少年と犬のレビュー・感想・評価
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主役犬、西野七瀬、好演! 震災のリアルな空気感が良かっただけに、ファンタジー要素が不要!
少年と会うために、岩手から熊本まで旅した犬の物語。
2つの震災が大きな軸になっている。
闇の仕事をしている青年、過酷な生活から罪を犯した女。
震災の現実と、つらい人生を送る厳しい現実。
彼らが、犬と出会い旅しようとすることで、生き方を変えようとする。
その生き様を感汁作品だけに、後半、ファンタジーになってしまうのが本当に残念。
そこまでのつらいリアルが、急に絵空事になってしまう。
また、本作も予告編でポイントとなるシーンが見せられ、ほとんどそのままの話だった。
まあ、幽霊話は隠されていたが。
主役の犬が好演。
そして、ヒロイン西野七瀬が、刑務所出所前後で表情、顔が全く変わる。
犯行前の追い詰められた顔とは対照的に、出所後は実に穏やかにふっくらとした表情に変わっていて、その語り口も含めて良かった。
多聞はあくまでも狂言回し
長年映画を見てきた私の持論として、「映像化されたものを見て面白いと感じたものは原作を読んでもおもしろい」「原作を読んで面白く感じたものの映像化は期待を裏切られることが多い」です。多くの人が感じてらっしゃるとは思いますが。
この「少年と犬」は私にとっては後者でした。もちろん原作と映像化されたものは全くの別物だという認識はありますが、原作では「幽霊」も「出所女囚の思い出語り」もありません。もちろん彼と彼女の出会いもありません。そういう意味では全く違う印象を受けました。
ただ、原作では「多聞」は狂言回しであり、多聞と出会った人が人生が変わるということはなく、多聞が出会う人達は「死」をむかえ、そして多聞はまた旅を続けるというものでした。嫌な言い方をすれば多聞こそが「疫病犬」であった感じは否めませんでした。もちろん多聞になんの否もありませんが。
原作のように
「男と犬」 - 東日本大震災で被災した宮城県仙台市を舞台に、窃盗団に手を貸す和正と多聞が出会う。
「泥棒と犬」 - 窃盗団の一員であるミゲルが、多聞とともに新潟県に向けて逃走する。
「夫婦と犬」 - 富山県に住む中山夫婦が多聞を拾う。
「娼婦と犬」 - 滋賀県で娼婦の美羽が多聞を拾う。
「老人と犬」 - 島根県で猟師を営む弥一が多聞を拾う。
「少年と犬」 - 熊本県に住む内村が多聞を拾い、家族で飼うことを決める。
と、一つ一つのエピソードとして描いても良かったかな。
なお「多聞」とは仏教用語で “正しい教えを多く聞き、それを心にとどめること。” だそうです。
一体誰の話なんだか。少年と犬より、娼婦と犬の話が前面かと思う。
寒さと暖かさが交互にやってくる季節。
気がつけば もう春分。ウグイスもすっかり歌の練習が花盛りのようで。
目下世間は、花粉と雪の舞う洗礼を受ける 今日この頃。
と言う訳で
今日は「少年と犬」を観ましたよ。
この作品の原作:馳星周さんで、短編集なんですね。
犬の名前は多聞(タモン)。
①「男と犬」東日本大震災の宮城県仙台市、窃盗団運転手の和正と多聞の出会い。
②「泥棒と犬」窃盗団一員のミゲル、多聞と新潟県へ逃走。
③「夫婦と犬」富山県の中山夫婦と多聞の出会い。
④「娼婦と犬」滋賀県の娼婦美羽の多聞の出会い。
⑤「老人と犬」島根県の猟師弥一と多聞の出会い。
⑥「少年と犬」熊本県の内村が多聞と出会い家族で飼う。
この映画では、話が融合されてかつ変えてありまして、
①②④⑤⑥の基本的流れとなってる様です
東北震災と津波、そして熊本の震災に繋がってます。
途中の④娼婦と犬、これがメイン的な描き方と成ってい居る様に感じますね。
