「ワンですべてが許されます」少年と犬 かつのじょうさんの映画レビュー(感想・評価)
ワンですべてが許されます
原作小説にいたく感動したので、映画のレビューはあまり芳しくないようだけどとりあえず、と劇場に向かった者です。
最初、どうして原作どおりやってくれなかったんだろう、という違和感が邪魔して素直に作品を受け入れられませんでした。淡々と各エピソードを描いて、最後にすべてがつながる、で十分心が動かされると思うんですが、無理やり人間の主人公をつくって解説させるというのがちょっとしつこい感じがしました。観客の想像力(と理解力)を信頼できなかったんだろうなぁと残念な気持ちです。
しかし、そんな細かいことはどうでもよくなるほど、ワンが良かったです!ワンが!
原作の多聞のイメージよりかなり「ふくよか」に見えましたが、演じたさくらさんは女の子だったんですね。静かだけど表情ゆたかで、特に寂しげでもの言いたげな眼差し、人にそっと寄り添ってくれる立ち居振る舞いが、最優秀ワン優賞ものです。
熊本のエピソードでは、やっぱり涙してしまいました。
いろいろ思いましたが、最後は観に行ってよかったと思いました。
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