トラップのレビュー・感想・評価
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こんな映画、ほかの誰が撮れますか?的な。
いやあ、シャマランのやりたい邦題がここまで来たか!と驚くと同時に納得してしまう。シャマランの映画はいつしかファミリービジネスになっていて、スタジオからの横槍が入らないように資金を自己調達し、自宅を抵当に入れたりしながら撮っている。最近はチーフ助監督は実の娘だったし、その娘も最近はパパプロデュースで監督デビューをお膳立てした。
そして今回は、シンガーソングライターでもある長女サレカ・シャマランを人気絶頂の歌姫に見立てて、そのコンサート会場を舞台にするという、誰がどうみても「娘のためにコンサートを開いてやった」状態。
しかもシャマランと顔だって似てるし、叔父さん役でシャマランも出てくるし、「これはなにを見せられてるんですか?」と思う時間がずっと続くんだけど、ちゃんと「家族思いだけど殺人鬼のパパの脱出ミッション!」を同時進行させて、オモシロスリラーにしてみせるのだからみごと。映画の私物化ではあるんだけど、それがなにか?私物ですけど?という開き直りと、それでもお客さんは楽しませて帰しますよ!というサービス精神が頼もしい。
そしてなんといっても第二部!まさか娘演じる歌姫が、事件解決に乗り出す主人公に格上げされるとは! どれだけ娘に見せ場を与えとんねん!というのも可笑しいが、その展開がちゃんと意外性として機能していて、いやあ、映画スキルが異常に高い親バカってすげえなと惚れ惚れしてしまいました。
肩肘張らず楽しめるアトラクション的快作
世の中にはあらすじを読んで俄然興味が募る映画も多いが、これはオープニングのジョシュ・ハートネットの善良そうな父親像を微笑ましく眺めるところから見どころが始まっている気もするので、できれば「シャマラン作品」という情報だけキャッチして一か八かで劇場に足を運ぶのが良いのかも。音楽活動を続ける娘を歌姫役に据えるなど、シャマランの家族ぐるみの映画制作はなお一層、強固となっている感があるが、そこさえ許容すれば、本作は意外と楽しめる。ヒッチコック的な主題で遊びつつ、ライブ会場というある一定のルールに則った「限定領域」を存分に活かし、その個と状況との対峙においてミステリーを紡ぐシャマラン節は健在だ。主観を用いた語り口も相変わらずだが、通常なら「んなわけないだろ!」と突っ込みたくなる展開でも、ハートネットの存在感がハマっているので、それすらも楽しい。肩肘張らず、軽い気持ちで体感できるアトラクション的な快作。
天才的な対応力
シャマラン監督と聞けば見ずにはいられない。映画館でみるかどうかは置いといて、どこかで必ず見る。
さて、予告でわかっているからいいんだけど、この父親が例の殺人鬼である。
まさかの主人公が悪人。
ということは、この悪人が助かる過程をみるのか?と思ってしまう。
厳重に警備されたライブ会場をどう脱出するのか、いろいろと試行錯誤する過程が面白い。
いきなり天才的な抜け道を見つけるわけでなく、地道に探していくのがよい。
しかし、それにしても対応力が半端じゃない。
その時々で瞬時に最適解を判断していく。
その能力を他に生かせ。
途中からだいぶ場面が変わるのだが、それは賛否が分かれそう。
というかおれがあまり好きじゃない展開だった。
その代わり最後の最後のシーンは痺れた。これよこれ。
シャマランなのに………めちゃくちゃ面白い!?
