ジュ・テーム、ジュ・テームのレビュー・感想・評価
全7件を表示
Into the Abyss.
A campy sci-fi picture that carries surprising weight for its short runtime. With a fragmented storyline like conteporary Godard, the film shares the same ethereal quality as later works like the low-budget Primer or any mind-bending puzzle Christopher Nolan might have crafted. With its theme of suicide, it becomes a melancholic descent into Hades—a kaleidoscope of time, life, and death.
タイトルなし(ネタバレ)
「時間」を研究とある施設。
タイムトラベル実験の被験者として選ばれたクロード(クロード・リッシュ)、彼は自殺未遂から生還した男だった。
実験は、一年前のある時間に1分間だけ戻ったのちに生還するというものだった。
戻った先は海辺。
恋人カトリーヌ(オルガ・ジョルジュ=ピコ)との楽しい日だった。
だが、装置の故か原因は不明だが、何度も何度も過去を行き来することになる・・・
といった物語で、『二十四時間の情事』『去年マリエンバートで』とあわせて、アラン・レネ監督記憶三部作ともいうべき作品。
タイムトラベル映画だと、過去の出来事を修復するなどのドラマが用意されているのが通常だが、本作では至短時間のため、過去の記憶をなぞるに過ぎず、さらに、辿り着く過去も制御出来ず。
恋人との関係ははじめは甘美だったが、そのうちに倦怠が訪れ、恋人は自殺のような事故のようなことで死んでしまう。
喪ってから恋人の大切さに気づき、やるせなさが募った上での、クロードの自殺未遂だったことが、断片を通じてわかって来る。
が、それがドラマとはなっていない。
クロードが最後に辿り着くのは、自殺未遂の刻。
結局のところ、クロードは自殺を完遂するので、彼の時間旅行は、死の直前の走馬燈の如き記憶の洪水だった。
「あらかじめ死んだ男」「二度死んだ男」といった、切ない怪奇譚の趣があるも、ちょっと「子どもだまし」的な感じがしないでもない。
個人的には、嫌いになれない類の作品。
アラン・レネの方丈記
記憶の断層に沼ってく
時をかける少女、もといオッサンが何回もタイムリープする。
ジャンヌディエルマンを思い出した。
日常生活の繰り返しに潜む、分岐点。裂け目。
主人公が本の校正をする仕事、という設定がふるっている。文章は、どこで句読点を打つかによって全体の意味が変わるわけ。
まさにこのドラマは自分の記憶という一冊の本を1ページずつ、行きつ戻りつ再編集するような仕掛けだから。
既知の世界に再来訪したために、
あらゆるパターンを知ってしまうのは非常につらいもんだ。忘れるから、また明日を生きていける。
記憶が積み重なるから、
抱え込む苦しみは、より重たく。
さすがは、マリエンバートの監督だ。
スタイリッシュな画面が素晴らしい。
しれっと見せる。
大袈裟な音楽、たたみかける展開はしない。
惑星ソラリスのように、これからもずっと、
脳内にまとわりつきそうだ。
無限地獄
全7件を表示