劇場公開日 2024年11月22日

「若干、無理矢理ありだけど…⭐︎」海の沈黙 ☆ムーミンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0若干、無理矢理ありだけど…⭐︎

2024年11月26日
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鑑賞方法:映画館

日本で大家と言われている石坂浩二演じる田村の自身の展覧会で一枚の絵が本人から贋作と言われ、
その絵は昔、天才画家と言われた男が描いたものだった…というプロローグから始まる物語。

話しの筋はともかく、倉本聰の映画に出るということからなのか、本木雅弘が渾身の演技。
他にも倉本聰の御意向で素晴らしい役者さんが隅々まで勢ぞろいしている。
でも、自分はやはり中井貴一に一番目がいってしまう。
素性はほとんど最後まで明かされないまま、本木を「先生」と呼んで支える。

TVの「トラベル・ナース」のなかでもそうだが、慇懃無礼な丁寧な物言いがこれほど似合う人は
あまり居ないのではないか。
彼がいなかったら、この作品そのものが無くなってしまうくらい存在感がすごい。

このサイトで美術関係の方から厳しいコメントが上がっているけど、全くの素人の私には
絵画については正直わからない。
ただ、萩原聖人演じる村岡が「魂が震える」と言うほどの感動が絵画から得られる人も
存在するんだろうとは思う。

「徹子の部屋」に番宣で本木雅弘が出演した際、簡単に言えば「美」とは何かと言うことが
テーマとコメントしていたが、倉本聰が表現しようとしたものはそれなのか?

バンクシーの作品もオークションなどにかかると自分などはやはり金額だけで、価値を
判断してしまっている。
でも、知らないから物差しがそれしかない。

画家が刺青師と言う設定は必要だったのかとか色々疑問符もつくけど、最後まで面白く
鑑賞出来た。

ただ、倉本聰の最盛期の作品も知っているだけに、歳をとって説教臭くなってしまった
ように思ってしまった。

☆ムーミン