海の沈黙のレビュー・感想・評価
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【”美は美であり、それ以上でもそれ以下でもない。”今作は、若き頃、画を巡る騒動に巻き込まれ、”贋作”を描いて来た男の”迎え火の紅”を追求する姿を、本木雅弘さんが物凄い演技で魅せる作品である。】
■世界的油絵画家である田村(石坂浩二)が、自分の展覧会である画にオーレオリンが使われ、波のタッチも違う事に気付き贋作だとマスコミに公表するところから、ミステリータッチで始まる。
美術館長の男(荻原聖人)は、自死するがその遺書には”私は、贋作とされた作品は三億に値するモノと信じています。”と記していた。
場は北海道に移る。飲み屋を営んでいた牡丹(清水美沙)は”ある男”から多額の手切れ金を貰うが突き返し、”ある男”が見つけた自分の次の”キャンバス”となったあざみ(菅野恵)とバーで会い、”あんなに優しく抱いてくれる男はいないわよ。”と笑顔で言い、カクテルを飲み干し、自死する。水中から引き揚げられた、彼女の全身には鮮やかな刺青があった。
そして、田村の妻安奈(小泉今日子)は、”贋作”の凄さを知り、且つての恋人である津山竜次(本木雅弘)を探し出し、北海道に会いに来るのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・冒頭の安奈が、占い師に”貴方には、遠い所に想い人が居る。”と言われるシーンから、物語はミステリータッチで進む。
二人の自死事件が描かれる中、且つて恩師の絵の上に自身の「海の沈黙」を描き、田村を始めとした恩師の弟子たちにより美術界を追放された津山竜次と言う男に言及していくのである。
ー 因みに恩師の絵の上に自作の絵を描いたと言えば、洋画家の中川一政が師事していた岡本一平の絵の上に自作を書いた、後年明らかになった出来事を思い出す。
その時の岡本一平の言葉が、彼の器の大きさを感じさせる。
”自分より優れていたら、仕方がない。何も言えない。”
今作の、田村の対応との違いを感じたモノである。
あと、加藤唐九郎が起こした「永仁の壺事件」も、少し思い出したな。ー
・津山は、贋作を制作する傍ら、刺青師としても裏で技を磨いていた。その相手が牡丹である。それにしても、劇中での全身刺青の牡丹を演じた清水美沙さんの身体は、美しかった。
清水さんと本木さんは「シコふんじゃった」で共演していた事を思い出す。清水さん、不老の人であるなあ、と思ったよ。
・津山が、自分の作品を”贋作”とは言わないのが、印象的である。”少し、手を入れて画の質を上げてやっただけだよ。”
この言葉を、津山の番頭である”ある男”(中井貴一)は、田村に対し”お前の絵に、筆を入れたモノを観た時に、お前は負けたと思っただろう!”と厳しい口調で言うシーンも印象的である。ぼそぼそと”あの波の描き方は、私には出来ない・・。”と負けを認める田村の姿。
だが、田村は且つて津山を美術界から放逐した人物である。それが、”ある男”には許せなかったのであろう。
■この作品の白眉のシーンであり、且つ津山を演じる本木雅弘さんの鬼気迫る演技に圧倒されたシーン。
ー 海で遭難した父の目印になる、迎え火を海岸で炊いている画を書くシーンである。肺を患う津山はキャンバスに鮮血を吐きながら、ペインティングナイフで激しく油絵の具を切るように、叩きつけるように塗って行く姿は、物凄かった。
役作りだろうか、げっそりと頬がこけた表情で、激しく咳をしながらキャンバスに立ち向かうシーンは、本当に凄かったと思う。ー
<そして、病に斃れた津山は、わざわざ北海道まで来た安奈が作った蝋燭の炎が燃える中、大作である”迎え火”の絵を仕上げ、”漸く、出来た・・。”と言って事切れて、”ある男”の胸に抱かれるのである。
今作は、若き頃、画を巡る騒動に巻き込まれ、贋作を書いて来た男の”迎え火の紅”を追求する姿を、本木雅弘さんが物凄い演技で魅せる作品なのである。>
モックン、若過ぎ!
演技はいいけど…
劇中の絵画に魅了された I was captivated by the paintings featured in the film.
