少年と犬のレビュー・感想・評価
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守護天使(ガーデンエンジェル)を巡る物語
80年代から90年代にかけてのアメリカ映画には守護天使という言葉がよくでていたが、最近ではあまり聞かない気がする。
本作は、邦画では珍しく守護天使を巡る物語といえる。
3地点と3つの時間軸が主な舞台だ。
東北の大震災と熊本地震が題材として出てくるので、現実が真正面にあることでファンタジー要素が余計だと思う人もいるかもしれないが、あれはあれでよいと思う。
現実を活写するのは現実だけではないはず。むしろフィクションこそが現実を具体化する場合もある。小説や映画の存在意義はそこにあると強く思う。
大自然の災害に対して人は無力であり、人は想像力で立ち向かうしか無い。
守護天使は、当初は迷い犬の多聞だが、終盤、その役割は青年へと移っていく。
守護天使は人を善き行いへと導くという。「良いことをしたかった」という青年の言葉は、天使には届いていたのだろう。
犬は一万年以上前から人類と共にあったというから、犬を守護天使の1人とする設定に違和感は無いといえる。
動物をメインに据える映画では、複数の動物を用意する場合があるが、エンドロールによれば、さくら1頭で乗り切ったようだ。
元乃木坂の西野七瀬さんにAKBのヒット曲を歌わせるというサービス!?もあった。
上映時間2時間8分と、全体的にやや冗長な感じもする。15分位カットすれば、すっきりとし、より見やすくなっただろう。
少年と犬
原作に申し訳ない!
見てきました
犬が探していた少年が最悪!
さくらはめっちゃ可愛い!しかし脚本が全てを台無しに。
まず、多聞(犬)が長距離を旅する目的が、公園での遊び友達である少年と再会するため。(飼主は被災で既に亡くなっている) しかも、少年の引越し先など誰も知らないし多聞も当然ながら行ったこともない土地。
もうこの時点でかなりの無理があると思います。帰巣本能を超越して超能力でもあるという前提なのでしょうか。それに多聞が仮に土地勘があったとしても飼主との思い出の土地を離れますかね。少年がどんなに仲の良い遊び友達だったとしても。
私は被災で泣く泣く犬達を福島に置いてきた方々を知っています。そして犬達は何処にも行かず、ずっと瓦礫となった我が家の近くを離れなかったそうです。
作者、もしくは映画監督はそういう事実を知った上で、この物語を書いたのか、色々とハテナ?が残る作品でした。
さくら(多聞)はめっちゃ可愛い!高橋文哉くんや西野七瀬さんも自然でとても良い演技をしていました。カメラアングルも素晴らしい!それだけに脚本がグダグダなのが残念で悔やまれます。
「ヘヴンズ ストーリー」から続く瀬々的死生観
ざっと見たところやや否定的なレビューが多いが、特に高橋文哉の幽霊をそのまま幽霊・オカルトと解釈してしまっているのが原因ではないかと思う。「ヘヴンズ ストーリー」の最終章でも描かれていたように、瀬々敬久監督の基本的な死生観として「生者が死者に思いをはせ、死者もまた生者に思いをはせ、見守っていてくれる(と信じている)この世こそが"ヘヴン"なのだ」というメッセージが根底にあると思う(「楽園」においてそのタイトルが意味するところも似ていると思う)。
瀬々監督は「罪と罰」「死者と生者」をテーマにすることが多く、しばしばそのテーマに沿うように原作を改変することが多いので、そういった作者の背景を理解しておくと、これまでの延長線上にある佳作であり、すんなりと受け入れられる作品だと思う。
それにしても、これをスピリチュアルとかオカルトとかいう人は、「鉄道員」なんかも理解できないんだろうな…
ストーカーと犬
粗筋には惹かれなかったが、犬の演技が凄そうで観賞。
病床の益岡徹が、表情は大袈裟なのに喋りは苦しさを感じない変な演技してて嫌な予感…
それ以上にヘタな芝居は出てこなかったが、脚本が雑。
一度断った仕事を引き受けるなら、普通はお金が必要になるなど何かしら事情を持たせるでしょ。
美羽も、「このお金で連れ行ってあげて」と言ったのに回想終わったら「ガソリンが無くなるまで行こう」だし。
和正が“仕事”に多聞を連れてったのも不自然。
やたら美人な外人女性は、あの状況で盗品も多聞もしっかり確保の強かさ。
借金踏み倒したままの栁俊太郎は逃げもせず別の女とイチャイチャ。
普通に不審者でしかない和正をアッサリ受け入れ、183cmもある男を一人で運んで埋める美羽。
車で来てるのに病院まで走って向かい、何故かトラックの接近にまったく気付かない和正。
イヤホンさせるなら冒頭じゃなくここだろ。
などなどツッコみ疲れてきたタイミングで、いきなりのスピリチュアル展開。
図鑑を届けたお礼に焼肉を奢る少女と、それに平然とたかる殺人犯まで出てくる。
斎藤工夫妻も、震災経験しといて耐震対策ザルなの?
