「ぜったいれいど」トラップ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
ぜったいれいど
これは中々の怪作だ…!
こんなにも頭フル回転で色んな事を考えては捨ててを繰り返しながらこの作品を理解しようとしたというだけでも価値のある作品だと自分は思います。
前作が全くハマらずだったので今作のシャマラン大丈夫かな?と半信半疑な状態で観に行きましたがどっちも当たりました。
娘とコンサートを見にきた父親が実は切り裂き魔で、会場が包囲されている中、どうやって潜り抜けるのかという名目での鑑賞でしたがそのシチュエーションだけで100分ほど持つかな?と思いながらの鑑賞でしたが裏切りに次ぐ裏切りで困惑もさせられつつ楽しませてもらいました。
良い父親のフリをしているクーパーが知恵を振り絞って抜け出す手立てを企てていくという感じですが、はっきり言って他の監督の作品なら序盤で捕まります。
全体的に挙動不審ですし、めっちゃ煽りたがりですし、最初の従業員に接触してカードキーを手に入れる流れは従業員がお人好しすぎて上手くいってましたが、飲食店でのトリックは絶対にバレるだろってやつが余裕でスルーされるので思いっきりズッコケそうになりました。
今作の大人気アーティスト役としてシャマランの娘を登場させており、家族愛が凄すぎるわ〜とシャマランの愛はがっつり伝わってきました。
ただ超カリスマ的かと言われるとどこか物足りないところもあり、演技面では洋画のはずなのにあんま上手ではないのかな?と思う場面も多々あったので愛だけでは突き通せないものもあるよなとなりました。
恒例のシャマラン本人の登場シーンはスタッフとしてでしたが、今作は妙に長く登場しており、しかもクーパーの手のひらの上でまんまと転がされていましたし、警備が確認しようとしたら大丈夫だと通させるしで、アンタがいちばんやらかしてますやんともうツッコミを声に出して言いたかったです。
今作の警察及び警備はザルもいいとこです。
ちゃんと守ってるかどうかも怪しいですし、クーパーの行動なんか怪しさ満点なのにちょっと気にする程度ですし、がっつりカメラに映ってるはずなのに誰も気づかず、なんならFBIのボスもそれっぽいセリフをボソッと言うだけでなんかいただけでしたし、包囲しまくりなのになんで何回撒かれんねんとツッコミが止まりませんでした。
家から脱出する際に隣家につながる穴を作っててそこから脱出するのはまだしも、車の中からの脱出だけはどう足掻いても分からずじまいで煙幕を焚いた訳でもないのに大人数のFBIはなぜ撒かれたのかがこの映画の特大の謎だと思います。
最後の方も足を撃って機動力を奪えばいいのにテーザー銃で動きを止めようとしたら止まらず1人目潰しされるというこれまたカオスな展開が襲いかかってくるので笑いっぱなしだったのにどんどん苦笑いになっていきました。
終盤の娘との別れを惜しみながら抱きしめるとかなんか絶対に止めるべきだし、そこで人質に取られるようなもんなら警察側の過失がエグいはずなのに、FBIのボスが大丈夫とか抜かしているのでコイツほんま…と呆れながらも笑っていました。
しかもチャリを直したフリをして針を取り出したトリックこそ止めるべきだったのに止めらないからそりゃクーパーも笑っちゃうよなって幕を引いていくのでもう情緒は不安定です。
ポケモンで例えるとぜったいれいどという一撃で相手をやっつけれるけど滅多に当たらない技を100%当て続けたかのような映画でした。
つまり奇跡も奇跡、乱数ぶち抜き映画でした。
鑑賞日 10/25
鑑賞時間 18:55〜20:50
座席 E-2