少年と犬・・・ それ以上に 娼婦と更生でしょうか。
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・監督:瀬々敬久さん
・中垣和正(宮城 窃盗団運転手):高橋文哉さん、途中自動車事故死。
・中垣麻由(宮城 和正の姉):伊原六花さん
・須貝美羽(滋賀 娼婦デリヘル):西野七瀬さん、殺人犯、刑務所更生
・片野弥一(島根 猟師):柄本明さん
・内村徹(熊本 光の父):斎藤工さん
その他大勢、色々な個性ある俳優陣で固めてます。
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全体的に通してですが、期待値より下がった感動でした。
犬が通して絡んでますが、 無理やり感は否めない。
どっちか言うと デリヘル嬢の美羽の訳アリ背景と殺人、山中遺棄
自首、刑務所更生って言うのがメインな感じします。
犬と、事故死霊の和正が語って行くけども
観ていて どうももう一つな感情で弱い気がします。
図鑑の少女との絡みも 弱いかな。
感情の流れに盛り上がりが欠けている様に感じますね。
一番良かったのは、西野さんの出所後の場面全体でしょうか。
スッピンと少し髪癖がある姿で人生やり直すって言う場面は
良かったと思います。
それと、滋賀の背景観が美しいと感じました。
熊本での光君との犬との待望の再会がメッチャ ワザとらしく
感動不可に陥り、そしてその後地震と犠牲って言われてもね。
子供に罪は無いけども 再会はもっと凄く嬉しそうにしないと
演出ちょいと弱いと思います。
その点からすると、
圧倒的に西野さんの映画に成っちゃってましたね。
そう思います。
興味ある方は
劇場へ。
タイトルは「窃盗団の運転手と犬」か「デリヘル嬢と犬」の方が良かったでしょう‼️
一匹のシェパード犬・多聞が大切な人に再会するため、5年の歳月をかけた岩手から熊本までの旅路を描く‼️そう聞けば、感動作の匂いがプンプンするんですが、なんともバランスが悪いというか、焦点がボヤけた映画‼️まず語られるのは東日本大震災後に窃盗団の運転手をしている青年・和正のエピソードと、滋賀県でヒモ男を殺害してしまったデリヘル嬢・美羽のエピソード‼️多聞が寄り添う、この二人のエピソードがかなり時間を割かれていて、二人は口を揃えて「多聞は常に西を見ている」とか言う‼️そして和正はトラックにハネられ死亡、美羽は刑務所へ・・・‼️イマイチ多聞の行動が意味不明のまま、事情が分からぬまま物語は進み、終盤になってようやく岩手で飼い主に連れられた公園で遊んでくれた光という少年が登場‼️この光と多聞の描写が一目惚れみたいなアッサリした描写のため、イマイチ感情移入できないし、なぜ多聞は光が西に行った事を知ってるのか⁉️動物にはそういう不思議な力がある⁉️まぁそういう事にしておきましょう‼️もう少し、とっかかりである光と多聞の交流をしっかり描かないと説得力がないですよね‼️挙句に和正に「シックス・センス」させたりして、この作品の方向性がまったく見えない‼️柄本明さんのエピソードも必要性をあまり感じない‼️瀬々監督だからこれぐらいの出来ですけど、他の監督だったらもっとヒドい出来だったでしょう‼️ちなみに私は大の犬好きです‼️
終盤が....
原作は未読です。
犬や猫が一匹いるだけで家族に潤いが生まれるというのは統計的に本当の話で離婚率も下がるそうだ(関係ない話だけど)。
和正や美羽、さらには熊本に移住した家族までも多聞の存在が人生に潤いを与え希望も見出していく様は素晴らしい。
そしてそれは長くは続かないのだが....。
ただ終盤の死んだ和正の幽霊が美羽の元に現れるのは原作もそうなのか?
