劇場公開日 1993年4月

「【”人は誰でもヒーローになる内なる資質がある。”今作はマスコミに作られたヒーローと、息子を愛するヒーローとを描く真のヒーローとは何かを描いたシニカルコメディである。】」靴をなくした天使 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【”人は誰でもヒーローになる内なる資質がある。”今作はマスコミに作られたヒーローと、息子を愛するヒーローとを描く真のヒーローとは何かを描いたシニカルコメディである。】

2025年3月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

知的

幸せ

■コソ泥で保釈中のバーニー(ダスティン・ホフマン)がハイウェイをドライブしていると、目の前で飛行機が落下する。
 機内から嫌々ながら54人の負傷者を救出した彼は、乗客の財布を取って姿を消す。
 彼は救助中に片方の靴を失くしてしまい、知り合いのホームレス、ババー(アンディ・ガルシア)にその靴を上げてしまうが、機内に残された靴から、ババーは54人の命を救ったヒーローとして、マスコミに大きく取り上げられ、100萬ドルを貰う。
 だが、偶々、事故機に乗り合わせていて、顔中泥だらけの男に助けられた敏腕テレビレポーターのゲイル(ジーナ・デイヴィス)は彼の行方を追う。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・今作は、基調はマスコミのヒーローをでっち上げたがる体質を揶揄しながらも、それをシニカルな笑いに変えている。

・バーニーも、行為自体はヒーローだが、彼の行為は”仕方なく人助けをする”と言う彼の元妻が言う性格に寄るモノである。

・一方、マスコミに作り上げられたヒーローであるババ―も、弱者救済のためにヒーローとして、頑張るのである。但し、彼の中では葛藤があり、最後は本当の事を書いて飛び降り自殺しようとするのである。

・そこに現れたバーニーは、彼と取引し、息子への進学資金融資を頼む代わりに、本当のことは言わない約束をするのである。

<ラスト、息子と動物園に行ったバーニーの所に”ライオンの檻の中に人が落ちた!”という叫び声を聞いて、ヤレヤレという感じで、バーニーが助けに行く様がクスリと笑えるのである。
 今作は、マスコミに作られたヒーローと、息子を愛するヒーローとを描く真のヒーローとは何かを描いたシニカルコメディなのである。>

NOBU