M・ナイト・シャマランの新作というだけで、もう楽しみと不安が混濁してしまうような不可思議な気持ちを抱かせる。
こんな映画監督も珍しい。
M・ナイト・シャマラン監督といえば、これは「シックス・センス」の頃から一貫している事だが、シャマランは、恐怖の中で、家族への絆と愛を描く。
観客をさんざん怖がらせた後で、胸に迫る感動を残すのだ。これがシャマランのスタンスになっている。
なんだか早々にディスりな発言に思えるかもしれないが、デビュー作の「翼のない天使」から、プロデュース作品の「デビル」まで、全作鑑賞済みの自称シャマラニストである。
(一番好きなのは「サイン」)
もちろん本作も鑑賞した。
前半はめちゃくちゃ面白かった。
劇場スルーして、DVDで見てしまったが、本当に後悔したくらいだ。
それだけに、後半のなんでそんな展開にしちゃったんだろうって言う勿体無さが悔やまれる。
そして今回もしれっとシャマランが登場している。
これは流石にかばいきれんぞ
悪名高いレディ・イン・ザ・ウォーターだって幻想的で寓話的で好きだったのですよ。しかしなんじゃこれは?ストーリーが全然薄っぺらな上に設定もムリにムリを重ねて、あげくにうすーい演技のレディレイブン、イマドキの歌姫連れてきたのだねと思ったらなんと娘だと言うじゃないの。シャマランくんよもう君は終わりなのか?ついこないだミスター・ガラスという一大傑作をつくったじゃないか、あれが最後の花火だったのか?君の才能はもう枯れてしまったのか?でもエアベンダーだって私は見たんだよ、なんだったら続編をまだ待ってるくらいだ。だからもう君の遺作まで付き合うよ、どんなに駄作でも凡作でもシャマラン作品が見られるだけでよしとしよう。アジアの天才キム・ギドクはもう見られないのだから。
休憩多過ぎライブ…w
スリル満点でちゃんとおもちろい
劇場で観れなかったんですけど、GEOの100円セールで借りて観ました。
まず設定が面白い。↓
世界的アーティストを溺愛する娘とライブを楽しむ家族思いの父親のクーパーは、実はサイコな切り裂き魔だった。 会場を囲む異常な数の監視カメラと300人の警官。 3万人の観客を収容するライブは、クーパーを捕まえるための罠だった!
彼は八方塞がりのライブ会場から脱出することができるのか・・・。
クーパー視点でストーリーが展開されるので、警官に見つかりそうになったらドキドキする。
最初の1時間くらいはライブ会場からどう脱出するかっていうのがめっちゃ面白くて、ちゃんとした脱出映画になってます。
でも警察は無能っちゃ無能なのでそれ気に入らない人いるかも。
最後は捕まって終わるのかな?それとも逃げ切るのかな?っていうワクワクがあって面白かった。
ラストシーンはクーパーが護送車の中で手錠外すシーンはにやけてしまいましたね。
ラストシーンめっちゃ好き。
レディレイブン、いい人だなー。めっちゃ目がデカイ。 ていうか警察が...
クリスピー!
シャマラン作品は個人的に博打なので観る前からドキドキするある意味で貴重な作品。
いや〜いや〜
ツッコミ連発で消耗が激しかったかも。
良いパパンなのよ、クーパーは。
すごい楽しそうにライブ会場に行き、ライリーと手を取りながら笑顔で…
それが、本当に最初だけで後はずっとパパンの顔をしたシリアルキラーの顔なのよ。切り替え早くない?
娘そっちのけでずっと脱出方法を考えてるし、会場をウロウロしてるのは娘だけではなくこちらも不審を抱くレベル。まぁ、こちらの不安はそんな状態で脱出できるの?って事でやる事なす事すべてが行き当たりばったり。
ライブ中にこの下に潜ってバックヤードに探検に行こう!とか言われると、パパンキモい〜てなるよ。思春期だし。
そもそも、なんでライブ会場というトラップに入ったんだろう…しかも娘と。
監禁してる青年は誰だろうとか、シリアルキラーブッチャーとは何者なのか、目的はなんなのかとか観ていてずっとモヤモヤする。ずっと??状態。
情報はあっさり手に入れるが、何ひとつ実現されないとか逆にすごい。
ライリーのいじめっ子の母親とのシーンとかいるかな。しかも2回も。
