花まんまのレビュー・感想・評価
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あなたの「兄やん」は誰か?
この俳優陣で、悪いわけはないでしょうと思って観たけれど、予想を裏切らず素晴らしかった。
前情報がなかったら、やや偶然性や運命性がわかりづらいシーンもあるかもしれないけれど、セリフがない動きでも存分に身体で語れる演技派たちのおかげで、登場人物の誰にも共感できる。
身近な人のことほど、理解は難しく、そして「わかり合えていない」ことがわかると憤る。
近いほどに、相手に対する「期待」があるのかもしれない。
そこに相手の肉体があるのに、自分の知らないアイデンティティが相手の中に存在すること。そこにその人はいないのに、確かにあの人の片鱗を見出せること。そんなファンタジックな1ページごとの合間に、生臭い人間の愛情や葛藤があたたかい血のように流れていた。その流れを作り出す、鈴木亮平さん。
誰にも自分にとっての「兄やん」がいると気づけたら、人生を歩むのも、少しだけ心強くなる。
自分を見つめる眼差しに、気づくことができる。
一点だけ気になったのは、兄やんのこども時代に「ジェンダー」はまだ日本で語られていないかも?
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