ノーヴィスのレビュー・感想・評価
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単調
鑑賞前は主人公が徐々に精神的に追い詰められ、狂気を帯びていく物語を想像していましたが違っていました。実際には主人公は小さい頃からトップになることへの執着が異常に強く、映画の冒頭から既にエンジン全開で他人よりも上になろうとします。このハイテンションが最後まで続くので、良く言えば最初から最後まで緊張感が張り詰めているのですが、悪く言うと単調で飽きてしまいます。私の感想はどちらかと言えば後者の方で正直なところ飽きるのと同時に疲れました。あと、本作の監督は音響出身とのことですが、音響も使い過ぎでうるさく感じました。
ストーリーにしろ音響にしろ、もう少し緩急を付けた方が良かったのではと思います。
狂気的なまでの闘志
まるでブレーキの壊れた暴走車のごとく自分を追い込み続ける主人公。なにが彼女をそこまで追い立てるのか。
大学の成績は優秀、試験では他の生徒が問題を解き終わりすべてが退席する中で彼女だけが何度も問題を解きなおす。早く解くのはたやすい、しかしそれは必ずミスを誘発する。彼女の優秀な成績は今までの彼女の努力によるもの。
大統領奨学生、ごく限られた人間にしか与えられない地位。その地位からこぼれ落ちるわけにはいかない。彼女は常に勝ち続けなければならないのだ。
ボート部に入った彼女の動機は明らかにされない。ライバルのように奨学金目当てでないのは明らかだった。ただ勝つことにこだわる、その異常なまでの執念。
ともすれば強迫性障害になってもおかしくないほどに常に自分を追い込んでゆく。彼女にとって負けることは死を意味するかのように。彼女はひとり常に戦場にいるかのようだ。
稲妻がとどろき他のライバルが脱落する中、彼女だけはボートを漕ぐのをやめようとはしない。落雷を受ければ命の補償はない。それでも前に突き進む。
若さゆえの強すぎる情熱の炎を持った主人公、その情熱で勝利をおさめライバルを倒してゆくが自身がその炎に焼かれる危うさも。
その姿はまるで蜜蠟の翼を手に入れ自由に大空を飛び回るイカロスが太陽に向かったがために命を落としたような危うさや儚さを感じさせる。
昔、学校行事でレガッタやらされた時、周りと息が合わないとオールが持っていかれて何度も腹切りの憂き目にあったな。
THE NOVICE(映画の記憶2024/11/5)
サイコ気質の女の子が真面目にスポーツと勉強を努力する物語です。(ん?)
スポ根ヒューマンホラーとでも言ったら良いだろうか、、、カニ表現だけは分からんかったが、、、
分かりきってた最終結論に到達するまでサイコ気質だと分からんのだろうな。
(チャッキーなら学習するがいかんせこの娘は真面目なので)
派手な映画が好きな人にはオススメできんが、精神的なホラーとかが好きならハマるかもね。新しい境地だわスポ根でこういうの。
(個人的評価6点/10点中)
がんばっていきまっしょい🚣
冒頭から、癇性なヒロイン。
ノートにも殴り書きばかり。
なんで、そんなにイライラしているの?
ねえ、本当にボート好きなの?
なんでそんなに練習するの?