本木雅弘さん演じる世間から姿を消した
津山竜次があるきっかけで
表に出てくる。
そのきっかけが絵画。
個人的には
津山竜次の描く絵画に惹き込まれてしまい
要所要所に出てくる絵が気になってしまった。
架空の画家なんだけれど、
推しの画家になってしまった。
展覧会あるなら観に行きたいほどに。
その絵が物語の背骨になっているので、
津山竜次の天才性と
それに魅了される人達が
周りに集まっている様が
説得力を持つし、
その才能だからこそ、
世間に評価されていない、
無名の天才としての迫力が
本木雅弘さんの演技と、
脇を支える中井貴一さんの演技で
本物になる。
そこに過去の恋人で
小泉今日子さんが加わると、
ますます本物に。
ただそのストーリーを
本物たらしめていたのは
紛れもなく津山竜次の描く絵だった。
画集出ないかなあ。
欲しいなあ。
Masahiro Motoki plays Ryuji Tsuyama, a man who has vanished from the public eye but is brought back into the spotlight by a certain event—his paintings.
Personally, I found myself captivated by the artwork created by Ryuji Tsuyama. The paintings that appear at key moments throughout the story kept drawing my attention.
Although he is a fictional artist, I couldn’t help but become a fan. If there were an exhibition, I would definitely go to see it.
The paintings form the backbone of the story, and Tsuyama’s genius, along with the way people are drawn to him, feels utterly convincing. It’s precisely because of this genius that he has the compelling presence of an unrecognized, anonymous talent.
Masahiro Motoki’s performance, combined with Kiiichi Nakai’s supporting role, makes this portrayal incredibly authentic.
When Kyoko Koizumi joins the cast as a former lover, the sense of realism becomes even more palpable.
However, what truly grounds the story in authenticity are Ryuji Tsuyama’s paintings themselves.
I hope they release an art book. I’d love to have one.
もう少し俳優の演技に任せてよかったのでは
本木氏の迫真という言葉が相応の演技…5つ星に相当するのですが…
ちょい役にさえ、有名俳優を起用したり、舞台がころころ変わるからか、作品として私は物足りなさ、そこじゃないんだよなぁ、間延びしちゃってるなぁ、と思うところがいくつかありました。
作中画が力強いのでスクリーンで見る価値はありです。
雰囲気は悪くないけど、“謎”の多い面白みに欠ける作品
主人公?の本木雅弘さん演じる津山がひどい男で彼を取り巻く人々がなぜ彼を高く評価し大事にするのかが全く理解できず、それが終始気になってしょうがなかった、倉本聰さんの原作とのことで観ましたが、正直期待外れ
若かりし学生時代、貧乏でキャンパス買う金も無いからって同期の石坂浩二さん(歳違いすぎでこれが謎すぎる)演じる田村の絵の上から自分の絵を描くというのは常識がなさすぎる、いくら津山が天才的な素質を持っていたからって他の絵描きに対して一番やってはいけない事ではないのか(人としても100%アウトだとも思うけど)
それで絵画界から追放されたって当たり前じゃない?それを恨みに思ってのストーリー展開が謎すぎる、ただの逆恨みじゃんって思ってしまいました、そしたら以降のストーリー展開は全く飲み込めず、ひたすら疑問符が湧き、全く楽しめなかった
でもキャスティングは良かった
本木さんは歳とって皺が増え声もかすれていたけど今回の暗い過去を背負った謎深き役はすごく合ってました
小泉今日子さんは歳はとっているけどすごく綺麗でいい歳のとりかたをしていますね
いつもの“動”のイメージではなく“静”を強く感じるしっとりとした演技がよかったです
中井貴一さんが役はとても謎だけど、メチャクチャカッコよくてシブすぎた
デンゼル・ワシントンさんみたいな出で立ちで最高に素敵でした
でもこの役も相当に謎、たぶんこの役が一番謎
そして久しぶりに見た清水美砂さんが相変わらず綺麗、かなりお歳を召したであろうに全裸のセミヌードまで披露しとても印象的です
と、ストーリーは酷いけど(笑)、最高のキャスティングと昭和レトロを感じさせる重厚で綺麗な映像を楽しめる、雰囲気で観る作品です
美に正解はある?
