劇場公開日 2025年2月8日

「映画という映像作品」ハイパーボリア人 Zettoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5映画という映像作品

2025年2月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

本作品は、チリの歴史をベースとした作品だ。

[物語として]
まず初めに、私はこの作品を見るまでにチリの歴史に明るくなかったことを反省したい。

このレビューをお読みの方は、
ミゲル・セラーノについてお調べになってからの鑑賞を強くお勧めしたい。

物語は“元精神科医の女優が、失われた映像作品のフィルムを探す”ことが目的として始まる。
予告編にある通り、まさに闇鍋な物語を体感できるが、その実は歴史との向かい方を映画という手法を用いて行なっているように感じた。

[芸術作品として]
本作品は、ストップモーションやアニメ、大小様々な道具が、舞台装置のように所狭しと使用される。
映画を通して見えているモノや人が、生ている人間かアバターなのか、それとも...

映像表現の方法は、シーンを切り取ってしまうと一見安っぽさを感じるが、それが一本の映画となるとまさに創作者の執念を垣間見る。

鑑賞中の没入感が強く、
映像作品体験として楽しむことができた。

このような作品が映画として出てくる事が、
混沌とした時代をより表現できていると感じる。

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Zetto