と、疑問符だらけのまま進み、え⁉️先生と同性愛も⁉️と、さらにびっくり🫢
うーん、『ブラック・スワン』のときは、プリマの座を譲りたくないという理由がよくわかったけれど、このヒロインの理由がわからず…。
終盤になってやっと理由が。
もっとはよ言うてや、とツッコミを入れそうになりました😅
陸上部に入ったらよかったのに…よう分からんかったな〜と思いながら、帰り際に、入り口に掲示してある監督の解説を読んだら、「この映画が一部の観客を混乱させ、苛立たせるのはわかっている。なぜなら、私自身も理解していないからだ〜」とあり、この感想でいいのね❣️と、安心しました。
でも、つまらなかったということでは全くありません🥰
ハリウッド映画の対極をいく私小説とでも言うべき一作
見ていて楽しいであるとか爽快感があるとかではなくローイング競技を経験したローレン・ハダウェイ監督の実際の感覚を忠実に再現した映画だと言える。自分も大学時代ローイングを日本とアメリカでしていたことがあり傍目には優雅さや力強さ美しさを感じるローイングは実際は過酷な練習を必要とする競技である。
映画のタイトルの「ノーヴィス」とは新人・非熟練酒という意味だが作品の中では「2軍チーム(クルー)」の事であり「ヴァーシティ」と呼ばれる「1軍チーム(クルー)」と対象的に使われている。
映画を見ていて入部したての1年生がどうしてそこまで1軍になることにこだわって自分を追い込んで練習するのか疑問がわく、1軍になると奨学金が貰えるから?という伏線がはられるが答えは映画を見てのお楽しみとしておこう。
映画の中で主人公がローイングだけではなく学業の成績を上げることにも執念を燃やす場面が描かれており監督の出身大学を調べてみた。するとSMUとして知られる南メソジスト大学であり全米大学ランキングでも常に上位に入る名門校であった。
日本でも東京大学などは入学後の成績によって専攻科が決まるシステムがあり入学がゴールでないことはよく知られていることだがアメリカの大学は厳しさのレベルが違うし、入学するのも入ってからも大変だということが分かる。
その中でも主人公は極めてストイックで克己心、競争心が強く学業に対してもローイングに対しても全力で取り組んでいく。少し極端にも見える性格から周りの人たちとうまくいかなくなるところは邦画「あまろっく」の主人公とも似ているし競技種目がローイングというのも共通性があって不思議な気持ちがした。
ローイングというスポーツをしていた者としては多くの人がローイングに興味を持ってくれるようなシーンがたくさんあればと期待したのだがそういった意味ではしんどいつらいシーンが多かったので★を4つにした。
ローレン・ハダウェイ監督としては処女作として私小説とでもいうべき自分自身を赤裸々に描いた作品をつくったおよそハリウッド映画と対極を描いた監督の次作に期待です。
アレックスの才能を活かすことが出来ない環境こそが歪んでいる
イチローにとっての仰木監督、大谷翔平にとっての栗山監督。アレックスにはそのような人との出会いがなかっただけです。
同じチームスポーツでも、野球やサッカーやラグビーなどなら個人的なスキルとかも比較的分かりやすいが、複数人で漕ぐボートの場合、経験もない素人には、競技者の力量をどうやって見極めるのか見当もつかない。
それでも優秀と認められれば奨学金が貰えるんだ!?
なんていうところに気持ちが行ってしまったせいか、アレックスの向上心とプライドの持ちようがそれほど行き過ぎだとも感じられず。
むしろ、これほどの厳しい環境を強いている運動部にしては理解者、コーチ、チームメイトのレベルが低過ぎる。
アレックスの向上心がそのままチーム全体のレベルアップに繋がるようなマネジメントが出来ていないし、するつもりもないのが信じられない。
アレックスのような選手を受け入れて来た歴史があるだろうに。アレックスほどの努力ができる才能ある選手が所属するには、恵まれなさすぎて気の毒なほどだ。
歪んでいるのはアレックスではない。
全力を出し切る才能
高校時代にラグビーをしていたのだが、卒業した先輩が入った大学ラグビー部のことを聞いた時の話。先輩の同級生に、後に日本代表に入るような選手がいたが、その選手は毎日の練習で倒れるまで全力を出し切ると聞いた。そして翌日普通に最初から全開で練習を始めると。トップレベルに上りつめる人とはそんな努力ができる人なんだなと驚いたことを、この映画を観て思い出した。
ボート部に入ったアレックスの努力の過程を描く映画だが、スポーツの努力ができる人ではなく、すべてのことに自分なりのメソッドを取り入れ全力を注ぐ人の狂気を描いた物語だった。中盤までは、「努力が才能を凌駕する」という感覚(もちろん逆の感覚を感じる時もあるけど)を思い出させるものだったが、最後は行き過ぎ感が強く観ているこちらが少し引くという不思議な終わり方。
ボート競技のトレーニングで全力を出し切るアレックスが感じる恍惚感みたいなものはわからないでもないが、マラソンとかと同様に競技としてそこまでハマる魅力がわからなかったので共感度は低めだ。
それにしてもアレックスを演じたこのイザベル・ファーマン。エスターのあの少女だったとは!相変わらず印象に残る演技だった。
なぜボート競技。
なぜボート競技か明確でないからただ人生順位に固執した狂気の世界になってしまっている。まあ、その狂気が狙いかもしれないけど。つい先日みたがんばっていきまっしょい、のアニメ世界がそのまま実写に。が、こんなにも真逆な世界観にいろいろあるなー、と。
例え嫌いな相手であっても尊敬は出来なければならない
映画紹介で「奨学金がどうしても必要なジェイミーの画策によって、その座は奪われてしまう」とあるけど、そうか?
