「ポエム的あるいは演歌的」海の沈黙 うさぎぐさんの映画レビュー(感想・評価)
ポエム的あるいは演歌的
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先生のお嬢さんを巡る三角関係。ずる賢く立ち回り、社会的な成功を手に入れる男。画壇から放逐され、放浪しながら贋作と刺青で生計をたてる孤高の天才画家。どうも今の時代の感じがしない。大正とか昭和前期とか…。
女の肌と刺青。北の港町。父を飲み込んだ海とそれを照らす炎。真作を超える贋作。30年ぶりの再会。などなど、情念、情感を掻き立てる要素は満載なんだけど、ストーリーというよりは演歌の歌詞みたいな感じ。
これに浸ろう!と思ってみる人にはいいだろうけど…。
石坂浩二と本木雅弘がほぼ同じ年頃というのは、いささか無理がある。ライバルを蹴落とすのにどんな悪辣な手を使ったかは知らないが、そもそも、お嬢さんの背中に観自在菩薩を彫ろうという点で、陰謀とかなくても放逐されていたのでは…。
ここの海の表現はお前より上、とか言われても、僕なら、で、それが?という感じしかしない…。
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