劇場公開日 2025年1月24日

「俳優陣の演技は良かったけど・・・」嗤う蟲 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5俳優陣の演技は良かったけど・・・

2025年1月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

個人的に2022年に観た「ビリーバーズ」以来の城定秀夫監督作品でした。「ビリーバーズ」はヤバい新興宗教と、その教祖に反逆した信者との戦いをエロを交えて描いていましたが、本作は田舎暮らしに憧れて都会から移住した夫婦と、ヤバい田舎住民との戦いを気色悪い感じで描いていました。同作との比較で言うと、新興宗教が田舎住民に入れ替わっている訳ですが、サリンを撒いたり霊感商法をしたりするヤバい新興宗教があるのは事実であり、そういう意味で同作の設定にはそれなりの納得感があったものの、本作の場合都会vs地方という図式が土台にあると感じられ、あまり共感できるものではありませんでした。

ただ俳優陣は中々いい演技をしており、特に敵役の田久保さんを演じた田口トモロヲの顔芸は素晴らしく、気色の悪さを存分に植え付けられてしまいました。また、主役の夫婦の妻を演じた深川麻衣の悲壮感の表現も充分に伝わってくるもので、初見の俳優さんでしたが印象深いものがありました。夫役の若葉竜也も安定の演技でしたが、この夫婦の隣家に住む三橋夫妻を演じた松浦祐也と片岡礼子が、余りにもいい味出していて、本作のMVPと言ったところでした。

以上、俳優陣の演技は良かったものの、どうも物語に共感できなかったので、本作の評価は★2.4とします。

鶏