劇映画 孤独のグルメのレビュー・感想・評価
全85件中、61~80件目を表示
タイトルに偽りあり(良い意味で)
全然孤独じゃない。良い人間模様を描いていて、最後きれいにまとまっているのが見ていてスッキリした。疑問に思うのは費用やスープの送り方(現地の食品検査とかかんとか)なんだけど豚骨は送れないことを先に言っていたのでまぁそこはそれ、色々あるんだろう。突っ込むのは無粋と思う。
ちょっとした言葉や食事の所作がちゃんとその国に敬意と感謝を表していて食べる姿も好ましい。悪い人が誰一人いないので見ていてホッとするし美味いものは万国共通で人を幸せにするのだと感じる。美食を追求するグランメゾンパリ(こっちも良い)と真逆の映画。
まさか自分の番組のパロを自分の映画でするとは思わなかったのでここも面白かった。
あぁ、腹が減った。
孤独じゃないグルメ‼️
「孤独のグルメ」の劇場版‼️もともとこのTVドラマはちょっとした前振りの物語のあと、松重豊さん扮する井之頭五郎がモーレツに腹を空かし、そこに出てくるおいしそうな料理の数々、それをいかにも美味しそうに食べる五郎の表情、そしてナレーションを満喫する作品‼️だからTVドラマの25分くらいがちょうどいいのかもしれません‼️そこで今作は五郎がパリに住む老人から、幼い頃に母が作ってくれた「いっちゃん汁」をもう一度食べたいから、そのスープを手に入れてくれと頼まれる物語‼️そのスープ、レシピを求めて、五郎がパリから長崎、韓国、東京へと駆け巡る・・・‼️パリでのオニオンスープやビーフブルギニョン、韓国でのタラの干物など、相変わらずグルメ物として料理の美味しさや、五郎の食いっぷりはホントに見事‼️ただ五島から韓国に流れついたり、求める食材が都合よく手に入りすぎる、ご都合主義はちょっと目立ちますね‼️加えて途中から内田有紀さんとオダギリジョーさんの元夫婦の物語に比重が置かれるようになり、パリの老人のいっちゃん汁への思いが希薄になったきらいはあります‼️結局、夫婦が再会したり、元サヤになることもなく、いっちゃん汁もパリの老人の求める味ではなかったわけだし‼️「腹減った」「美味しそう」「うまかった」だけでは2時間の映画としてはもたないと思うので、もうちょっとドラマ部分のカタルシスが欲しかったですね‼️ただ劇中番組の収録での遠藤憲一さんの登場は嬉しすぎた‼️
最初から最後までお腹がすいてくる作品
公開日の朝イチで見に行きました!
田舎の映画館ということもあり、朝イチで三十人前後入ってました。
内容は本当に面白く、ポップコーン食べながら見てないとお腹の音が鳴るんじゃないかっていうレベルです。
キャスト陣の演技も素晴らしく、内田有紀さんの夕日をバックのシーンはとても良かった。
エンドロールまで終わり場内が明るくなった時、自然と泣いていました。
本当に素敵な作品だと胸を張ってオススメ出来る。
ドラマシリーズを見たことがなくても楽しめる作品となっていますので、ぜひ大きなスクリーンで見てほしいです。
いくらなんでも五島から韓国の島まで漂流したら生存可能性限りなくゼロでしょう
韓国の港町の食堂のやり取りは面白かったが、いくらなんでも五島から韓国の島まで漂流したら生存可能性限りなくゼロでしょう。
それにスーツもカバンの中身も全部海水で濡れてしまってもう使い物にならないのでは。
野生キノコも危険すぎ。
こんな見方しちゃだめなのでしょうかね。
ソルジャーのダニエルも謎人物。エンドロールに上野アメ横のミリタリーショップ 中田商店が出てきました。
ここからは乗り物ファンとしての目線です。(ついつい乗り物の矛盾は目が行ってしまう。)
作品中に出てくる飛行中のJAL機は機体ナンバーJA832J ボーイング787-8ドリームライナーです。しかしながら機内シーンはJALの最新鋭国際線機材 エアバスA350-1000の
プレミアムエコノミーの席のようです。 使用する飛行機が一致しません。
JALとタイアップしたようですから最新鋭機機内を披露したかったのでしょうね。