レギュラーを決めるレースで他のクルーに手を回して、イカサマをさせたと?
ダルとジェイミー以外はレギュラーなのだから条件は同じだ。
スポーツを知っているなら分かるけど、1流選手は大事なレースで手心を加え、勝負に影響を与えるようなことはしない。ダルの時もジェイミーの時も100%の力を出している。
チームスポーツでは、「あいつと一緒に戦うと100%以上が出せる」のだ。
それは普段の自分の行いがものを言うのですよ。
ダルはその大事さが分かってなかったのです。
茹で蛙ならぬ茹で蟹
大学に入りボート競技をはじめてのめり込んでいく女性の話。
どうやらなんでも1番になることに拘りがある様な感じの主人公が、奨学金目当てでトップを目指す同級生をライバルと定め練習に励んで行く展開…なんだけれど、ワンナイトとか物理のTAとの行は…(´・ω・`)
設定だけみると青春スポ根物語的な感じもするけれど、レース中の様子はほぼ無くて、レース後のやり取りで結果を述べるスタイルだし、ストイック過ぎて最早病んでるレベルの主人公が壊れて行くようなお話しで、切迫感とか悲壮感とかは良かったけれど、ある意味傍若無人でASDの気がありますね。
そしてそれを拗らせた訳だけれど、わかっていた筈の結末ってことですかね?
1軍との非公式レースやその少し後のコックスのねーさんとのやり取りは良かったんだけれどね…。
ボート競技に詳しくないと、何を言ってるのかさっぱりわからない専門用語がストーリーに関わるところで頻繁に出てくるし、何よりもなんだか少しはっきりしない終わり方にも感じられるしでイマイチ締まらなかった。
肩に力を入れなければ凡庸のまま終わる
監督がもともと音響を担当していたためか、鼓動の音や周囲の音を消す手法など要所要所で用いられる演出がうまく、作中に用いられる曲のセンスもいい。
怠慢なチームメイトをカラスに、主人公が失敗を意識すると蟹が現れるなど、視覚的な演出で主人公の狂気を表す手法は面白いと思うが、やや分かりづらい。
ラストシーンでライバルを打ち破り、自身の記録を確認して満足気な表情を浮かべるシーンがあったものの、記録を黒板に書きかけた後に自分の名前ごと消してしまう。主人公にとってはローイングという競技に勝利し、満足したということなのだろうか。
強烈!
イザベル・ファーマン、すごいですね。
なんかこう、名前からしてすごくないですか?
