誰よりもつよく抱きしめてのレビュー・感想・評価
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韓国の彼の方がいい
原作は未読。月菜が自分の夢より良城と一緒にいることや、ジェホンのアプローチや、良城と千春の行動や態度に、後半までずっとモヤモヤした。月菜と良城は支え合っているようで、実は相手に依存していたのだろうか。別れたことが、二人を前に進ませた。それなのに、数年間会っていないのに元の関係に戻るのは疑問。ハッピーエンドで終わるが、元の状態にならないだろうか。人は簡単には変われない。ジェホンと一緒にフランスに行った方が、月菜も良城にも良かったような気がする。ジェホンの絵本が好きな理由と、彼女と一緒にいても心が動かない訳が最後に分かり、やっぱりジェホンがいいと思った。
脚本と演技がしっくりこなくて、星3つ。
傷つき揺れながも繫がりを回復する秀作
潔癖症で恋人の手を触ることさえ出来ない男(良城)というマイノリティを巡る物語なのだが、可哀想な良城を何とか助けようとする女(月菜)の物語かと思いきや違った。
良城を見守っている月菜は、良城と同じ症状を持つ他の女(千春)と良城が屈託なく仲良くしているのを見て、嫉妬を抑えることが出来ない。
マジョリティであったはずの月菜は良城と同じ境遇の千春に疎外される。
韓国の料理人ジェホンが、月菜に猛烈にアプローチするが、そのジェホンのくらくらするような魅力に揺れながら必死に良城への想いをつなごうとする月菜は、千春と良城の罪悪感の無い振る舞いによって深く傷つけられる。
月菜は月菜でジェホンに抱擁される瞬間を良城に見られてしまう。
登場人物は全て思いやりに溢れ、優しく穏やかで、あまりに相手の立場をおもんばかるが故にすれ違いが重なる。
なんとゆう見事な展開であることか。
ジェホンの言動は強引で、歯の浮くような台詞も多く、無理があるように見えながら、観客に彼がただの軽い遊び人とは見せない。大した演技力と演出。
ジェホンのその本気は最後にきちんと回収される。
優しさと思いやりに溢れていても人は人を傷つけることから逃れられない。
この映画の素晴らしさは、その悲しみで終わらないところだ。
自分を生ききることが繫がりを回復させる。
温かい映画だ。
絵本が補助線となって優しく観客を導く。
欲しくなった。
これは必ず見るべき映画となった。
ミッドナイトスワンの内田英治氏の作品 なるほど!
幅広い年齢層の方にオススメ!
誰よりもつよく抱きしめて
好きなタイプの映画です。
単なる恋愛映画じゃなく人間らしい映画
凄く良かったです♡
冒頭から涙
また観たくなりました
主役お二人の演技も、もちろんよかったですが、絶妙のタイミングに空の風景…
ビハインドの音楽…
ちょっと展開の早い所もありましたが、あと何回か細かい所も見てみたいと思いました。
BE:FIRSTさんの「誰よりも」が素晴らしく、聴くたびに情景が思い出されて、胸が締め付けられます。
監督さん含め、みなさんの次回作品に注目したいです
ヒューマンストーリー
恋愛ものかと思ってみた、軸は2人の恋の行方だったけど、登場人物それぞれが抱えてるものがあり、どう受け止め、乗り越えていくのか1人一人の心情が空と海の対比に合わせて見ていて涙が途切れなかった。2時間あっという間で、主題歌も合わせて世界観に入れた映画だった。その後の続編がみたい。
内面的な問題を和らげるためのものは、いつしか殻となって、別の問題を生み出してしまう
2025.2.13 MOVIX京都
2025年の日本映画(124分、G)
原作は新堂冬樹の同名小説(光文社)
潔癖症によって関係が悪化するカップルを描いた恋愛映画
監督は内田英治
脚本はイ・ナウォン
物語の舞台は、神奈川県鎌倉市
絵本作家としてデビューしたばかりの水島良城(三山凌輝)は、絵本屋で働いている恋人の月菜(久保史緒里)と学生時代からの縁を続けていた
だが、良城は極度の潔癖症になってしまい、今では手を握ることさえ出来なくなっていた
次回作もなかなかまとまらず、苛立ちだけが募っていく
ある日のこと、月菜の店に韓国人のイ・ジェホン(ファン・チャンソン)がやってきた
ひと通り絵本を見て回ったジェホンだったが、その店にスマホを忘れて帰ってしまった
