劇場公開日 2025年3月20日

「原作のイメージで鑑賞すると…」少年と犬 t2yさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5原作のイメージで鑑賞すると…

2025年4月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

小説に大変感動を覚えたので、久しぶりに映画館に足を運びました。
家で犬を飼っている事もあり、思入れが強かったあまりなのか、気持ちが最後まで
入らず、小説を読んだ時ほどの感動も無く、少し寂しい気分で館を後にしました。
馳星周さんの原作は、多聞と出会う事により、人生に転機を迎える人々の人生模様を
映し出し、多聞に心を救われるストーリーが複数あります。
最終的には「少年」のところに行きつくのですが、それぞれのストーリーだけでも
成り立つ位ですが、複数のストーリー全体を俯瞰で見ることにより、多聞が人間に
与えたものや、人間が多聞に求めていた事が見えて来て、最後に「少年」と出会い、
アンサー的な結末を迎えるので、強い感動を覚えました。
しかし、本編は複数のストーリーの主だったところを抜き出して映画化しており、
話の流れも小説にはなかったストーリーテラーを設定する脚色がされていましたので、
原作を読んだ後に鑑賞をすると、だいぶ違和感を覚えるかと思います。
原作を忠実に映画化すると、とても長時間の映画になる事が容易に予想されますので、
致し方なく今回の脚本になったのだと思います。
なので。原作を読まずに鑑賞する事をお勧めいたします。
しかし、西野七瀬さんのキャスティングと演技は非常に良いと感じました。
人生に翻弄され、薄幸な感じを出せる女性の俳優は中々いないと思います。

t2y
きびなごさんのコメント
2025年4月22日

12yさんの感想を読んで、逆に小説が読みたくなってきました!
自分の感想にも書いたように、馳星周氏の小説というだけで少々色眼鏡で見てしまっていたもので…(暴力や裏社会の描写が多いので)
食わず嫌いだったのかもしれないので、自己責任で小説を読んでみることにします!

きびなご