なんかもう、少年の話とかどうでもよくなる。
そもそも和正が、贖罪もせずに「多聞を連れてけば許されるかも」なんて意味不明な思考で応援できない。
多聞と出会う人々も、基本「その存在が支えになりました」ってだけ。
家族問題に関しては和正も美羽も投げっぱなし。
揃いも揃って自分語りが唐突だし、これだけとっ散らかるなら登場人物減らしてくれ。
和正は何日仕事休んでて、美羽のアパートはたまたまペット可なのか、とかもずっとノイズ。
128分かけてこんなに薄いとは思いませんでした。
犬が絡む震災関連の物語としてどうか
東日本大震災後の被災地と避難地域との間を移動する物語としては『風の電話』が印象に残り、震災での犬の物語としては『マリと子犬の物語』があり、犬が転生してまでも元の飼い主の許に長い旅をする物語としては『ぼくのワンダフル・ライフ』等があるが、本作は犬の演技は優れているものの、主要登場人物の転落振りに共感するのが難しい。子犬時代を演じた犬の名前は省略されていたようだ。幽霊になって、ガラスには映っていなかったのに、平手打ちが当たるのは不思議である。嵐莉菜氏は、『マイスモールランド』以来で、在日外国人役として出番が増えるかもしれない。
被災地である名取付近の特色があまり出ていない一方で、滋賀では琵琶湖大橋が出て、わかり易い。熊本も路面電車に特徴がある。
一匹の犬が多くの人を幸せにさせる感じの作品。 本年度ベスト級。
号泣映画を期待するものの、涙腺はあまり緩まず。
でも作品を通じて心に染み渡る暖かい作風が素敵だった。
西野七瀬さん目当て。
ほぼノーメークな感じの自然の姿が美しく印象に残る。
でも彼女の職業が想定外だった(笑)
高橋文哉さん演じる和正。
西野七瀬さん演じる美羽。
シャパード犬の多聞(タモン)。
この2人と一匹の犬を中心に展開するストーリー。
和正と美羽には黒歴史があるものの、多聞といる内に新たな人生を歩んで行く感じだった。
終盤からファンタジー要素を取り込んだ展開が続くんだけど、やり過ぎ感は否めなかった(笑)
本作のタイトルはこの終盤の為に付けられた感じ。
舞台は宮城県から滋賀県。そして熊本県へと徐々に南下して行く展開。
熊本県の出来事は想像もして無かったけど、本作の重要なピースとなっていてナルホドの設定だった。
想定外だったのは、結構人が命を落としてしまう展開。
特に美羽の過去の出来事は衝撃的だった。
でも、その時に多聞と出会えた事に運命を感じる。
多聞役のシャパードが素晴らしい演技でメイキング映像が見たくなる。
脇を固めた伊藤健太郎さんや江口のりこサン。一ノ瀬ワタルさんも良かった!
特に江口のりこサン演じる獣医がアッサリし過ぎだろ(笑)
色んな人に愛されていた多聞に泣かされたけど、流れた涙は少なめ(汗)
色んな意味で人間の暖かさが感じられた作品だった。
まさか西野七瀬さんがヘビーローテーションを歌うとは思ってもいなかったです( ´∀`)
人生を学ぶ人間と守護神犬の傑作物語!
皆さんのレビューを拝見すると、評価がかなり低いので観るのを迷っていましたが、観終わったら見事な傑作と大拍手を送りたい気持ちになりました。確かに設定として窃盗、殺人、デリヘル、幽霊が出てきますから、違和感を感じる人は一定数いたかもしれません。それでもそれを上回る宝物が作品の中にたくさんありました。主演の高橋は、東北震災後、仙台で窃盗団の運転手として犯罪を犯し道を外しますが、犬の多聞(名前の由来は仏法を多く聞いてより正しい生き方をしていくことだと思います)との出会いによって、人生を学び直し成長して行きます。多聞はやがて滋賀県に現れますが、そこで出会うのが西野(いい女優になりました!)です。彼女も男運の悪さから道を外れて行きますが、多聞や高橋に出会ったことから、いろいろなことを学び成長して行きます。西野(デリヘルと殺人の宿命)が妹の結婚式で嫌な思いをしますが、高橋とヘビローテーションを歌ったシーン、何故か弾けるような感覚を味わったのは私だけではないと思います。そして高橋が幽霊になり、多聞をサポートしての旅を続けて熊本まで行きますが、私は全く違和感がありませんでした(ただ高橋が死ななくても良いのに涙)。思いを果たした多聞も少年との楽しい穏やかな生活を過ごしましたが、クライマックスは熊本の震災で少年を守って死ぬことになります(辛いです)。思うに、犬は飼い主や縁の深い人間を選んで生まれてきて、飼い主や縁の深い人間に対しては強い愛情を常に抱き続けます。悲しいこともたくさんありましたが、多聞の犬生は最高に幸せだったと信じます。
