「あっぱれ! 貴女は生まれ代わる」ザ・ルーム・ネクスト・ドア ソルトさんの映画レビュー(感想・評価)
あっぱれ! 貴女は生まれ代わる
アルモドバルが今回取組んだテーマが尊厳死で、末期(確かレベル3)という友人の死に付き添おうとする作家が主人公になる
ジュリアン・ムーアはさすがに存在自体で役にはまっているが、前回鑑賞したメイ・ディセンバーとは真逆のキャラクターで、死にゆく友人に自分を抑えて寄り添う
対してその末期の友人のティルダ・スウィントンは一人では死にたくない、人の息遣いがする空間で最後を迎えたいという考え ウーンと唸ったのはそれはわがままなのか?自分らしい死を迎えたい意思自体は分かるが、他者を巻きこんだこのドタバタぶりにアルモドバルの皮肉が込められていそうだと思った
自作で生い立ちや母への郷愁をあれほど繰り返した監督が、そのことを悲嘆場だけで済ます訳が無い その答えはラストのスウィントン二役の娘の登場で完結した
死にゆく女性は友人を利用し、娘とは疎遠とのたまったとしても、見事にその精神は引き継がれ、まさに生まれ変わって登場する 男にはまさに出来ない芸当 あっぱれとしか言えない まさに女性万歳がテーマだと気づいた時、アルモドバルらしいアメリカ映画なのだと納得した。大好きな所以なのだ
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