海の沈黙のレビュー・感想・評価
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昭和的抑圧感が持ち味
夫と別れたくても別れてもらえない杏奈、札束を積まれ主人公との長年の関係を解消され自殺する牡丹、タトゥーを掘ってもらえなかったアザミ。
自分勝手な男に女が都合よく振り回されるところに昭和へのタイムスリップをリアルに感じ、重い気持ちで鑑賞した。
上映後の余韻に浸った後、令和の現実への開放感が心地良かった。
本木雅弘の狂気に満ちた演技が胸を打った。
「貧乏」という設定なのに大量の画材を買えた、筆遣い荒すぎて画材のロスが多すぎ(しまいには絵の具の入ったバケツぶちまける)る等という矛盾が所々あるが、そこは物語として受け止めた。
BGMは終始寄り添う感じで心地良い。
中盤のバラライカの音に心洗われた。今の時代にバラライカいいんだろうかという疑問は残るが、美しいものはただ美しかった。
俳優陣の迫真の演技と映像の素晴らしさで、昭和的な抑圧感を覚えながらのあっという間の2時間だった。
奥を想像で膨らませて観る
1枚の絵をめぐりもちあがる謎をもとに、芸術美への考え方を説くストーリー。
描写が控えめなため、津山の幼少期の記憶、スイケンの忠誠心の理由、牡丹との関係、安奈との過去についてもっと具体的に映像で知りたくなってしまったが、あえてなのだろう。
露出しない分、それぞれのおもいが垣間見れるシーンはとてもいい。
美は、芸術は…背景への想像力で味わい尽くすもの、人生の醍醐味も然りということだろうか??
本木さんの狂気的な目つきと穏やかな表情の使い分け、中井さんの語りの渋さは印象的で、清水さんの艶やかさ、哀しさ滲む立ち居振る舞いの魅力は釘付け級だった。
世に出ることのなかったすべての芸術家への鎮魂歌
倉本聰作。
モッくん、きょんきょん、中井貴一、仲村トオル、そして石坂浩二。みんな十代の頃からアイドル、スターだった人たちがメイン・キャスト。
おじさん世代にはよくても、いまや集客力のない、ある意味で攻めている大人の映画。
初日にもかかわらず貸し切り。
今作も予告の印象とは違って、始まりはミステリー。
贋作の謎。謎の作者。謎の男。謎の過去。
あ、みんな説明しちゃうんだ。
役所さんや菅田将暉みたいに出ずっぱりじゃない俳優さんがこういう役で出てくると重みがありますね。
モッくんもっと映画に出ればいいのに。
(剛くんは二十数年ぶりだったけどまるまるしてたな)
いくら若つくりをして若く見えても、石坂浩二がモッくん、仲村トオルと大学時代の友人というのは無理がある。
(でも若く見えましたね)
バーで途中に入ってくる女の子たちと最後に駆けつける漁師さんたちは、なんか出してあげなければいけない人たちだったんだろうか。
最後の絵が素晴らしかったです。世に出てほしい。
倉本聰の色
ラスト「シコふんじゃった…」って逝って欲しかった…(嘘)
誰が見ても倉本聰だよねー。そこにモッくんをはじめ石坂浩二 仲間トオル 小泉今日子 中井貴一等が監督の下その色に合わせて演技していると。
もっとモッくんの狂気が前面に出てきた方が作品として特色があって見所が出来たんじゃ?って。
山場の盛り上がりに欠ける?
良くも悪くも予想を裏切らない作品。
倉本聰が好きなら高評価かも。
もうちょっと過去の話が見たかった
なんだか私には全然しっくり来なかったな。
モッくんと小泉今日子の恋愛物語にしては、過去の恋愛がまったく描かれていないし…
モッくんが才能がありすぎて絵画界から追放された物語だとしても、その過去の事件はまったく映像として出て来ない。
「ただ感動するものが良い作品なんだ」という事は解ったけど。
入れ墨のくだりをバッサリカットして、その分過去の事件をちゃんと映像化して欲しかったよ。
倉本聰が問う「美とは何か」
キョンキョンとモッくんの熟年の愛が一つのテーマなのかと思っていたら、それはエピソードで、映画の主題は「美とはなにか」でした。
本物と贋作の違いは何なのか、魅力があるなら無名でも作品は評価されるべきなのでは?
現代において、高値の付く名作は本当にその値段の価値があるのか?
テーマは昔から問われていたことで、それはたぶん永遠に問われ続けるのだと思う。
本木君の瘦身の気迫を感じる演技に引き込まれました。
日本海の荒波が、映像でも絵画でも心に打ちよせるようでした。
セリフの少ない中、人物の関係性が伝わってきて、最後はウルウルしました。
キョンキョンの最後のセリフが「なんでその言葉なのだろう?」と一瞬戸惑いましたが、一寸深読みして、納得してみたり。
倉本聰氏が意味のない言葉を書くとは思えないから。
ちょっと時代がかった感もあるけど、重厚感のある映画でした。
ドラマや前作映画とは一味違う倉本脚本だったかな~
貴方の目に人生で1番美しく写ったものは?
私には何も浮かばなかった。
この作品いい!!浪漫があった。映画に奥深さがあった。そしてキャストは同窓会。モッくん、清水美沙さん、村田さん、石坂浩二さん、田中健さん、佐野さん、久しぶり‼️そこに今もメジャーに出ているキョンキョン、中井貴一さん、仲村トオルさん。
中々モッくん出ないからあれ?って思っていたらやっと出ましたね。
キョンキョンとの82年組の再会シーン、なんかジーンときた。
キョンキョン、新千歳空港から小樽なら快速の方が早く着くよ!
岩内。母方の祖父母の家があった、私の安らぐ今でも年一回は墓参りに行く大好きな町。昔は活気があった田舎町だけど、今はシャッター街の生きてる人いる?って言いたくなる町になってしまったけど、岩内って地名が出て嬉しかった。(私は札幌出身です)
有名な作品の中に贋作って想像よリたくさんきっとあるんだろうな。
最後の完成した作品は、きっとあの後、世で一躍有名になり、田村を遥かに超え、伝説の人になっただろうな。(妄想の推測)
で、結局、石坂浩二さんは、モッくんに何の恨みを買ったのか?それがよく分かんなかった💦
惜しい!!
倉本聰さん原作の『海の沈黙』舞台挨拶上映に参加。生モッくんはいまだめちゃカッコ良かった。西洋画が好きな人にはラストシーンは圧巻の迫力。真の美とは何か?作品や芸術は地位のある人のブランドで判断されるのかを倉本総さんが問う?作品。その問いを追求し命が絶えた2人の遺書がとても深い。
ただもっともっくん、小泉今日子さんのこれまでの経緯の深さやもっくんがここに極まった経緯を深堀したらほんとに染み入る涙誘ういい作品になったのが惜しい・・・。
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