トラップのレビュー・感想・評価
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肩肘張らず楽しめるアトラクション的快作
世の中にはあらすじを読んで俄然興味が募る映画も多いが、これはオープニングのジョシュ・ハートネットの善良そうな父親像を微笑ましく眺めるところから見どころが始まっている気もするので、できれば「シャマラン作品」という情報だけキャッチして一か八かで劇場に足を運ぶのが良いのかも。音楽活動を続ける娘を歌姫役に据えるなど、シャマランの家族ぐるみの映画制作はなお一層、強固となっている感があるが、そこさえ許容すれば、本作は意外と楽しめる。ヒッチコック的な主題で遊びつつ、ライブ会場というある一定のルールに則った「限定領域」を存分に活かし、その個と状況との対峙においてミステリーを紡ぐシャマラン節は健在だ。主観を用いた語り口も相変わらずだが、通常なら「んなわけないだろ!」と突っ込みたくなる展開でも、ハートネットの存在感がハマっているので、それすらも楽しい。肩肘張らず、軽い気持ちで体感できるアトラクション的な快作。
天才的な対応力
シャマラン監督と聞けば見ずにはいられない。映画館でみるかどうかは置いといて、どこかで必ず見る。
さて、予告でわかっているからいいんだけど、この父親が例の殺人鬼である。
まさかの主人公が悪人。
ということは、この悪人が助かる過程をみるのか?と思ってしまう。
厳重に警備されたライブ会場をどう脱出するのか、いろいろと試行錯誤する過程が面白い。
いきなり天才的な抜け道を見つけるわけでなく、地道に探していくのがよい。
しかし、それにしても対応力が半端じゃない。
その時々で瞬時に最適解を判断していく。
その能力を他に生かせ。
途中からだいぶ場面が変わるのだが、それは賛否が分かれそう。
というかおれがあまり好きじゃない展開だった。
その代わり最後の最後のシーンは痺れた。これよこれ。
シャマランなのに………めちゃくちゃ面白い!?
M・ナイト・シャマランの新作というだけで、もう楽しみと不安が混濁してしまうような不可思議な気持ちを抱かせる。
こんな映画監督も珍しい。
M・ナイト・シャマラン監督といえば、これは「シックス・センス」の頃から一貫している事だが、シャマランは、恐怖の中で、家族への絆と愛を描く。
観客をさんざん怖がらせた後で、胸に迫る感動を残すのだ。これがシャマランのスタンスになっている。
なんだか早々にディスりな発言に思えるかもしれないが、デビュー作の「翼のない天使」から、プロデュース作品の「デビル」まで、全作鑑賞済みの自称シャマラニストである。
(一番好きなのは「サイン」)
もちろん本作も鑑賞した。
前半はめちゃくちゃ面白かった。
劇場スルーして、DVDで見てしまったが、本当に後悔したくらいだ。
それだけに、後半のなんでそんな展開にしちゃったんだろうって言う勿体無さが悔やまれる。
そして今回もしれっとシャマランが登場している。
これは流石にかばいきれんぞ
悪名高いレディ・イン・ザ・ウォーターだって幻想的で寓話的で好きだったのですよ。しかしなんじゃこれは?ストーリーが全然薄っぺらな上に設定もムリにムリを重ねて、あげくにうすーい演技のレディレイブン、イマドキの歌姫連れてきたのだねと思ったらなんと娘だと言うじゃないの。シャマランくんよもう君は終わりなのか?ついこないだミスター・ガラスという一大傑作をつくったじゃないか、あれが最後の花火だったのか?君の才能はもう枯れてしまったのか?でもエアベンダーだって私は見たんだよ、なんだったら続編をまだ待ってるくらいだ。だからもう君の遺作まで付き合うよ、どんなに駄作でも凡作でもシャマラン作品が見られるだけでよしとしよう。アジアの天才キム・ギドクはもう見られないのだから。
休憩多過ぎライブ…w
レディレイブン、いい人だなー。めっちゃ目がデカイ。 ていうか警察が...