卒業後その道には進まなかったが一応美術科出身の私。在学中美術館に足を運んだ。さすがに規模の大きい美術館が並べる作品は美しかった。ように見えた。ように見えたというのは、必ずしも私に刺さらなかった絵もあったからだ。つまり、好みだ。友達が虜になる画家の作品を綺麗だとは思っても美しいとは思えない。珍しいことではなかった。そして上野で行なわれていたいわゆるアマチュアの作品が並ぶ展覧会に付けられる賞。(なぜこれが?)もまたあった。賞を取らなくても惹かれた絵もあった。素人の感想でお恥ずかしいが、正解がない世界だと感じていた。
一人の天才贋作師。と、呼ばれる画家津山(本木雅弘)。本人から贋作ではないとのセリフもあるにはあるが、元になる絵があれば世間は贋作と呼ぶだろう。ただそれで生計をなしていたか、そこには触れられないので分からない。
『海の沈黙』と題しながら既にその絵はこの世にない。しかしそれは確かに存在していた。美がそこにあった。それでいいではないかと問われている気がする。
津山が一度だけ行なった個展の絵は全て風が海に持って行った。子供の頃、海に消えた両親。二人に捧げたのではと思ったがこの映画はそれも教えてくれない。
登場人物達は多くを語らず、必要外に触れず、淡々と物語が進むのに全く苦痛を感じなかった。その理由も私には分からないが、キャスト陣がまるでその役を演じるために演劇界にいるような錯覚を感じてしまう。
津山が最後の力で遺した迎え火の絵。海を描き続けていた津山だが、その絵に水平線はない。陸からではなく海から迎え火を見る構図。
両親がこの迎え火を見つけられるように。
そう受け取った。
誰が描いたか、作ったか分かった時に金額的価値が落ちる。こればかりは仕方がない。名前に値段が付くのも現実だ。
しかし美しいものは美しい。
この映画が訴えることを本当に受け止めるには、私はまだまだ未熟のようだ。
ロウソクの涙
倉本聰脚本作品。。本木雅弘は頑張っていたと思います。
過去の遺恨(同級生?)、贋作(油絵)、彫師(刺青)、昔の恋人同士。
いろんな要素がバラバラのまま、話は進み、終わってしまった。
本木雅弘演じる主人公の苦悩というか、美・絵画への拘りを描きたかったんだろうけど。。
全てが中途半端なままに終わってしまった。
刺青の話は必要なかったんじゃないかな。
役者さん達は頑張っていたと思う。
年を取ってしまった倉本聰脚本作品。
最後の作品という話も聞いたし。。
構成というか組立はイマイチだった。
緻密さは感じられなかった。
主演の本木雅弘の演技で美への情熱は感じられたけど、よく分からない彼の人生と番頭の繋がりなど見えない部分が多すぎ。
雰囲気重視で作った映画って感じですね。
でも、それをやるなら、もっと映像に拘ってほしかったかな。。
美しいということ、それは絶対だ
芸術の世界を描き、名優たちの共演も相まって重厚な作品でした。
贋作事件をきっかけに過去から現在に至るまでの恋心やそれぞれの歩んで来た人生が垣間見えました。
芸術家の孤独や葛藤などは僕などでは分かるすべもないのですが、贋作であろうと何だろうと美しい物は美しいと言える感性は大事にしないといけないですね。
贋作と分かった途端にそれまで絶賛されていた物の評価が変わってしまうのはやはりおかしい。
著名な評論家が良いと言うから良い物なのではなく、自分の目で見て美しいと思った物が美しいのだ。竜次があざみの背中に美しさを感じたように。美しさは絶対なのです。それが分かっているからスイケンも長きに渡って竜次を支えたのでしょう。
迎え火の赤い色の美しさが目に焼き付きました。
いい映画を見ました
映画だから脚本に
贋作とは何
世界的な画家・田村修三は、文科大臣も絶賛した展覧会で展示されていた作品のひとつが自分の描いたものでない贋作だと指摘した。この事件は大々的に報じられ、この絵を購入した美術館の館長が遺書を残し諏訪湖で死体となって発見された。また、北海道・小樽では全身刺青女の死体が発見された。このふたつの事件に関係してるのではと、かつての天才画家で姿を消した津山竜次が浮かんだ。竜次の元恋人で、現在は田村の妻である安奈は連絡を受け小樽へ向かい、竜次と再会を果たし・・・さてどうなる、という話。
美とは何か、贋作とは何か、考えさせられる作品だった。
誰が描こうが美しいものは美しいし、素晴らしいものは素晴らしい。本人が描いたもの以上に美しい作品も有るだろう。そして、本物に加筆したものを贋作と呼べるのか、考えさせられた。
牡丹の全身刺青も見事だったし、アザミの背中も綺麗で色っぽかった。
