トラップのレビュー・感想・評価
全168件中、1~20件目を表示
肩肘張らず楽しめるアトラクション的快作
世の中にはあらすじを読んで俄然興味が募る映画も多いが、これはオープニングのジョシュ・ハートネットの善良そうな父親像を微笑ましく眺めるところから見どころが始まっている気もするので、できれば「シャマラン作品」という情報だけキャッチして一か八かで劇場に足を運ぶのが良いのかも。音楽活動を続ける娘を歌姫役に据えるなど、シャマランの家族ぐるみの映画制作はなお一層、強固となっている感があるが、そこさえ許容すれば、本作は意外と楽しめる。ヒッチコック的な主題で遊びつつ、ライブ会場というある一定のルールに則った「限定領域」を存分に活かし、その個と状況との対峙においてミステリーを紡ぐシャマラン節は健在だ。主観を用いた語り口も相変わらずだが、通常なら「んなわけないだろ!」と突っ込みたくなる展開でも、ハートネットの存在感がハマっているので、それすらも楽しい。肩肘張らず、軽い気持ちで体感できるアトラクション的な快作。
いろいろガバガバ設定だけど、スリリングで見応えはある
配信で鑑賞、まぁ面白かったです。
ただ、ヴィレッジでシャマラン監督の虜になった自分としては、まだまだ物足りない感じですね。
まず、全体的に設定がガバガバで、突っ込みながら観てしまう。
色々都合がよすぎるというのは、映画であればどの作品でも多かれ少なかれあるのでそんな気にしないんですが、本作はちょっと気になるところが多くて。
殺人犯をライブ会場におびき出す、これから無理があるけどまぁそれはいいとして、そこまでやるのにいろいろと緩いんですよね。
退場時に男性客全員を尋問するなら中の警備は通常通りでいいはずなのに、下手に厳重にするからバレバレになってるし、会場から脱出するときもなんでそれチェックしないの?ってくらいのザルさ。
この辺を言い出したら、序盤の展開丸っといらないということになってしまうので、致し方ない部分なんでしょう。
ただ、ショップの販売員にまで予めネタばらしをしておく必要はあったのかなぁ…
極秘ってことにして、作戦内容を知る者は絞ったほうが明らかにうまくいったんじゃないかと。
中盤、ライブシーンが立て続けに出てくるんですが、個人的には必要以上に長く感じられました。
監督の娘さんがカリスマミュージシャン役だから、親バカがちょっと出ちゃったのかな的な感が 笑
でも下手ってわけじゃないので、場面転換のとっかかりとしてよかったんじゃないかなとは思います。
終盤、長年追ってた凶悪犯をやっとの思いで捕まえたのに、警察がとっても優しい。
せめて後ろ手に手錠掛けて、ボディチェックしてから車に乗せるくらいやらんものかな?
と、突っ込みどころは満載です。
ハラハラさせる展開が続くので、観ていて飽きるようなことはなく、ラストしっかりシャマランっぽさを出してくれたので、まぁよかったかなぁという感じです。
ライブシーンもうちょっと削って90分ぐらいにまとめててくれたらもっとよかったかな
毎度おなじみ余韻を残す終わり方なので、同監督の他の作品と絡ませたりするのかな。
まぁまぁです!
娘の念願のLIVEに、一緒に行ってあげてる父親が実は殺人鬼だった!
犯人に応援してしまう!
天才的な対応力
シャマラン監督と聞けば見ずにはいられない。映画館でみるかどうかは置いといて、どこかで必ず見る。
さて、予告でわかっているからいいんだけど、この父親が例の殺人鬼である。
まさかの主人公が悪人。
ということは、この悪人が助かる過程をみるのか?と思ってしまう。
厳重に警備されたライブ会場をどう脱出するのか、いろいろと試行錯誤する過程が面白い。
いきなり天才的な抜け道を見つけるわけでなく、地道に探していくのがよい。
しかし、それにしても対応力が半端じゃない。
その時々で瞬時に最適解を判断していく。
その能力を他に生かせ。
途中からだいぶ場面が変わるのだが、それは賛否が分かれそう。
というかおれがあまり好きじゃない展開だった。
その代わり最後の最後のシーンは痺れた。これよこれ。
シャマランなのに………めちゃくちゃ面白い!?
M・ナイト・シャマランの新作というだけで、もう楽しみと不安が混濁してしまうような不可思議な気持ちを抱かせる。
こんな映画監督も珍しい。
M・ナイト・シャマラン監督といえば、これは「シックス・センス」の頃から一貫している事だが、シャマランは、恐怖の中で、家族への絆と愛を描く。
観客をさんざん怖がらせた後で、胸に迫る感動を残すのだ。これがシャマランのスタンスになっている。
なんだか早々にディスりな発言に思えるかもしれないが、デビュー作の「翼のない天使」から、プロデュース作品の「デビル」まで、全作鑑賞済みの自称シャマラニストである。
(一番好きなのは「サイン」)
もちろん本作も鑑賞した。
前半はめちゃくちゃ面白かった。
劇場スルーして、DVDで見てしまったが、本当に後悔したくらいだ。
それだけに、後半のなんでそんな展開にしちゃったんだろうって言う勿体無さが悔やまれる。
そして今回もしれっとシャマランが登場している。
これは流石にかばいきれんぞ
悪名高いレディ・イン・ザ・ウォーターだって幻想的で寓話的で好きだったのですよ。しかしなんじゃこれは?ストーリーが全然薄っぺらな上に設定もムリにムリを重ねて、あげくにうすーい演技のレディレイブン、イマドキの歌姫連れてきたのだねと思ったらなんと娘だと言うじゃないの。シャマランくんよもう君は終わりなのか?ついこないだミスター・ガラスという一大傑作をつくったじゃないか、あれが最後の花火だったのか?君の才能はもう枯れてしまったのか?でもエアベンダーだって私は見たんだよ、なんだったら続編をまだ待ってるくらいだ。だからもう君の遺作まで付き合うよ、どんなに駄作でも凡作でもシャマラン作品が見られるだけでよしとしよう。アジアの天才キム・ギドクはもう見られないのだから。
休憩多過ぎライブ…w
レディレイブン、いい人だなー。めっちゃ目がデカイ。 ていうか警察が...