田中アリーナw
面白いけれど期待したものと違う
シャマラン監督の特徴としてはやはりどんでん返し。実際はちょっと驚きポイントがある程度でどんでん返しと言えるほどの作品は少ないのだが、それでも期待してしまうところがある。
そのせいか本作に対して純粋な気持ちで楽しむことができなかった。
監督の娘が演じた歌姫がすごく頑張ることに違和感を覚えたり、主人公がマジシャンの如くスルスルと難を逃れたりすることに、何かトリックがあるのではないかと考えながら観てしまったのだ。
この作品全体に漂う違和感が、何かあるぞと告げている気がしたのだ。
種明かしはないけれど、余りの都合良さに主人公の夢という可能性はあるかと思うが、シャマラン監督は観る人の想像に任せる的な作品作りをしない人だと思うのでおそらく違うだろう。
そうなるとただ単にプロットアーマーの強い、普通のサスペンスだったのだ(ちょっとした驚きポイントは有り)。
普通に面白いサスペンスで、もちろん何も悪いことはないけれど、変に疑いの目を向けながら観てしまったせいでイマイチ気持ちが乗らなかった。
あれ?もう終わり?なんか普通のサスペンスじゃね?。観終わった直後の気持ちはこうだ。
振り返ってみて面白かったと思ったので評価は良くするけれど、なんか期待したものと違ったな。
ヒッチコック風
人気ミュージシャン「レディレイブン」のコンサートへやってきた父娘。
予算とエキストラを投じたコンサートは現実的な臨場感があったが、主役クーパー(ハートネット)はどこに居ても頭一つ分でかすぎて(191㎝)やたら浮いた。彼は娘のライリーがaを4つ、bを1つの好成績をおさめた褒賞としてレディレイブンのアリーナ席を奮発した。だが彼は不可解なことばかりする。何故なのか何者なのか、わからない。
でかくて怪しいにもかかわらず雑踏も警備もクーパーを気にしない。その間映画は完全に枝葉なシーンをいくつも見せる。全乳じゃなくて無乳糖ミルクだ、コンブチャじゃなくてハニーサックルコンブチャだ、と付き人に悪態をつきまくるゲストスターが出てくるし、ライリーのいじめっこの母親とコンサート会場で会うというどこへもつながらない枝話が挿入されているし、レディレイブンの夢見る少女というテイラースウィフトの22ハットみたいなシーンもかなり尺がとられているし、構成やクーパーの表情を追うカメラはヒッチコック的だし、なぜかヘイリーミルズがでていた。
レディレイブンは現実でもシンガーソングライターであるシャマランの娘Salekaが演じていて、シャマラン自身もコンサートスタッフ役で出てくる。
なんか雑多な情報が頭んなかで錯綜するこの映画の、特に前半ははっきり言ってすごく面白かった。ふつう映画は30分くらいすると、どこへ落としたいのかだいたいわかるがこれはわかりにくかった。
クーパーは実は殺人鬼の「ブッチャー」であり、サイコのアンソニーパーキンスのように存在しない母親の幻影に従属的であると設定されている。ヘイリーミルズはFBIのプロファイラーという役どころ。なぜかヘイリーミルズがでていた──と言ったのは唐突なキャスティングだと思ったので。ヘイリーミルズはポリアンナ(1960)で有名になったイギリス人なら誰でも知っている国民的子役。日本で言うなら小林綾子という感じだろうか。ヘイリーミルズはヒッチコックに出たかったけれど出られなかった俳優だった。シャマランがヒッチコック風映画に起用して願望を実現させた、のかもしれない。が、詳細はわからない。
わけがわかんない間はすごく興味深いが、だんだんすぼまっていく。この、すごくひきつけられたのに、結局すぼまって終わる曲線は同監督のオールドやノックにも似ていた。