月菜はそれを託され、どうしようかと悩んでいると、不意にそのスマホが鳴り出した
月菜は本人が気づいてかけてきたと思って出ると、いきなり女性の声にて「別れ話」が始まり、話し終えるとあっさりと切られてしまった
物語は、本人と連絡が取れてスマホを返すところから動き出す
月菜は恋人らしき人から電話がかかってきたことを告げると、その内容を聞く口実で食事をしようという流れになってしまう
ジェホンはビストロのシェフをしていて、月菜は彼の店に招待された
そして、月菜は恋人の言葉を伝えるのだが、ジェホンは「そこには愛はなかった」と告げるのである
さらに映画では、月菜の紹介にて、心療内科に行くこと良城が描かれ、そこで良城は自分と同じ悩みを持つ千春(穂志もえか)と出会うことになった
カウンセリングの一環でグループミーティングが行われたのだが、そこで意気投合した二人は距離を近づけていく
そして、その様子を見てしまった月菜は「自分には見せないもの」が良城にあることに気づき、それが「我慢をしてまで自分を一緒にいることはない」という良城の言葉へとつながってしまうのである
恋愛の障壁としての「接触できない」というハードルも、良城と千春の間では越えられない壁になっておらず、それが月菜を苦しめることになっていた
同じようにふれあえなくても、心を通じ合わせることができるのだが、それは見えている世界が同じだからだと思う
だが、ジェホンとの関係が進んでも、良城と同じような距離感は残ったままで、肌がふれあったとしても、それは解消できるものではなかった
この距離感が残ってしまうのは、誰しもが「自分」を相手に押し付けているからであり、対話そのものが足りていなかったりする
良城は月菜の気持ちを自分で規定しているし、ジェホンも自分の気持ちをぶつけるだけで、月菜がどうしたいかを選ばせる余地をなくしている
それに対する千春はフラットな感じになっているが、良城は悩みを打ち明ける相手という感じて、心底から渇望するような愛情までは感じていない
いろんな障壁がそこにあっても、良城と月菜の中には確信的な何かがあって、それが恋愛の強さだと言えるだろう
だが、渦中にいる二人はそれに気づかず、離れることによってのみ、惹きつけられる何かの正体に気づいていくのである
いずれにせよ、絵本が物語の推進力と理解度に関わっているので、劇中でも読み聞かせのようなシーンは多い
モジャは外見的な特徴で他人とふれあえないのだが、良城は内面的な問題を外面的なものと置き換えようとしているようにも思える
内面的な問題の解決には時間を要するのだが、ある日突然起こるように、ある日突然終わるものでもあるように思う
それを終わらせるのが喪失だとしたら、その距離が絶望的であればあるほどに、引力は強くなり問題を矮小化させるのかもしれません
良かったですが
エンディングのヨシ君があの病気をどうやって克服したかを見たかったですね。月ちゃんの事を思って如何に頑張ったかを彼女に伝えて欲しかったですね。まどろっこしい展開もありましたが、まずまずでした。
類は友を呼ぶ 潔癖は潔癖を…
カメラワークの妙技が際立つ映像ととてもいい演技演出
前情報なしに、ちょうど時間があったので、
「もしかして安っぽい恋愛ものかも…?」と少し不安に思いながら観ましたが、
いやいや、これは本当に素晴らしい映画でした。
演出もさることながら、カメラワークが圧巻。
「人の心理を映像で表現するとは、まさにこういうこと」と思いながら見ておりました。
視聴者にカメラの存在を意識させないことこそ、究極の撮影だと考えていますが、
この作品は、撮影部と照明部の卓越した技術なしには、ここまで深く物語に没入できなかったでしょう。
ストーリーも決して安直なものではなく、
人間の心理の奥深い部分を丁寧に描き出した、見応えのある内容。
アイドル俳優たちも、単なる「アイドル」ではなく、まさに「俳優」として魅せてくれます。
一見地味な印象の作品かもしれませんが、
映画としての本質が詰まった、まさに“映画らしい映画”。
ぜひ、多くの人に観てもらいたい一作です。
潔癖症
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