嗤う蟲のレビュー・感想・評価
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“もっと閉塞感を!不条理を!…”な映画
村の奇妙な空気感とその掟の根源は、実は大麻造りだったと…
個人的にはもっとホラー要素の強いものを勝手に期待していたので、“理屈”で理解出来てしまうオチにちょっと残念感がありました。
常人にはちょっと理解し難いものがあったり、結局不可解さが最後まで残ったりするから、こうした“村もの”は面白いのではないかと改めて思いました。
個人的なハイライトは、銃で襲われた時、杉田かおる演じる奥さんに旦那の田口トモロヲが外に締め出されてしまう場面でした。この作品で1番笑えましたね。
田舎移住のジワジワ系サスペンス
洗脳と‼️❓恩讐の彼方へ‼️❓
フィクションでもありノンフィクションでもあり。安易に田舎暮らしを考える人への警鐘。
「~ら」「~だら」の方言は自分の田舎と一緒だし(富士山の周辺ですね)、色々身につまされる作品でした。
行事とか寄り合いとか村の付き合いが第一で、さもないと村八分にされるというのはまんざらノンフィクションです。
子どもの誕生を皆で祝うのも、現実に私のところでも初節句や七五三を集まって祝うという習慣がありますが、あれは今作で描かれているような「村の跡取り」を歓迎して祝う習わしと同じだったのかなと考えてしまいました。
大麻のくだりはフィクションだとしても、都会の人には理解できないであろう「変なところ」は実際にあります。
作品として面白かったです。
さすがは城定監督、印象に残る作品でした。
「ホラーが一番好き」
序盤はよかった
発展途上国の麻薬カルテルみたいなのが明らかになって以降がやや興醒め。邪悪な人達が悪い事するのは当たり前で、勤勉な善男善女が「善行」を為して新参者を追い詰めていく、みたいな方が怖さレベル高いのではないかな。
深川「麻」衣、若「葉」竜也
中山功太さんが出演されているということで観に行きました!
ラジオで「人間の限界くらいNG出した」とおっしゃっていましたが、怪談のイメージもある方なので、不気味な雰囲気作りに一役買っていました。
功太さんが自転車漕いでるところなんかは、ファンとしてはレア感あって嬉しかったです。
村の因習文化という最近よくあるテーマで、パターンも読めてしまったので全体的には捻りに欠けます。
2年間の月日を描くにはサクッとしすぎてない?
SNSの投稿はどこいったの?
そんなドサっと売るほど栽培してた?
などなど、色々盛り込もうとしすぎていたところに無理があり、疑問はたくさん。
ジョイントって、そんな1本を1人でスパスパ吸うものなのか。
ただの大麻を、覚醒剤みたいに破滅に向かうものみたいな描き方、裏社会との繋がりなんかは、フィクションとしての演出とはいえ、一面的な気がします。(「日本」の「村」社会ものに多面的な要素を入れる必要はないかもしれませんが)
モヤモヤした気持ちは残りました。
ただ、夫婦別姓や、「妻」「夫」という呼称。
身体を張って大切な人を守る女性像。
など、社会派なところは意図的でよかったです。
しかし主演2人の名前と、この映画の肝となる大麻。
偶然とは思えない遊び心のあるキャスティングですね。
祓う蛆
因習村ものとしては、個人的にかなり良かった。
輝道は少し楽観的、杏奈は少し神経質なだけで、どちらもごく普通の感覚でしかない。
しかしその“受け止め方”の差が、夫婦の間に軋轢を生む。
何もなければ大したすれ違いでもないのだが、実際にヤバかったりもして。
そのうえ輝道が、気付いた上で目を逸らすもんだから…
馴染もうとする努力、更には恩義という名の弱み、果ては子供にまでつけ込まれていく。
田口トモロヲがちょっと大袈裟なんだけどやり過ぎてはないし、演出もかなり控えめだ。
その分、陰影を強めにつけた画面が独特の怖さを醸し出していた。
普通に撮れば善意でしかない演技が、これだけでガラッと変わってしまうのだから見事。
口琴のようなBGMも非常に効果的。
話も有り得なくはない範囲に収まっていて好み。
ただ、ガラスを割られた時は「古谷さんて…」と言っていた杏奈が彼に大麻の相談をしたのは不自然過ぎ。
あそこで普通に通報してれば話は終わったのに。
というか、「合法」と言ってたとはいえ弱みを握る前の輝道に話した田久保も軽率では。
最後の大麻パーティは、ほぼ全員がハッピーになったから良かったが、最悪の事態になりかねない悪手だ。
深川麻衣の表情芝居が後半につれてどんどん良くなり、最後の方は圧倒された。
若葉竜也や田口トモロヲ、杉田かおるらも素晴らしかったが、MVPは松浦祐也にあげたい。
「え、する感じ?」のカジュアル感が逆に生々しくて最高。
田舎はもっと恐いかも
