新居浜ひかり物語 青いライオンのレビュー・感想・評価
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決して特異ではない特別な物語
青いライオン、それは天才が描いたものということではなくて、ひとりの作家の努力の結晶というか到達点だということがよく分かった瞬間、とめどなく涙が流れ出しました。
ドキュメンタリーとドラマがシンプルに絡み合う構成で、なるべく多くの人が感動できるような作品だったような気がします。
シンプルとはいえ、出会いと別れの描かれ方がなかなか巧みだったと─故に単に素晴らしい作家が生まれた背景を知るだけにとどまらず、家族の物語そのものにも感動しちゃいました。そのことを考えると、ドキュメントとドラマという要素が予想以上に巧みに絡み合っていたんだなぁという見終わっての感想です。
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石村親子の愛のカタチ
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石村さん親子の愛のカタチを見た気がしました。
母・有希子さんが、息子・嘉成くんに注ぐ、厳しくも優しい、まるでライオンのような愛情が丁寧に描かれた作品でした。
母と息子二人きり、夕暮れの病室でのシーン。有希子さんが震える手でそっと嘉成くんの頭を撫でる。「もう最後かもしれない」母の気持ちがよく表れていて、涙が止まりませんでした。
親が子を思う。子が親を思う。残された人の心に、いつまでも生き続ける思い。当たり前のようで当たり前ではない、大切な大切な愛のカタチでした。
上映後、舞台挨拶がありました。嘉成さんは、
「お母さんのことがいっぱいで、うれしかったです。」と涙ながらに話していました。
この映画は、自閉症や療育のことを周知するだけでなく、嘉成くんへの応援歌だと思いました。
詩的な描写がまた、涙を誘いました。
悲しいばかりでなく、最後が嘉成さんの人懐こい明るい顔と声で終わるところもよかったです。
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