竜次を演じた本木雅弘はミステリアスな天才画家役がピッタリ。素晴らしかった。
田村役の石坂浩二もまだまだ若いなぁ、と思った。
有る意味主役かもしれない安奈役の小泉今日子も良かったし、竜次に30年以上仕えるスイケン役の中井貴一も謎めいてて興味をそそられた。
牡丹役の清水美沙がバーテンダーのアザミに嫉妬する様子も良かったし、アザミ役の菅野恵も艶っぽくて良かった。
なかなか見応えあるストーリーと俳優陣に引き込まれた。
悲しい話だけど面白かった。
おでんのように。
美しいものは記憶として心の底に刻もう‼️
時代から消えてしまった一人の天才画家‼️今では世界的画伯になったかつてのライバル画家との確執、ライバル画家の妻となってしまったかつての恋人、主人公が描いた名画「海の沈黙」の行方、主人公の両親が死んだ海と道標となった炎へのこだわり、主人公の父が彫物師であった事と刺青、清水美沙さんの美しすぎる全身タトゥー、主人公を30年以上支え続けたフィクサーのスイケンなどなど‼️ドラマチックな要素が多々あり興味深いのですが、どれも掘り下げ不足でイマイチ感動に結びつかず、ドラマチックに盛り上がらないのが難点ですね‼️世間ではモッくんとキョンキョンの30数年ぶりの共演が騒がれていますが、私的には清水美沙さんとモッくんとの久しぶりの共演ですね‼️「ついに私も、シコふんじゃった」‼️
重厚ではある 本木さんの痩せっぷりが主役だが 真のMVPは中井貴一さん。
倉本聰 さんだけあって 重厚
俺 北海道 小樽 お馴染みなんだけれども 映画では珍しいなぁ イイ人ばかりだったけど 札幌と全く違い 冬はキツイ印象。曇天どんより
本木さんが魅せるが 大谷ショーヘイ並みのMVPは 中井貴一さん とにかく演技が上手い セリフに価値あり。
エロは 菅野さんという女優さんより 清水美砂さんの完勝❗️😻😍😍 菅野さんも熱演好印象です。
石坂さんが まさに 両刃の剣 良くとらえれば 非常に適切なキャスティング だが人によるか❓
美術作品評価に『権威は絶対必要』だと思うけど
中井貴一さん役の行動セリフが 違うだろ❗️真の意味は❓と問いかける。心打たれた。
キョンキョン は かっての 伝説No.1アイドル知ってる身からすると 違和感感じた。ごめんなさい 薬師丸ひろ子さんのポジションと違うような・ 気のせいですね❗️
萩原聖人さんの 田舎の美術館長の 心情吐露が 結構ツボ🏺
美術の基準とは❓ と 本木さんの生き様が問いかける❗️
ただ 隠遁の身 となった経緯が 俺的にわからない❓是非スクリーンで確認を。
有料パンフ🈶は 非常に親切 過去の実際の事件 登場人物履歴 が載ってるよ❗️是非
ただ 老眼ジジイには 文字が細かい 苦戦。
真の美術というより【正直 美術シロウトの俺的には 贋作かどうか なんてどうでもええがな】
俺的には ラブ❤️&ピース【by レノン&おのようこさん】 というより ラブ❤️
のいくえ 愛の形 心の機微 を感じ取りました。
でも まあ 普通の作品でした俺には。個人的に清水美砂さんの後ろ姿に感動🥹
の煩悩まみれのエロジジイでした。美術はよくわからないのでした。
あっ❗️清水美砂 さん と並んで 本木雅弘さんの 頬のコケっぷりが素晴らしい👍
元々 あるいは役作り❓
本木雅弘さんは 『シコふんじゃった』『おくりびと』とロングスパンで 大活躍 に感心。
『シコふんじゃった。』は清水美砂さんとも共演だっけ❓感慨深い。
とにかく 重厚だけど本音作品。
贋作の作者を巡る登場人物の関係が描かれる。主人公は画家であるととも...
昔は美男・美女だった人達が美を題材に演じる作品
ヴァーミリオン
実力があるのに潰された画家と、彼にまつわる人達の今の話。
東京美術館で行われた日本美術百年展のレセプションで、世界的な画家田村が自分の作品の一つが贋作だと言い始めて巻き起こっていく。
本家を超える贋作がなんちゃらと言い始めたと思ったら、彫師の話し?
別に田村は悪いわけじゃないし、比べたら劣るとはいえ実力はある訳で、そこに偉そうに語るスイケンがなんだそれ?という感じ。
更には、ゴッホの話しからしたら、落日は別としても結局は贋作作家に成り下がってしまっていたってことですよね。
才能があり人間的にも魅力がある愛され男だったのかも知れないけれど、結局彫師であることはどうでも良いし、色々ととっ散らかってしまっていた印象。
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