面白かった。でも、もっと面白くできたはず。韓国ホラーみたいなおどろおどろしさや閉鎖的な田舎の人間関係の恐ろしさを期待して見たので村八分のエピソードはちょっと抑え気味に感じました。でも主人公夫婦の「なんでこんな村に移住しちゃったのよ!」という絶望感はひしひしと伝わり、村を仕切ってる夫婦の狂いぶりも良かったです。全体的に満足。見てよかったです。
メタファーの話をなさってるのよ
惜しい所
序盤から村の名前とか台詞で匂わせが凄くて
きっと村ぐるみで「野菜」作ってんだろうなぁと思ってたら案の定だったのと
中盤に突然なんの脈絡も無く嫁が「野菜」農園見つける所と
村は「野菜」で潤ってるハズなのにあんまり潤ってる描写がないのと
嫁が急にSNSの使い方忘れてる所
以外は良く出来てたと思う
「野菜」をちゃんと卸してる描写があったのはちょっと感心した
まぁそのルートどうやって見付けたのかは気になる所だけど(笑)
個人的にはもう少しグロい秘密があって欲しかったかな
ちなみに劇中では「野菜」作りは繊細で大変みたいな話あったけど実際の所はほっとけばいい
コロンビアの山奥の村とかの貧困層は「野菜」作りがないと暮らしていけないっていう事実は実際あるらしいね
これは売ろうと思って作った作品だなぁ
俳優の若葉さん、田口さん、片岡さん、杉田さん好きです。
城定監督、大好き。
脚本の内藤さんの作品も好きです。
(「許された子どもたち」名作ですよ)
なのに・・・・この作品は一体なんなんだ・・・?
映画を観すぎちゃったからなんでしょうか?
全く面白くない、怖くない、先がバレバレ。
スリラーでもない、サイコでもない。
ヒタヒタと歩み寄ってくる黒い影なんか
まるで感じない。
あれ?これはもしかしてコント???
田口さんの顔芸・・・もう、笑かしに来てるのか?
って思っちゃうほど。
どこを怖がれと・・・?
ラストの幕引きも・・・あれ、無理じゃん。
おまえそれ作ったことねぇだろ。
その短時間でできねーだろ。そんなこと。
などとつい理論的になっちゃいました。
あまりに乱暴な結末。
村社会のじわじわ来る怖さってあると
思います。だけど、それってもっと漠然とした
物だと思いますし、こんなにわかりやすくしちゃう
と、本当に怖くもなんともないのです。
「ムラってこうなんでしょ?」なステレオタイプ
満載で・・・。
正直「ミッドサマー」のような異様な健全さと
違和感を味あわせてくれるのか?と思いきや
とても分かりやすくなった、説明映像がタップリ
のお茶の間で楽しめるホラーもどき映画でした。
きっと深川さん売り出し作品なんだろうなぁ。
がっかり。
城定監督、「悪い夏」マジで期待しています。
あ、唯一
仲直りHを始めるシーンのなまめかしさは
さすが監督!でした。
リアルで怖い
唯一怖かったのは…
話自体の作りは既視感に溢れてたが、プラスアルファ、復興の資金源にアレを出す事で村内体制の理由補強とオチをつけ、『村』という陸の孤島に根強く蔓延りやすい風習・因習と強く結びかせ、よくニュースで目にする『ムラ』社会の雰囲気を、田口さんを筆頭とする演技で、徐々に狂気の熱が昂まり暴走、崩壊していくまでの過程を独特のカラーに仕上げていたと思う。
残念なのは色々察しが着いてしまった事と、自分がこういうタイプの映像を数多く直近で目にしてしまっていた事で3点。(映画はプロット派)
唯一怖かったのは、あの奥さんの事件に誰も言及せず、まともな筈の主人公(深川麻衣)まで最後までほぼノータッチだった事。普通の神経なら引越しするんじゃないかな…あれはムラじゃなくても都会でも起こり得る事だと思ったし、敢えてあそこだけぽっかり映画の中で孤立している作くりが意図されていたら、俺には届いてると書いておきたい。
プロットが既視感に溢れると演技力に重点をおいて評価するんですが、劇画タッチのムラ人の演技と引越してきた主人公夫婦の写実風(一般)演技の対比が良かったし、後半辺りから深川さんが「REゼロ」のペテリギウス・ロマネコンティ司教の様な顔つきになって、ラストにアクが抜けていく姿に「戻ってきた」感があって、あるあるのあの下界とムラを繋ぐ橋を越える映像を使わなかったのは正解だと思った。
ああいう理不尽が家族単位で襲いかかって来る場合、不満をウチに秘めて、そのナカで解決をしようとする人達(その代表例が隣人夫婦)が実社会には多いけど、ダメな旦那を尻目に、あくまでも外にある悪因に直接仕返しできるのは(だから映画になるんだけど)素晴らしいし、最後は乗せてあげてくれてありがとうと思った(笑)
最後のセリフ、その時は違和感あったけど、『帰るよ』じゃなくて『○○○』だった気がするんだけど、『蟲師』のストーリーにある様な魑魅魍魎に取り憑かれた場所からの帰還なんだと思う。
どうした!城定秀夫
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