田中アリーナw
面白いけれど期待したものと違う
シャマラン監督の特徴としてはやはりどんでん返し。実際はちょっと驚きポイントがある程度でどんでん返しと言えるほどの作品は少ないのだが、それでも期待してしまうところがある。
そのせいか本作に対して純粋な気持ちで楽しむことができなかった。
監督の娘が演じた歌姫がすごく頑張ることに違和感を覚えたり、主人公がマジシャンの如くスルスルと難を逃れたりすることに、何かトリックがあるのではないかと考えながら観てしまったのだ。
この作品全体に漂う違和感が、何かあるぞと告げている気がしたのだ。
種明かしはないけれど、余りの都合良さに主人公の夢という可能性はあるかと思うが、シャマラン監督は観る人の想像に任せる的な作品作りをしない人だと思うのでおそらく違うだろう。
そうなるとただ単にプロットアーマーの強い、普通のサスペンスだったのだ(ちょっとした驚きポイントは有り)。
普通に面白いサスペンスで、もちろん何も悪いことはないけれど、変に疑いの目を向けながら観てしまったせいでイマイチ気持ちが乗らなかった。
あれ?もう終わり?なんか普通のサスペンスじゃね?。観終わった直後の気持ちはこうだ。
振り返ってみて面白かったと思ったので評価は良くするけれど、なんか期待したものと違ったな。
ヒッチコック風
人気ミュージシャン「レディレイブン」のコンサートへやってきた父娘。
予算とエキストラを投じたコンサートは現実的な臨場感があったが、主役クーパー(ハートネット)はどこに居ても頭一つ分でかすぎて(191㎝)やたら浮いた。彼は娘のライリーがaを4つ、bを1つの好成績をおさめた褒賞としてレディレイブンのアリーナ席を奮発した。だが彼は不可解なことばかりする。何故なのか何者なのか、わからない。
でかくて怪しいにもかかわらず雑踏も警備もクーパーを気にしない。その間映画は完全に枝葉なシーンをいくつも見せる。全乳じゃなくて無乳糖ミルクだ、コンブチャじゃなくてハニーサックルコンブチャだ、と付き人に悪態をつきまくるゲストスターが出てくるし、ライリーのいじめっこの母親とコンサート会場で会うというどこへもつながらない枝話が挿入されているし、レディレイブンの夢見る少女というテイラースウィフトの22ハットみたいなシーンもかなり尺がとられているし、構成やクーパーの表情を追うカメラはヒッチコック的だし、なぜかヘイリーミルズがでていた。
レディレイブンは現実でもシンガーソングライターであるシャマランの娘Salekaが演じていて、シャマラン自身もコンサートスタッフ役で出てくる。
なんか雑多な情報が頭んなかで錯綜するこの映画の、特に前半ははっきり言ってすごく面白かった。ふつう映画は30分くらいすると、どこへ落としたいのかだいたいわかるがこれはわかりにくかった。
クーパーは実は殺人鬼の「ブッチャー」であり、サイコのアンソニーパーキンスのように存在しない母親の幻影に従属的であると設定されている。ヘイリーミルズはFBIのプロファイラーという役どころ。なぜかヘイリーミルズがでていた──と言ったのは唐突なキャスティングだと思ったので。ヘイリーミルズはポリアンナ(1960)で有名になったイギリス人なら誰でも知っている国民的子役。日本で言うなら小林綾子という感じだろうか。ヘイリーミルズはヒッチコックに出たかったけれど出られなかった俳優だった。シャマランがヒッチコック風映画に起用して願望を実現させた、のかもしれない。が、詳細はわからない。
わけがわかんない間はすごく興味深いが、だんだんすぼまっていく。この、すごくひきつけられたのに、結局すぼまって終わる曲線は同監督のオールドやノックにも似ていた。
批評はあまりふるわずImdb5.8、ROttenTomatoes57%と65%。明解なprosやconsが提示されない、どっちつかずな批評が多かった。
プロットの原点はパープルレインのようにサントラと映画が一体化したものだそうで、SalekaのアルバムTrapが同時発売されている。つまりシャマランの親馬鹿映画でもあった。
しかし映画の前半のなんともいえない感じはいい。古いスタイルのカメラワークで、なんか妙に焦点のあわない話をつむいでいく。役者ではクーパー妻役のAlison Pillがとてもじょうずだった。
ヘイリーミルズは1968年にTwisted Nerveという映画にでた。じぶんはそれを製作から20年後の80年代後期にVHSレンタルで見た。邦題は密室の恐怖実験。それからまた約20年後にタランティーノが映画中の口笛をkillbillでダリルハンナに吹かせて話題になった。Twisted Nerveはヘイリーミルズが子役からの脱皮をはかろうとした映画だった。おそらくミルズはヒッチコックに出たかったのだろう。だからTwisted Nerveにはヒッチコックへのアピールが感じられる。が「しかしねえヘイリーあいつは無類の美女好きなんだよきみも知ってるだろ」きっとマネージャーとそんな会話があった、のかもしれない。ハリウッドからイギリスへ帰ってきたヒッチコックがフレンジーを撮ったのは1972年だった。
全168件中、1~20件目を表示