あれ、昔そういう有名な女優いなかったっけ?って思わせるような響き。
名優になるのが運命づけられているかのような。
もちろん子供時代にあのエスターの名演があって、実際にその時点で既にすごい女優でもあったわけなのですが。
そんな彼女の面目躍如というか、才能を思う存分乗せて演じることのできる強烈なキャラクターが本作の主人公です。
彼女の実力にはこのくらい凄まじいのがちょうどいいのかもしれない(笑)。
水を得た魚、どころじゃなく、水の中に入れた途端ものすごい勢いで泳ぎ出して、どこまでも行ってしまう感じでビビります(笑)。
なんとなくあらすじからは、最初フワッとなんの気なしに入った部活で、コーチやらライバルやら状況やらに煽られて、いつの間にか狂気にハマっていく、みたいなの想像するじゃないですか。
この主人公は全然、何の説明もなしに、最初から狂気の中にいますから。
そこからもう、圧が強めの緊張感あるシーンが鶴瓶打ちです。
前菜なしでいきなりメインが来てしまって、あれ?ってメニューを確認する間もなく、その後も次々皿が運ばれてきて、目の前に大きな音立てて置かれていく感じというか。
しかもよく見るとどの皿も、ドチャッといい加減に盛り付けられてるわけでなく、細部まで神経が行き届いててなんか怖いっていう(笑)。
ちょっと待って!て言うのも怖いのでこっちもどんどん食いまくるしかないみたいな(笑)。
実際物理的にもカットが異様に細かく割ってあったりして、時間的には100分切る映画なんですけど、ずっと情報量多いまま押し切ってくるので、見終わった後にようやくホッと一息つける感じでした。
でも見終わってぐったり疲れるというのではなく、逆に力が漲ってくるというか、映画のパワーに当てられて自分のエンジンも強制的に起動させられるような、極めて健全な影響をもらった気がしました。
あの狂気がうつって一時的にハイになってるなら、健全かどうか怪しい気もしますが(笑)。
イザベル・ファーマンの演技は、もちろんキャラクターとしては到底まともとは言えない異様なテンションなのですが、どこか余裕があるというか、完全に役を自分のものにしていて、危うさ全開で躍動する様がなんというか、すごく似合っていました。
まるで画面全体、いや映画館の空間全体が彼女の表情に吸い寄せられるような、恐ろしい魅力に満ちていて、その表情を見るだけでも十分に価値のある映画だと思います。
途中、恋仲になった女教師に長台詞で自分の思いをぶちまけるシーンが圧巻です。
動き、表情、言葉、彼女の演技そのものが、まるで一流のスポーツのようにそれ単体で強烈な魅力があって、文字通り息を飲んで見入ってしまいました。
それは情熱なのか狂気なのか
全編を貫くテーマ音楽の強烈なリズムが印象的でした。
観念的と思えるストーリーを理解できた気がしないのですが
何事においてもトップを目指さないと気が済まない主人公。
ライバル役の要領の良い美女との対比で、空回りし続けるように見える主人公。
けれど観客の憐れみなど受けてたまるかとばかりに荒れ狂う様に圧倒されます。
なぜボートだったのか。
彼女の最終的なゴールはどこにあるのか?
主人公の熱狂に疑問は置き去りにされたまま物語は進んでゆきます。
しかし、ボート競技の世界を初めて覗き見ましたが凄まじいですね。
ちゃっかりしているように見えるライバルでさえ血を吐くような努力を積み
恐ろしい上級生たちの人生はボートに支配されているかのように見える。
主人公の迫力に圧倒されて最初は気づきませんでしたが、ちょっと怖すぎる体育会系女子映画。
とにかく大迫力!
なんだか刺激が足りないと感じている方には、強烈なカンフル剤となるかもしれません。
65~70点ぐらい。スリラー色が強いスポ根?
『エスター』のイザベル・ファーマンですよ!
知ってるわ!と、お思いでしょうが、現在27歳の彼女がボート競技に打ち込む女性を演じてます。
この映画を観てて小柄だな…と思って調べたら、162cmだそうです。
そんな彼女は、この映画の為、
撮影前の6週間、毎朝4時半に起き、1日6時間の水上トレーニングを行った。
その数か月前には、LAからラスベガスまで6人のランナーで340マイル (547,177km) を走るリレーレースにも出場。
その時の経験が本作での撮影にも生かされている。
だそうです。
ボート競技+スリラー映画と認識して観て、スリラーの部分を期待したんだけど、
スリラーってより、ボート競技の部分が大きい。
映像は暗く陰りを帯びてるし、ホラーっぽいスリラーっぽい演出を使ってるので、まあスリラーっぽいんですが…
ボートには全く興味ないので熱くなれませんでした。
イザベル・ファーマンは、いい演技してます。
もっと、いろんな映画で、いろんな役の、彼女が観たい。
PS.この作品も昨今の風潮に毒されていて残念…(苦笑)
予習しとけば…
ボート競技について無知のまま観てしまった。
マイナーなものがテーマの時に台詞で説明するみたいなよくあるダルい設定はなく、ひたすらシビアでストイックな主人公の心理に添った演出は見事。
冒頭に出てくる造形物を制作会社のロゴデザインかしらと思ってしまったのは不覚だった。
ボートがこんなにも美しいものだったとは。
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