個人的にはあれがあったことで物語のリアル感が薄れてしまった気がして残念ではある。
主演の高橋文哉の若々しい演技と西野七瀬の出所後の力の抜けた演技は良いと思った。
少し期待外れ
でも、劇中、嗚咽寸前泣きました。なんていうんだろ、小説をコンパクトにするとこういう感じになるのか〜って、映像と小説での想像と見ながら頭の中が交錯していました。もう少し多聞に焦点を当てても良かったかな〜と思いました。とでも賢そうな犬でした。先月愛犬を亡くしたので、情が移ってしまいました。多聞がなくなり、少年が多聞は心の中で生きていると言ったとき、本当にその通りだなって感じました。また、小説とは少し違っていたけど、再生のメッセージが強く含まれていて、人生を諦めていた西野七瀬がこれから強く生きて行こうとするストーリーは良かったです。波乱万丈の役を自然に演じきった彼女の芝居に感嘆しました。一番輝いていました。ファンになりましたこれからも素敵な女優として頑張ってほしいです
脚本がしくじりましたね😓
一歩間違えば、4.5も付けられたはずなのに、脚本が間違えたせいか、凡作になっちゃったって感じですね😢
今まで西野七瀬出演のドラマや映画でいいと思ったものがありませんでしたが、今作品の西野七瀬はメチャクチャよかっただけに、尚更、残念感が半端ないです😣
ストーリーが前半から中盤まではメチャクチャよかったのに、何も文哉君を途中で意味なく殺さなくてもいいのに殺しちゃうから、そこから先がほとんど頭に入ってこなくなりました😭
せっかくのクライマックスも感動が半減どころか、25%ぐらいに😖
柄本明もあんな薄いエピソードにするならいらんし、出すならもっと濃いエピソードにしなきゃ意味ないしで😮💨
伊藤健太郎はあの件でイメージガタ落ちで、当分はこんな役ばかりしか来ないんでしょうね😌
ターニングポイントはハチ女
あのはっちゃけた演技で何かをつかんだのか、最近の西野七瀬さんは演技も大分洗練され、今回も体当たり演技で頑張っており、女優西野七瀬として着実にステップアップしていると思います
本編については予告を見て想像していたものと違い、ファンタジーな話に仕上がってましたが、自分的には満足できるレベルの作品だったと思います(評価低い方は監督に過度な期待をしすぎているかと…)
余談になりますが、ショートカットにした西野七瀬さんって、小川範子さんと似てますよね?
果たす約束と果たせない約束。
2011年の震災から半年後に出会った、子供の頃はプロのF1レーサー現実は盗品を運ぶドライバーの中垣和正と、コンビニ前をうろつくシェパード犬・多聞の話をバス車内で一人の女の子に語る自分のことは語らない須貝美羽の話。
それから3年後の2013年滋賀県の山中で何かを埋める美羽の元へ足をケガし現れた多聞、…2025年の現在、多聞が繋がった人物と中垣との話を一人の女の子に話しながら過去を見せてく。
あまり自分のことを語ろうとしないバスに乗る彼女から見せ語り、…震災後の空き家を狙う窃盗団ドライバーの中垣と一緒に同乗する多聞、ちょっとチャラいけど家族思い、悪いことはしてるけれど亡き父から言われた“まっとうに生きれば…”が頭にありながら。
トラブルで多聞と離ればなれ、再会した時には別の飼い主の美羽の元で生活の多聞、…それぞれの理由で多聞を引き取りたい2人、最初は噛み合わない中垣と美羽だったけれど結婚式で一緒に歌ったことから2人の距離が縮まり、美羽がしてしまったことを中垣へ打ち明けてからの約束。
多聞との出会いで出会えた2人、ベースの話は“震災直後会えなくなってしまったあの子に会いたい”のなかで見せる中垣と美羽との距離感と約束、終盤ラストはファンタジーにもなっちゃたけど、多聞の1人の子をずっと変わらず思う姿だったり、一時的に世話になる人間への察しと優しさだったりと泣かされました。
多聞役のさくらさんを愛でる映画
震災以後荒れた生活をしている高橋文哉が真っ当な人になりたいともがきながら、迷い犬多聞と出会い、大切な人の元へ行こうと旅する多聞と心を通わせ旅の途中で重い罪を犯した西野七瀬と出会い罪を償った後の再会を誓うがこれからというときに不慮の事故でなくなってしまう。
以後、幽霊のような存在で語り手として物語に関わって来るがこの構成が許容出来るかどうかで評価が別れると思う。個人的には冗長ではないかと思ったがムショ帰りの西野七瀬の演技が肩の力が抜けた良い表情をして良い女優さんだなあと再認識。
高橋文哉もスクリーン映えする良い演技で脇を固める役も良い人ばかりだが、ともかくも主役は多聞役のさくらさんに違いない。表情、動き、声、圧倒された演技でした。映画を観た直後の感想として『さくらさんイイ!』につきます。
少女が聞かされたのは、犬と少年の話というよりは、不幸な男女の碌でもない話だったように思う
