劇場公開日 2025年4月25日

「良質な短編小説の味わい」花まんま 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5良質な短編小説の味わい

2025年5月3日
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鑑賞方法:映画館

不可思議な記憶を持つ妹と、親代わりに育てた兄。原作は二人の子供時代に焦点を絞った短編小説とのことだが、成人した妹の結婚を控えたドラマをオリジナルで加えた本作も、良質な短編小説のような味わいがある。
予想以上にファタジー色が強めで、所々つじつまが合わないところもあるが、結婚式の終わりからの引き出物への流れは、落語のオチのようで鮮やか。
前田哲監督の演出は、派手さはないものの堅実。クライマックスの兄のスピーチのシーンで、妹の受けの表情を中心に映すところなど、上手い。ただ、結婚式前日の兄の夢のシーンは、物語の展開上大事なシーンなのに、チープな感じだったのは残念。
鈴木亮平は安心の演技。有村架純は意外と出番が少ないが、表情がいい。鈴鹿央士のコメディリリーフも面白い。子役の二人も上手かったが、一番感心したのは、酒向芳。
ツツジ園、彦根の街並み、近江鉄道といったロケーションは素晴らしかった。

山の手ロック
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