批評はあまりふるわずImdb5.8、ROttenTomatoes57%と65%。明解なprosやconsが提示されない、どっちつかずな批評が多かった。
プロットの原点はパープルレインのようにサントラと映画が一体化したものだそうで、SalekaのアルバムTrapが同時発売されている。つまりシャマランの親馬鹿映画でもあった。
しかし映画の前半のなんともいえない感じはいい。古いスタイルのカメラワークで、なんか妙に焦点のあわない話をつむいでいく。役者ではクーパー妻役のAlison Pillがとてもじょうずだった。
ヘイリーミルズは1968年にTwisted Nerveという映画にでた。じぶんはそれを製作から20年後の80年代後期にVHSレンタルで見た。邦題は密室の恐怖実験。それからまた約20年後にタランティーノが映画中の口笛をkillbillでダリルハンナに吹かせて話題になった。Twisted Nerveはヘイリーミルズが子役からの脱皮をはかろうとした映画だった。おそらくミルズはヒッチコックに出たかったのだろう。だからTwisted Nerveにはヒッチコックへのアピールが感じられる。が「しかしねえヘイリーあいつは無類の美女好きなんだよきみも知ってるだろ」きっとマネージャーとそんな会話があった、のかもしれない。ハリウッドからイギリスへ帰ってきたヒッチコックがフレンジーを撮ったのは1972年だった。
シャマラン監督はホラーから、現実路線に舵をきったのか?
観てる間は退屈しなかった。
3000万ドルの予算なので、中規模でもないか?
アリーナを借り切って、CGがどの程度か分からないが、
エキストラが結構多い感じ。
初めからサイコキラーの切り裂き魔は、よき父親のクーパー
(ジョシュ•ハーネット)と言い切っているから、
犯人探しの楽しみはない。
ではどこに焦点が当てられているか?と思うと、
娘のライリーが大ファンの歌姫・レディ・レイブン
(シャマラン監督の実の娘のサレカ・シャマラン)の、
ライブの会場・・・
巨大な2万人収容のアリーナがトラップつまり罠‼️なのだ。
そのアリーナに警察が7年に渡って指名手配しているブッチャーが
現れるとのチクリがあった。
それでわざわざ出入り口30ヶ所に警官を配置すると言う効率の悪さ。
(見終わった人が読むとの前提で書きますけれど)
チクったのは、クーパーの妻のレイチェル。
どうせチクるなら、
「夫が怪しい・・・」と素直に言っておくれよ。
でなければ、顔写真くらい渡せよ。
闇雲に3000人の男の観客を一人一人確認なんて、
税金の無駄遣いも甚だしい。
スーパースターの歌姫が、娘・・・ってのも、
歌手デビュー、女優デビューを私物化してる気する。
歌は上手いんだか?下手なのか?
私には分からんし、
美人だけど女優として通用するかも全く未知数。
190センチの大男ジョシュがやたらアリーナを右往左往して、
果てはレディ・レイブンが自宅まで着いてきたりして、
アリーナを外れるし、
心理ミステリーでもなし、
人間ドラマでもなし、
切り裂き魔・・・と言う割に血は一滴も流れず、
銃声も全くない。
もしかしたらコメディなのかな?
お父さんが(夫が)70人も殺した殺人鬼だなんて、深刻さは
ほとんど感じられないところがシャマラン監督のシャマラン流
なのでしうね。
次女のイシャナは「ザ・ウォッチャー」で監督デビュー。
24歳なのにこの映画でも父親の「オールド」「ノック週末の旅行者」
そしてテレビシリーズでも製作者として活躍。
父親・長女(サレカ)・次女(イシャナ)と多角経営に乗り出した感じですね。
「サ・ウォッチャー」は、パパの原作を娘が映像化しました。
ますますパパは娘も出汁にして、シャマランのブランド化は進むのか!!
