「イザベル・ファーマンは素晴らしい女優。年間ベスト10入り。」ノーヴィス ザ・アナキストさんの映画レビュー(感想・評価)
イザベル・ファーマンは素晴らしい女優。年間ベスト10入り。
妥協することを知らない人間がストイックに自分を追い込んでいきながら脅迫概念に苦しむ描写が非常にリアルで生々しい。イザベル・ファーマンといえば「エスター」シリーズが有名だけど個人的にはこういう役の方が好み。
ジャンル的にはある視点映画になると思うんだけどインディー映画ならではのヌードや性描写も多いのでそっち系が苦手な人は少し邪魔に感じるかも。あとカタルシス的なものを求めている人には少し物足りなさも感じるかもしれないが個人的には大満足のエンディングだった。
私はチャゼル監督の映画が大大大嫌いなので「セッション」の音響を担当した人物が監督と聞いて同じ体育会系のノリで来るのかなとかなり構えていたが終わってみれば今年一番納得できる終わり方をした映画だったように思う。何よりもイザベル・ファーマンの演技が光ること。素晴らしい女優ですね。
日本では主人公ダルのような妥協できず突っ走るキャラはハブられて当然と嫌う人も一定数いそう。そういう人を不快にさせる要素もあるのは見ていて気分が良い。主人公が何故このスポーツを選んだのかも語られないし自閉のような障害やメンタルヘルス的なところにも踏み込まない。本作は解釈の余地を残したのだろうがそこがスッキリしない人もいるかもしれないが個人的にはそこに本作の魅力を感じた。
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