らわせるのは良し! ヤフーニュースでダイヤモンド社の解説員が、metoo運動に於いて却って男女間の協力関係が阻害されてしまった解説をしていたが、ま、自分も含めて世のオジサン達は存在だけで無価値なのだから早く滅んで欲しい気持である(自分もねw)
蟲(ムシ)はずっとそこいる
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