やってんな
トラップゼロなのが逆にトラップ
会場についた瞬間に入り待ち時間ゼロでちょうどレディが会場に入るのを観れてる時点でタイミングが良すぎてあり得ないんだわ。
中に入ってからも店員とたまたま仲良くなって店員だと証明するキーワードを入手したりレディのステージに呼ばれるとか都合があまりにも良すぎる上に緊張感が全く無いし完全にナメてるとしか思えない脚本で本来なら半分まで我慢したからもう観るのを辞めてもいいんだけど感想を書く上で途中でギブアップしたクセに偉そうに感想を書く訳にもいかないから後半も観ましたが奇跡的にレディの車に乗れて会場から出れるとか更にふざけたバカ展開だし更に更に言うとライブ終わって他人の家にミュージシャンが一般人の家に行く訳無いし警察が家に来た時にどうやって逃げたのかの説明が無くて更にリムジンが囲まれた時の脱出の仕方の説明も無いし更には家の周りに警察がいるのに普通に家に戻れたのは何故かの説明も無いしここまであり得ない事しか起きない話は見た事無いですよマジで!
ラスト付近で上半身マッパになって警察に捕まるのは良いとして家での事情聴取もしないで警察が全員家から帰って行く場面や捕まって車に乗せられるのはいいけど護送車の中で見張りの警察ゼロで乗せてるとか本当にマジでいちいち全部のシーンがあり得ないし映画なんてファンタジーなのは承知の上だけどこちらにも許容範囲があってこれは流石に無いわ。
総合的に考えて劇場で観て無いのが唯一の良い点ですわ。
全シーンツッコミどころな映画は人生初です。
撮影する時や企画の説明の時に違うって言ってくれる人が居ない状態で好き勝手に作った末路なんだろうね笑
子煩悩なマイホームパパ、たまに人を切り刻むのが玉に瑕
シリアルキラーがコンサート会場に姿を現すという情報をキャッチしたため警官隊を投入して袋のネズミにしようという作戦が実行される。
どう見てもコンサートの警備とは思えない重装備のSWAT部隊みたいのが大勢いて明らかに不自然。それに通常これだけのお客で混雑するコンサート会場でそんな危険な作戦するかな。一般人を人質にされたらどうするんだろ、なんて野暮なこと考えずにシャマランによるエンタメを楽しむのがベストな映画。映画なんてありえない設定はいくらでもある、そのあり得ない設定をもっともらしく見せてなんぼ。本作はそれがまあまあ出来てるので問題なし、多少のご都合主義も許せるレベル、かな。
コンサート会場内で警備の警官を躱して上手くすり抜けたり立ち回ったりとただのシリアルキラーではない知能犯的な側面も見せるクーパー。普段子煩悩パパと殺人鬼を使い分けてるだけに二重人格的側面も垣間見せる。時折彼の幻覚に現れる母親の姿からして幼少期のトラウマが今の彼を殺人鬼にしたのだろうか。
意外にコンサート会場を脱出した後が長くて少し冗長な感じ。ならばそこで彼の人格をもう少し掘り下げてもよかったかも。
最後まで楽しめたが、残念な点はラスト。クーパーを生き延びさせての続編狙いなのかな、非常に歯切れが悪く感じられた。どこで終わらせるのがベストだったのだろうか。
せっかく大技を決めても着地でしくじれば10.00は難しい。もう少し切りのいいところで終わらせられなかったかな。
個人的にはリムジンでレイブンをさらおうとしたとき群衆からスマホのカメラのライトを照らされた所で警官隊に撃たれてたほうがよかった。コンサートでお父さんあなたを許すわというレイブンのトークに共感した観客がスマホのライトを照らすくだりが伏線としてそこで活かされると思ったけどな。クーパーお父さん、あなたを許しますとね。
映画はラストシーンで作品の締まりが良くなるのでいいタイミングで終わってほしかった。
Show Must Go On
駆け引きと騙し合い、脱出ゲームみたいな映画
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