3千人の観客の中から夢見る少女に選ばせるノウハウすごそうで全然すごくない。
この辺はかなりファンタジーなのでいっそのことえぇ?!そんな事!みたいなイリュージョンをもっとして欲しかった。普通に脱出したよ…
半ばで歌姫ターンくるけど、映像見せられても監禁されてる青年は全く見ず知らず。歌姫もそれを助けねばってなるのも良いけど、そんなあっさり信じなくても…
バービーちゃんみたいに顔は可愛いけど。
天下の歌姫がネットで監禁場所を探すってアイデアの為に使われてるよ。
クーパーも歌姫もFBIも心理捜査官も幻の母親も監禁青年も誰も彼もが共通点のない駆け引きをやっているのでどこにヤマが来るのか期待してても全く来ない。
歌姫対決でクーパー家に行くって、え?家族いるの?ってなったのは私だけではないのでは…妻と息子…?しかも立派なお家。こっちがオーマイガーですよ。
クーパー→消防士だから空き家いっぱい知ってますよ、シリアルキラーだから帰りは遅いですよ、切り刻みますよ、宝石じゃんじゃんくれますよ、母親はふんわり毒親っぽい、平和な家庭と2つの道を歩きたかったんですよ、なんか私は完璧!とか言ってるからイラッとなって歌姫殺害しようと思いましたよ、歌姫or妻を殺して自殺予定でしたよ。
どれもこれも情報がふわっとしていてクーパー=ブッチャーがあまり嵌まらない。
ブッチャーの概念が第三者目線だから。
歩みたかった2つの道の幸福な家庭の方も浮気を疑われ殺人鬼かも?と思わせる程にはボロを出しまくり。
パイなんて食べずに妻殺害して自殺すれば良かったのに結局逃亡とかなんだか情けない。
最後、不敵な笑みを浮かべるけれど手錠を外せたからってそこに至るまでなにも成功させてないので期待感もない。
自ら進んでトラップにかかりに行くスタイルのシリアルキラー。
可哀想なのはライリーちゃん。
1日で何回オーマイガー!を言ったことが…
ライブ中にテンション上がりすぎて倒れるのではとそっちの方が心配でハラハラした。
最高の1日が最悪の1日に…絶対病むよ〜
なんで最後に子供を連れてくるかな〜
最後にベラベラ喋ってたスタッフに、俺はこれから誰にも喋らねぇ!ってカット入れてたので、あぁこの作品はギャグなのねと。
シャマラン流どんでん返し!は薄いがエンタメ要素は濃いめで良作
途中までは傑作コメディ『シリアルママ』の様相で挙動不審な明らかに怪しすぎるジョシュ・ハートネットの右往左往を爆笑しながら観ていたが
中盤早々に「やっぱりお前かーい!」とツッコミつつ、そこからの展開はなかなかの小気味良いスリラーとなる。
なによりもシャマランの実の娘が歌姫として出演していることにも驚いたが「えらく良い役あげてるなぁ、でも流石にライブシーンだけか。」と思ってたら中盤主人公ばりの活躍を初めて横転。やっぱり監督も出てくるし、なんなら今回特に長めに映ってるやんけ!!
ポスクレにちょろっと笑いを入れてくるところもこれまでのシャマラン作品とか少し味変があって「心境の変化があったのかな?」と思ったりして。
兎にも角にもジョシュ・ハートネットの張り付いたような笑顔は恐ろしく、演技の幅を見せつけられ今後の作品が楽しみになった。
田中アリーナw
前半はいいが、後半で失速
ハリウッド発のサイコスリラー作品。
10代の娘ライリーと一緒にポップスターの Lady Raven のコンサートにやって来た父親のクーパー。途中でトイレに向かった彼は、会場のあらゆる場所が監視されており、会場の周りを多くの警察官が取り囲んでいることに気づく。どうやら連続殺人犯がここに逃げ込んでいてコンサート会場ごと「罠」にして犯人を捕まえようとしているらしいのだが、その殺人犯こそ実はクーパー自身で……。
という話は予告編でも分かるし、最初の5分で明らかになるのでネタバレにはならないだろう。焦点は、果たしてクーパーはライリーに悟られることなく会場から逃げ出すことができるのか、という心理戦になってくる。
