「当事者目線では現実的ではないが、選択の先に希望があってもいい」誰よりもつよく抱きしめて あおねるさんの映画レビュー(感想・評価)
当事者目線では現実的ではないが、選択の先に希望があってもいい
色んな作品を観て久保史緒里さんのお芝居が好きで気になっていました。
あらすじを読まずに鑑賞したため、ポスタービジュアルは儚げでしたが、割と雰囲気明るめのラブストーリーだと思っていました。
蓋を開けてみると、非常に考えさせれる作品でした。
というのも僕自身が強迫性障害だからです。
強迫性障害というのはまだまだ理解が進んでいない部分もあり、人によって出る症状も異なるため、難しい障害です。
僕の場合は強迫観念から手を必要以上に洗う。鍵の開け閉め、火を消したかどうかなどの確認行為を繰り返し行う。買った順番や発売順に並んでいないと気持ちが悪い。こういったものがあります。
あくまで僕の例なので、色んな症状があります。
序盤でこの作品の内容を知った時、鑑賞を止めるかどうか悩みました。
共感できる部分がありつつも、主治医からは基本的に強迫性障害同士の交流は行動が引っ張られてしまう可能性があり勧められていなかったためです。
しかしこの二人の行く末が気になりました。
正直なところ強迫性障害というのは簡単に治る症状ではないのが現実です。
自分では向き合っているつもりでも強迫観念が勝つため、家族との暮らしも簡単ではありませんし、家族も一旦僕の症状が始まるとただ落ち着くのを待つしか術がないため困らせてしまいます。故に同じ症状を持つ人とは共感し、理解してもらえないと途端に自分が情けなくなる彼の気持ちは痛いほど伝わりました。
生きるのって大変です。それに寄り添う人も決して楽ではありません。
あまり現実的とは言えない結末ですが、物語として、彼女が選択した道、彼が選択した道のそれぞれが交差した先に、こういう希望があってもいいと思いました。