「【鬱屈を抱えた男女三人が数日を共に過ごす中で過去と決別し新たな明日への一歩を刻む姿を美しいショット多数で描き出した作品。アンソニー・チェン監督は岩井俊二監督作品が好きではないかと思った作品でもある。】」国境ナイトクルージング NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【鬱屈を抱えた男女三人が数日を共に過ごす中で過去と決別し新たな明日への一歩を刻む姿を美しいショット多数で描き出した作品。アンソニー・チェン監督は岩井俊二監督作品が好きではないかと思った作品でもある。】
■登場人物
1.ハオフォン:母からの過大な期待により、心療内科に通う上海のエリートサラリーマン。
演者:リウ・ハオラン:久しぶりに拝見したが、良き俳優である。憂いを帯びた姿がとても良い。
2.シャオ:故郷を飛び出し、北朝鮮との国境沿いの延吉のサービスエリアでコックをする男。
演者:チュー・チュー・シアオ:初鑑賞だが、雰囲気が良い。
3.ナナ:足の怪我が元でフィギュアスケート選手生活を断念し、今はバスツアーガイドで生計を立てている。故郷を出て3年が経つ。
演者:周冬雨:ハッキリ言ってファンである。
家人の(多分、一人前)のガールフレンドに雰囲気が似ているから。中国では”13億人の妹”と呼ばれているそうだが、日出処の竹野内豊似のオジサンの妹にならないかい?(嗚呼!今、私のフォロワーの方が100人ほどフォロー解除をした音が聞こえて来ました・・。)
◆感想<Caution!内容にやや触れています。>
・物語は比較的淡々と進むのだが、独りで上海から来たハオフォンと、それまで顔見知り程度だったシャオやナナが、ハオフォンがスマホを失くした事がきっかけで仲が良くなり、共に過ごす姿が自然な描写で映されており、且つ雪景色も透明感溢れる映像で、良いのである。
そして、ハオフォンの時計が4時45分で止まってしまうシーンを短ショットで映す技法もナカナカだった。(彼の厳しい現実が止まった事を暗喩していると思ったな。)
特に北朝鮮との国境を流れる凍てついた豆満江で人々が遊ぶ中、ナナがフィギュアスケートをする幻想的なシーンや、3人で雪の長白山に登るシーンは良い。
・ナナがハオフォンに心を許し、身体を預けるシーンはハラハラドキドキしたなあ。美しい女性の裸体は若い頃から結構見ているので(イタタ、石を投げないで下さい!)、オジサンは周冬雨さんの裸体よりはあの素敵な笑顔が見たいのだよ。
・シャオのバイクに3人乗りで小柄なナナを守るようにハオフォンと街の雪道を走るシーンもロードムービーのようで有ったな。
と言うか、この映画自体が一種のロードムービーじゃないかな。
<で、レビュータイトルにも書いたが、今作は”鬱屈を抱えた男女三人が数日を共に過ごす中で過去と決別し、新たな明日への一歩を刻む姿を美しいショット多数で描き出した作品。”だと思ったな。
あとは、雪景色の映し方も綺麗で、何となく岩井俊二監督の”Love Letter"を思い出したな。
それにしても、周冬雨さん(本名なのかな。素敵な名前である。)のぶっきら棒であったり、可なり酔っ払ったり、そして何よりも笑顔が素敵な作品だったな。まあ、私は周冬雨さんのファンだからねえ。(クドイ!)>
コメントありがとうございました。周冬雨さんのおすすめの作品拝見します。韓国版の「ソウルメイト」が好きで原作を見たいと思っていましたが、そちらにも出演されていたので楽しみに観ようと思います。