話の展開がかなりご都合主義的な部分も少なくないし、コンサート開催中になんであんなにホールに人がいるんだろうとか、そこはそんなに無防備になるわけないだろうとか、思うところは結構あるのだが、こういう作品で細かいところにいちいち目くじらを立てるべきではないんだろうなぁ。
とは言え、もう少し細部にリアリティを持たせたらきっともっと良くなるはずなので、惜しいなとは思う。
どうでもいいけど、Lady Raven ならそれっぽく聞こえるけど、日本語で「カラス姫」とかするとめっちゃダサくなるな……。
面白いけれど期待したものと違う
シャマラン監督の特徴としてはやはりどんでん返し。実際はちょっと驚きポイントがある程度でどんでん返しと言えるほどの作品は少ないのだが、それでも期待してしまうところがある。
そのせいか本作に対して純粋な気持ちで楽しむことができなかった。
監督の娘が演じた歌姫がすごく頑張ることに違和感を覚えたり、主人公がマジシャンの如くスルスルと難を逃れたりすることに、何かトリックがあるのではないかと考えながら観てしまったのだ。
この作品全体に漂う違和感が、何かあるぞと告げている気がしたのだ。
種明かしはないけれど、余りの都合良さに主人公の夢という可能性はあるかと思うが、シャマラン監督は観る人の想像に任せる的な作品作りをしない人だと思うのでおそらく違うだろう。
そうなるとただ単にプロットアーマーの強い、普通のサスペンスだったのだ(ちょっとした驚きポイントは有り)。
普通に面白いサスペンスで、もちろん何も悪いことはないけれど、変に疑いの目を向けながら観てしまったせいでイマイチ気持ちが乗らなかった。
あれ?もう終わり?なんか普通のサスペンスじゃね?。観終わった直後の気持ちはこうだ。
振り返ってみて面白かったと思ったので評価は良くするけれど、なんか期待したものと違ったな。
ヒッチコック風
人気ミュージシャン「レディレイブン」のコンサートへやってきた父娘。
予算とエキストラを投じたコンサートは現実的な臨場感があったが、主役クーパー(ハートネット)はどこに居ても頭一つ分でかすぎて(191㎝)やたら浮いた。彼は娘のライリーがaを4つ、bを1つの好成績をおさめた褒賞としてレディレイブンのアリーナ席を奮発した。だが彼は不可解なことばかりする。何故なのか何者なのか、わからない。
でかくて怪しいにもかかわらず雑踏も警備もクーパーを気にしない。その間映画は完全に枝葉なシーンをいくつも見せる。全乳じゃなくて無乳糖ミルクだ、コンブチャじゃなくてハニーサックルコンブチャだ、と付き人に悪態をつきまくるゲストスターが出てくるし、ライリーのいじめっこの母親とコンサート会場で会うというどこへもつながらない枝話が挿入されているし、レディレイブンの夢見る少女というテイラースウィフトの22ハットみたいなシーンもかなり尺がとられているし、構成やクーパーの表情を追うカメラはヒッチコック的だし、なぜかヘイリーミルズがでていた。
レディレイブンは現実でもシンガーソングライターであるシャマランの娘Salekaが演じていて、シャマラン自身もコンサートスタッフ役で出てくる。
なんか雑多な情報が頭んなかで錯綜するこの映画の、特に前半ははっきり言ってすごく面白かった。ふつう映画は30分くらいすると、どこへ落としたいのかだいたいわかるがこれはわかりにくかった。
クーパーは実は殺人鬼の「ブッチャー」であり、サイコのアンソニーパーキンスのように存在しない母親の幻影に従属的であると設定されている。ヘイリーミルズはFBIのプロファイラーという役どころ。なぜかヘイリーミルズがでていた──と言ったのは唐突なキャスティングだと思ったので。ヘイリーミルズはポリアンナ(1960)で有名になったイギリス人なら誰でも知っている国民的子役。日本で言うなら小林綾子という感じだろうか。ヘイリーミルズはヒッチコックに出たかったけれど出られなかった俳優だった。シャマランがヒッチコック風映画に起用して願望を実現させた、のかもしれない。が、詳細はわからない。
わけがわかんない間はすごく興味深いが、だんだんすぼまっていく。この、すごくひきつけられたのに、結局すぼまって終わる曲線は同監督のオールドやノックにも似ていた。
