劇場公開日 2024年10月18日

「陶芸家が焼く陶器の様な作品作り」ECMレコード サウンズ&サイレンス La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)

陶芸家が焼く陶器の様な作品作り

2024年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 一世を風靡したキース・ジャレットの「ケルンコンサート」を始め、ジャズ・クラシック・民族音楽・ワールドミュージック等、精緻な音作りを進めるECMレコードの創始者マンフレート・アイヒャーの活動を静かに記録したドキュメンタリーです。ナレーションも説明字幕もなく、リハーサルやレコーディング風景、ジャケット選定、ミュージシャンたちの思いが淡々と映し出されます。

 先に観た「BLUE NOTE」では、(そんな単純ではないのでしょうが)スタジオに集まったミュージシャンが「いっせのせ」で録音して、小切手貰って帰り道に酒を飲むというイメージだったのに対し、ECMの録音は、陶芸家が慎重に陶器を焼き上げる様に神経を研ぎ澄まして時間と手間をかけて音作りを進めるのが分かります。何度もダメだしして演奏を練り上げて行くのですが、僕にはどこがダメでどこが良くなったのかすらも分かりませんでした。自分が納得行った作品だけを世に出したいと言う創作の苦しみと喜びがあり、それを味わう事が出来るのは選ばれた人だけなんだろうなぁ。

La Strada