「【“困難だからこそ、挑戦するのだ。Byケネディ大統領”今作は、何事も取り組んだ事には妥協せずに、他者から見ると狂気性を帯びているかのように見える努力をする性癖の有る女性の姿を描いた物語である。】」ノーヴィス NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【“困難だからこそ、挑戦するのだ。Byケネディ大統領”今作は、何事も取り組んだ事には妥協せずに、他者から見ると狂気性を帯びているかのように見える努力をする性癖の有る女性の姿を描いた物語である。】
ー 今作は、中盤までは観ていてキツカッタ。アレックス・ダル(イザベル・ファーマン)は高校に進学した9月に、ボート部に入部するが、経験がないために”ノーヴィス”(初心者)として先輩たちから訓練を受けるが、彼女はそれ以上に早朝から過酷な訓練を自主的にする。勉学でも苦手と思われる物理を専攻し、女教師のダニ(ディロン)から時間切れで答案用紙を取られるまで、何度も同じ問題を解いているのである。ー
◆感想<Caution!内容にやや触れています。>
・今作を中盤まで観た時に私の脳裏を過ったのは、民主党政権時代に、蓮舫議員が事業仕分けで、スーパーコンピューター”京”の開発費用について”二位じゃ駄目なんですか!”と食いついた出来事である。私はその言葉を偶々出張中に車内で聴いていて、即座に”駄目なんです!”と思ったのである。
物凄く嫌な奴だと思われるかもしれないが、それは仕事でも今作で描かれるスポーツでも、【自分に妥協無く行う事】で、仕事であればアウトプットのクオリティを上げる事であり、スポーツであれば”やり切った!”という思いを抱く為なのである。
・今作の主人公のアレックス・ダルは、性格的にその思考が物凄く強い人だと思う。更に演じているのが「エスター」のイザベル・ファーマンなので、物事に取り組む姿勢には、狂気性も漂うのである。
・ダルはレギュラーを目指して、只管に努力する。一年生の一名が退部したり、コーチも”気楽にやりなよ。”と彼女に気を使っても、聞く耳を持たない。ダルが勝手にライバル視するのは、同じく一年生で奨学金を獲得するためにレギュラーを目指すジェイミー(エイミー・フォーサイス)のみである。
・だが、途中でダルが実は大統領奨学生である事をジェイミーが、彼女に示すのである。つまりは、彼女が頑張る理由は、ジェイミーのように”父親と同居何てマッピラ!”ではないのである。金銭的な問題が無いのに、彼女は何故にあそこ迄自分を追い込むのか?
劇中では、ボート操縦を誤るとオールにより腹部を傷つけてしまう”ハラキリ”と失敗を指すと思われる”カニ”という言葉が出てくるが、ダルは自傷行為で”ハラキリ”したり、”カニ”が象徴的に映されるシーンが頻繁に出て来る。
ここで、彼女の持つ性格、【何事も自分に妥協無く行う事】が露わになるのである。彼女が頑張るのは、お金のためでも、自分の名誉でもないのである。
■ダルは、ジェイミーの乗る舟との競技で負けてしまい、激しく他の選手を詰るも自分に対しても厳しく当たる。
シートレースをコーチに申し入れるも却下。
そして、雷鳴轟く中、彼女はジェイミーとシングルで競争する。雷が激しくなる中、ジェイミーは競技を中止するがダルは一人漕ぎ続けるのである。
ダルは、独りゴールラインを通過した際に、舟の上で仰向けになるのである。そして、雷が落ちる・・。
<そして、競技後に、ダルは皆がいる部屋に入って来て、黒板に書かれた自分の名前を消すのである。だが、その顔は過度の克己心に囚われていた時の笑顔無き顔ではなく、”やり切った!”と言う表情に、私には見えたのである。
今作は、何事も取り組んだ事には妥協せずに、他者から見ると狂気性を帯びているかのように見える努力をする性癖の有る女性の姿を描いた物語なのである。>
<2024年12月15日 刈谷日劇にて鑑賞>
苦手な物理を専攻する所からもM気質なんですかね?でも勝ちたい人、厄介で、しょい!周りで寄り添ってた人たちも離れていくパターンでしょうね、似た者同士だと斬り合いになりそうだ、しょい!