批評はあまりふるわずImdb5.8、ROttenTomatoes57%と65%。明解なprosやconsが提示されない、どっちつかずな批評が多かった。
プロットの原点はパープルレインのようにサントラと映画が一体化したものだそうで、SalekaのアルバムTrapが同時発売されている。つまりシャマランの親馬鹿映画でもあった。
しかし映画の前半のなんともいえない感じはいい。古いスタイルのカメラワークで、なんか妙に焦点のあわない話をつむいでいく。役者ではクーパー妻役のAlison Pillがとてもじょうずだった。
ヘイリーミルズは1968年にTwisted Nerveという映画にでた。じぶんはそれを製作から20年後の80年代後期にVHSレンタルで見た。邦題は密室の恐怖実験。それからまた約20年後にタランティーノが映画中の口笛をkillbillでダリルハンナに吹かせて話題になった。Twisted Nerveはヘイリーミルズが子役からの脱皮をはかろうとした映画だった。おそらくミルズはヒッチコックに出たかったのだろう。だからTwisted Nerveにはヒッチコックへのアピールが感じられる。が「しかしねえヘイリーあいつは無類の美女好きなんだよきみも知ってるだろ」きっとマネージャーとそんな会話があった、のかもしれない。ハリウッドからイギリスへ帰ってきたヒッチコックがフレンジーを撮ったのは1972年だった。
シャマランの大味なトラップ
お馴染みシャマラン劇場。
今回の斬新ユニーク設定とはったりと驚きのどんでん返しは…
ズバリ言うと、無かった。
けど、近年の『ノック』や『オールド』と比べるとシンプルに面白かった。
シャマランにしては珍しいストレートなサスペンス。でも、ちょい変化球。
愛娘の為に大ファンのアーティストのプレミアチケットを手に入れたクーパー。
娘ライリーの頭の中は“ヨロコビ”や“カナシミ”じゃなく、そのアーティストの“レディ・レイヴン”の事でいっぱい。終始ウハウハ。
クーパーは消防士。親子仲は非常に良く、理想の父親。
父と娘、水入らずの最高の休日デート…になる筈だった。
ライヴ会場はすでに人でいっぱい。
クーパーは不審な点に気付く。
あちこちに監視カメラ。やたらと警官や警備員配置の厳重体制。
人気アーティストとは言え、物々し過ぎないか…?
ライヴが始まってもそれは変わらず。時々観客が警官に質問されたり、連れて行かれたり。何かあったのか…?
クーパーはひょんな事から親しくなったグッズ販売スタッフから超秘密事項ながら聞き出す。
この会場に、巷を騒がす指名手配の切り裂き魔“ブッチャー”がいるという。
その情報を手に入れた警察やFBIはある秘策を。
このライヴ自体が“罠(トラップ)”。誘い出し、いるのは確か。袋の鼠にし、特徴や目撃情報から絞り込み、観客の中から見つけ出すのだという…!
誰か、何処に潜んでいるか分からない切り裂き魔。
突然の魔手からクーパーは娘を守る事が出来るか…?
…なんてのをシャマランがそのままやる訳がない。
クーパーは動揺。実はクーパーこそ、その切り裂き魔であった…!
映画は見る側が主人公の視線になって、いかにして犯人の魔手から逃れるか、娘を守り抜く事が出来るか、犯人に立ち向かうかという所を、本作は主人公がまさかの犯人。
よって、いかにして警察の監視の目から逃れるか、娘や周囲に気付かれず、どうやってこの会場から脱出する事が出来るか、逆説視線なのがユニーク。
罪人は捕まり裁かれなくてはならないのに(しかも今、人質を一人ある場所に監禁している)、何故か犯人=主人公の立場になっちゃう。
出入口全てに警官が配置され、必ずチェック。ただでは出られない。
なので、一般出入口は無理。ならば、別の出入口。
会場スタッフに成り済ましたり、カードキーを盗んで、舞台裏へ。そこから抜け道を探す。警察やFBIや関係者が集まり、情報収集。
頭がキレるクーパー。ある秘策を思い付く。アーティストを利用。
レディ・レイヴンのライヴでは観客の中から“夢見る少女”が一人選ばれ、ステージに立って憧れのスターと一緒に歌い踊る。舞台裏にも案内される。
