「普通であることの悦びを感じる」誰よりもつよく抱きしめて ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
普通であることの悦びを感じる
カミさんと娘がBE︰FIRSTをメチャ推してまして、本作品も公開前から大騒ぎでした。
でも、自分が好きな映画は必ず推してくる娘が何も言わなかったので、その程度の映画かなって思って、映画館へは行きませんでした。 ただ、周りで騒いでいたので、興味だけは残っていて、今回の鑑賞に至りました。
う〜ん、微妙ですね。 過度の潔癖症で、人に触れることができない男との恋愛話です。
確かにハグしたり、キスすることも出来ない恋愛は、お互いに確かめ合うことが出来ないっていうジレンマがあるのかもしれません。変なことで嫉妬深くなってしまうのもやむを得ないのかもしれない。
ただ、その特異な状況が、あまりに特別すぎるので、共感出来ない自分がいました。触れることが出来ないという辛さは理解できても、自分の身に起こり得ない事なので、危機感まで感じることはありません。蚊帳の外の話で、全く感情移入することが出来なかった。
【ネタバレ】
過度な潔癖症を演じた三山さんも、その彼女を演じた久保さんも、非常に好感が持てました。お互いがお互いを思いやる純粋に恋するカップルを魅せられた気がします。
そんな2人が触れ合えないことに対し、可愛そうだなって気持ちは、重々感じられたんですが・・・
ごめんなさい。共感までは行かなかった。
結局、二人には別れるという運命しか無かったように展開していったんだけど・・・あのラストは何?
如何にもなミスリードを誘う親子のような見せ方。
おい、おい、おい、何であんたが結婚してるんだよ的な安易なご都合主義。
なんでそうなるの的な突拍子のないその後の話。
そして、ラストカットは手を差し伸べる彼の手を取る彼女・・・
ハッピーエンドには違いないんだけど、何か腑に落ちない。
えっ、普通のカップルになっただけじゃないの。
エンドロール、「誰よりも」はホンっと大好きな楽曲で、カラオケでもよく歌ってます。
本作で一番満足したのはこれかな。
共感ありがとうございます。
食材を洗剤で洗わなければ気が済まない相手と復縁するのは、どれだけの症状改善と時間が必要なのか?と思いますね。
同病相憐れむ彼女とはどうなったんでしょうね。