「ああ、僕が笑わせて遣りたい」国境ナイトクルージング La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
ああ、僕が笑わせて遣りたい
北朝鮮と国境を接する中国・延吉で出会った二人の男性・一人の女性の寄る辺ない日々を描いた物語です。3人それぞれが夢破れた過去・思うに任せぬ日常に苛立ったり立ち止まったりしています。
まず、この女優チョウ・ドンユイさんに目が吸い寄せられてしまいました。彼女は『少年の君』(2021)で初めて観て強く印象に残り、『ソウルメイト』(2021)、『ボーン・トゥ・フライ』(2024)と、スクリーンに登場するたびに「あっ」と声を発しそうになり視線がそちらに行きます。中国的なベッピンさん女優とは一味違う個性です。
だから、本作でも彼女がずっと不機嫌な顔をしていると、観ているこちらが「ああ、なんとか彼女を笑わせて遣りたい」と思ってしまう程でした(それは、僕だけかな?)。
物語は、多くを説明しないが故に却っていつまでも後味が口の中に残る様な印象でした。「説明しない事が魅力の映画」と「説明不足でイライラする映画」の違いは一体どこにあるのでしょう。僕には未だ分かりません。
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