クーパーは関係者の中からレディ・レイヴンの叔父に接触し、直談判。難病を乗り越えた娘を“夢見る少女”に。
晴れて選ばれたライリー。憧れのスターと夢のような時を過ごし、最高幸せの絶頂。
一見、娘の為に尽力する良き父親。でも実際は…。このピンチを抜け出す為にあれやこれや奔走。その為には娘やアーティストすらも利用する保身一心。
関係者出入口から外へ。ところが、逮捕に執念を燃やすFBIはそこでも該当男性を厳重にチェック。ここも危うくなった。
しかし、もうそこから出るしかない。パス出来るのはレディ・レイヴン関係者のみ。
クーパーは大胆な行動を。
レディ・レイヴンに自分の正体を明かす。
スマホで今監禁している人質の動画を見せ、自分たちを関係者として一緒に外に出せ。さもなくばこの人質を殺す。
選択迫られたレディ・レイヴン。従うしかなかった。
まんまと警察やFBIの“トラップ”をかいくぐり、外へ。
凶悪犯が捕まらず、世に放たれ…否。もう一幕、大胆過ぎる展開に。
犯人視線云々ではなくとも、単純にサスペンスとして設定なども面白味やスリルあり。
娘思いの優しい父親である一方、本性は凶悪犯。ジョシュ・ハートネットが両面見せる巧演。
シャマランもレディ・レイヴンの叔父役でいつもながらちゃっかりワンシーン出演。何とレディ・レイヴンは、シャマランの実娘!
自分色やファミリーも出し、良くも悪くもシャマラン映画。
そう。“良くも”はエンタメ・サスペンスとして面白いが、“悪くも”はツッコミ所満載。
クーパー一人を逮捕する為にライヴ自体を“トラップ”にするとは幾ら何でも大掛かり過ぎ。
レディ・レイヴンや関係者やスタッフは了承済み。だけど、そうとは知らず訪れた観客たちって…。“トラップ”だけど、一応本当のライヴでもある…?
クーパー、ライヴ中にうろうろし過ぎで逆に不審。よく怪しまれず舞台裏に入れたもんだ。
タイトルにもなっている“トラップ”だけど、もっと何か仕掛けがあると思いきや、後は特にナシ。地道に探すだけ。これって名案…? ただ手間隙掛かるだけ…?
警察もFBIも何だかお間抜け。序盤でクーパーに秘密を喋っちゃったスタッフも然り。
バレちゃいけないのに、早々とクーパーに気付かれ、バレ、意味ないじゃん!
結局クーパーを取り逃がし。
そしたら、ただのお飾りだと思っていたレディ・レイヴンが大胆行動。
専用リムジンに乗せ、あなたたちの家を見たい。
今日一日信じられない事ばかりのライリーだが、またまた。レディ・レイヴンが家に来る…!
しかし、クーパーは警戒。
終盤はまさかまさか、レディ・レイヴンがたった一人でクーパーに立ち向かう…という意表を付いた展開になるが、そうとは言え、ライヴを終えたスターが警護も付かず、ファンのお宅突撃訪問!…なんてある?
母親も弟も大喜び。一曲サプライズして、仲良くなった所で、一瞬の隙を付いてレディ・レイヴンはクーパーのスマホを奪う。
トイレに立て籠り、人質に呼び掛け、目印になるようなものを特定し、それをSNSで伝え、情報と保護を。警察やFBIも向かう。
クーパーはブチ切れ。家族の前で化けの皮を剥がされ、正体も明かされ…。
人質は保護。クーパーは逮捕。事件は解決。
ハッピーエンドなんだけれど、大胆展開にちと唖然。シャマランよ、計算し尽くされた演出や構成はどうした…? 娘ヨイショ感も半端ねぇー。まあ、そんなヘッポコさも含めてシャマラン映画なんだけど。
警察やFBI視線ならば一件落着。クーパー視線ならばゲームオーバー。家族視線ならば…。
夫/父親が凶悪犯と知って衝撃…。特にライリーに至っては、最高の一日から大転落。ひょっとしてバッドエンド…? これで頭の中に“非行”なんて感情生まれなければいいが…。
逮捕されたクーパー。が、手錠を外し、ニヤリ。続編…?
最後の一幕がウケた。家に帰ってニュースを見るグッズ販売のあのスタッフ。
俺、やっちまった~!
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