追記 多聞が亡くなる時、静かに目を閉じました。私の愛犬の最後も静かに目を閉じたことを思い出して泣いてしまいました涙。
西野七瀬、上手かった。
東日本大震災から半年後の宮城県仙台市で、職を失い、空き家に無断で入り、盗品してた窃盗団の運転手だった和正は、震災で飼い主を亡くした犬の多聞と出会った。聡明な多聞は和正と家族にとって大切な存在となっていたが、多聞はいつも西の方角を気にしていた。和正がゴタゴタしてた時、多聞は姿を消した。多聞は滋賀県で暮らす女性・美羽のもとに現れ、彼氏に貢ぎ、騙され、デリヘルで働いてた美羽は、重大な秘密を持っていたが、多聞と過ごすことで平和な日常を取り戻していた。そんな時、彼女の前に多聞を追って仙台から和正がやって来て、2人と1匹の新たな生活が始まった。西を目指してた多聞の目的は・・・そんな話。
震災で職を失い、先輩の仕事を手伝ってた和正だが、悪い事と知ってはいても生きるために他の選択肢が見つからなかったのは理解できる。そして、美羽が母や妹のために働き、ボンクラ彼氏に騙され、体を売り、お金を貢いでたのに、その金で他の女と楽しそうに食事してたら腹立つよね。凄くわかる。
入り込めたが、悲しい話だった。
和正役の高橋文哉が良かったのと、美羽役の西野七瀬も撮影は結婚前かもしれないが、俳優として上手くなったと思う。良かった。
斎藤工も出番は少なかったが優しい父親役が良かった。
うーむ‥。
やはりフィクションは、リアルを越えられない。
この小説のストーリーは実に面白い。
ある犬が、何故かある方向をそれぞれの飼い主に訴えてゆく。
何故かポンコツ連中のそばに着くと言うストーリーは実に面白い。
ソレをなぞるリアリティをスピチュアルに甘えるのもアリだけど、ソレをある子どもに話すシチュエーションや一人語りには、無理があると思う。
残念ながら、その小説を読んでいないが死んでしまったキャストにストーリーのデテイールを伝える術に無理を感じた。
映画に出演したキャストの演技は素晴らしい‼️
監督も良く原作通りに多分作ったのだろう。
元ネタにもう少しの練り練りが欲しいと思う辛口講評となりました。
泣き所がねーぞ!と思ってたらですよ。
へ? うそやろ? ここでか? ここまで来て、最後の最後に、まっさかまさかのヘビーローテーションのユニゾンに瞬殺されたw
128分は瀬々作品としては短尺と言って良いかと。物語は易い印象有ります。どっかで聞いたことある話の切り貼り感は有ります。
瀬々作品らしく「お涙頂戴フェーズ」に入ってからはくどいです。コレでもかのゴリ押しです。
だがだがだが。
西野七瀬パートが結構良いんです。と言うか、西野七瀬が良いんですもん。期待してなかったんですけどね。あれ?女優として、結構ちゃんとしてきてないか?これは。ちょっと、若い頃の松たか子さんっぽくて。このパートが映画のクオリティを引っ張ってるのが良くってですね。
で、大ラスのヘビーローテーショーーん、と来たもんでw
一瞬で、ポロリーーーんでした。
良かった。
割と。
L:bloodtrail_2019
泣くことは無かったが、まあまあ
普段、動物ものは観ないが、時間が合うのがなく、拝見。とにかく西野七瀬の演技が良かった(お犬の「さくら」さんもね)。
いつの間に演技が上手くなったのか、ズハラシイ。ストーリーは、うーん、高橋くんは死なくてよかったね。何か救いが欲しいかったね。
期待しないで観たのでこの評価。九州には海をどう渡ったのかな。
多聞ありき
多聞役のさくらが賢く可愛い。
あの待っている時の表情も凛々しい。
タイトルからすると途中まで私の想像した
タイトルから遠い内容で、途中から理解し始めた。
5年もかけて会いたい人に出逢えたのが奇跡。
幽霊が出てきて話だしたり、霊体化して
熊本まで着くのを見届けたりと……。
突っ込み所もあるがファンタジーな小説なので。
あの、狩猟のおじいさん柄本明さんのシーンは
あれだけだったのかしら?
久々に見た伊藤健太郎さんは然り気無いセリフ
も上手。柳俊太郎さんがかなりのクズ役
だったけど似合ってて良い。
多聞(さくら)ありきの映画。
少年と犬が折角出逢えたのにもっと
少しでも一緒に居て欲しくもあった。
犬と少年?
意外にも大人シーンあり
タイトルとイヌの写真から、小さい子供連れで観ると
ややエッチシーン、暴力シーンなどあるので気をつけてくださいね。
前評判だとつまらないストーリーと聞いてたので、期待せず観たら、まあまあいい感じでした。
犬がわんさか出る感じではありません。
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