2025.3.20 MOVIX京都
2025年の日本映画(129分、G)
原作は馳星周の小説『少年と犬(文春文庫)』
飼い主とはぐれた犬を目的地に連れている男女を描いたロードムービー
監督は瀬々敬久
脚本は林民夫
物語は、2025年のある町にて、須貝美羽(西野七瀬)がバスに乗り込むところから始まる
車内には星座図鑑を読んでいる少女(鈴木唯)がいて、どうやら同級生からハブられているようだった
美羽は積極的に声をかけ、この街に何があるかを聞いていく
それをきっかけとして話が続き、美羽はある犬(さくら)と青年・中垣和正(高橋文哉、幼少期:大西湊)の話を語りだした
和正は東日本大震災の被災者で、高校の先輩・沼口(伊藤健太郎)から斡旋された窃盗団の運転手をして汚い金を稼いでいた
ある日のこと、コンビニで買い物をしていた和正は、その店頭にいた飼い犬・多聞に出会う
店員(前田悠雅)は「ずっとそこにいる」と言い、「これ以上いたら保健所に通報しなくてもいけなくなる」と続けた
そこで和正は、多聞を引き取ることになり、車に乗せて一緒に行動を共にするようになった
そんな折、沼口から「外国人窃盗団の運転手もして欲しい」と言われてしまう
外国人たちは街の宝石店を襲うガチの強盗で、最初は断りを入れるものの、母・洋子(手塚里美)の介護をしている姉・麻由美(伊原六花)の支援をしたいと考えて参加することになった
窃盗団には日本語を話せる通訳的な女(嵐莉菜)もいて、この事件はニュースで大きく報道されるほどのものだった
物語は、その外国人たちが裏切りにあって襲われ、通訳の女は隙を見て多聞を連れ去ってしまうところから動き出す
和正も大怪我を負い、汚い金を稼いでいたことも姉にバレてしまう
怪我が癒えた和正はネットを中心に多聞を探し始め、ようやくSNSの投稿から居場所を突き止めることになったのである
映画は、美羽が少女に多聞が東北から熊本まで辿っていく過程を話していく冒頭があり、中盤からは自身の滋賀時代の回想が挿入され、事件の数年後に「多聞が無事に目的地に着いたこと」を知るという流れになっていた
映画的には語り手がコロコロ変わり、聞き手も定まっていない感じになっているのだが、一応は少女に最後まで語っている、という構成になっていた
原作はどんな構造になっているかは知らないが、美羽が見ず知らずに少女に語る理由もなければ、彼女が知らない情報も語られまくっていく
後半では、事故によって亡くなった和正の幽霊から聞いた話を少女に話している、という内容になっていて、普通に考えるとおかしなことばかりになっている
少女としても、生きて再会した和正が教えてくれたゴールまでの後半戦という感じに思いたいのだが、和正が死んだということは理解している
おそらくは、出所後に多聞のことを調べてたどり着いたブログによって、その書き手である光(木村優来)の父・徹(斎藤工)との交流によって色々と知ることになったのだと思うが、彼自身も「猟師(柄本明)と別れた後にどうやって家まで来たのか」は知りようがない
幽霊がブログにコメントでもしないとわからないので、そこの情報は誰も知らないだろう
なので、和正を事故死させるよりは、彼が無事に届けて、そこからどこに行ったのかはわからない、という結びにしても良かったと思う
美羽の出所を出迎えるという約束があって、それが果たされると映画のエンディングが描くべき方向と変わってしまうから退場させたのかもしれないが、そこはさらっと描けば良いだけで、わざわざ謎の少女を登場させるよりは、和正と再会して「彼からゴールまでを聞く」という流れにすれば良かっただけのように思えた
いずれにせよ、光の父が知り得た情報を並べていくタイプのオムニバスにした方がしっくり来るのだが、エピソードが多すぎて2時間では収まり切らない
そこで、出発点と中間点のキャラを抽出して、あたかも彼らがほとんどの道程で一緒にいたかのように描いている
でも、東北から滋賀までは不明だし、兵庫から猟師も不明で、漁師から熊本も不明と、かなりの道程が端折られていることがわかる
なので、色々と大人の事情が込み入った無理な構成になっているように思えるので、物語に没入しづらい構成になっているのではないか、と感じた
多聞‼️
実話に思える感動ストーリーでした。これは予定通りと言うか、予告を観て絶対面白いだろうと思った。裏切らなかった。
タイトルの少年。てっきり高橋文哉の事と思っていたら、そうか、そういう意味だったのか。
犬派、愛犬家で、大型犬が大大大好きな自分には、光以上に多聞が大事でした。だから悲しかった。
江口さん、助けてよ!助けてくれよ!
あれが1番号泣場面でした。
でも、0.5マイナス。なんか足りなかった。なんだろ?
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