(まあJAL大好きだから許しましょう。)
井之頭さんだからあり
孤独のグルメワールド作品
毎年とは言いませんが続けて頂き正月映画の定番となって欲しい作品
食材の正体やスープを作る職人への伏線はお見事
内田さん杏さんオダギリさんもお見事
その後二人はどうなったかや
ご老人の願いはかなったか
など含みを持たせた終わらせ方もお見事
内容的には正月SPの豪華版
孤独のグルメだからこそと言ってしまえばそれまでですがご都合主義と不法侵入者がアッチコッチ行くのはどうかなが気になった点
食事シーンは美味しそうだがストーリーは不味い
原作もドラマ版も好きで松重豊の脚本も期待していましたが、正直こんな五郎さんは見たくなかった。
ドラマ版の発明は五郎さんが独り言を言いながら実に美味しそうに食べる食事シーンをじっくりと見せる事で、その部分は今回も文句なく見ていて腹の減る演技でした。
でも、そこに至るストーリーが稚拙であまり愉快では無いのですよね。
個別の腹が減るまでのエピソードでは、多くが井之頭五郎自身の無謀で配慮のない行動や自業自得なアホ行動によって事態が悪くなるのに、その後でご都合主義な展開で人に親切にされて美味そうに飯食ってても、何故そんな状況で飯を呑気に食えるのと心がゾワゾワしてしまう。
ビザも取ってない不法入国状態で臨時イミグレーションを待ってる状況で、韓国ウォンを持ってたと思えないのに店入って注文するか?イミグレーション担当者待たせながら。
タンポポのオマージュも分かるけど、そもそもラーメン屋店主が立ち直る経緯も納得しがたいし。
全てがこんな感じでなんでそうなるの?と、展開とその演出が浅いんですよね。
井之頭五郎にアホ行動させなくても、不運なトラブルにひたすら巻き込まれるプロットであれば、その後の空腹に共感もできたはず。
もっと美味しいストーリーで、俺たちの腹を減らせてくれよ!
オニオングラタン・スープ優勝⭐️
「孤独じゃないじゃん!」上映後前列の小学生の女の子がママに訴えていましたが…
確かにTV版の様な独りグルメ感は弱め…?
どちらかと言うとストーリー性重視感が高く
「はて?」な展開も多々ありましたがお茶の間で観ている様なほっこり笑いや各国のお料理も
スクリーンでは映え映えでしたし
劇場は老若男女で賑わっておりましたし
テレ東開局60周年だし松重さんも気合い入ってたし
脇を固めるキャストの皆さんも贅沢の極みでしたし
…地上波はニュースと孤独のグルメくらいしか見ない位のファンで番組内に登場したお店にも何軒か訪店している私もこの劇場版・井之頭五郎劇場を充分に楽しめせていただきました!
テレビシリーズがまだまだ続きます様に⭐️
食事がおまけか、物語がおまけか
いつもどおりの食事シーンと、やや無茶な設定のある依頼解決のため奔走する井之頭五郎と、ある意味贅沢なキャストが繋ぐ2時間でした。
数回挟み込まれるいつもの『腹が、減った…』シーンが唐突も良いところだけど、今回は劇映画ということで、正直食事シーンがおまけ的な所もあるのでそこは御愛嬌。年末に公開された某三ツ星レストラン映画と被るような料理の映し方も有ったりして、なんとも不思議な感覚で観ていました。
材料が同じだとしても『いっちゃん汁』と『あのラーメン』のスープがほぼ同じ味になるところに、何故?とのツッコミは無粋かなとは思いますが、それなりに強引な着地でしょう。あとダニエルの存在が謎すぎてむしろ笑うしかないという。
ラストシーンで『庄助(第1シーズン第1話の店舗)』が出てきた時は、思わず『そう来たか(笑)』と声にして呟いてしまったほどにやられました。あれはいいアイデアだと思います。
途中で劇中劇が展開されて、五郎ならぬ六郎が出てきましたが、松重さんにはまだしばらく井之頭五郎を演じてもらいたいなと素直に思いました。
そういえば久住さんはどこにも出てこなかったか?
伊丹十三オマージュ
サンセリテ(Sincerite)はフランス語で「真心」 タンポポの花言葉は「真心の愛」 丼の底に描かれるその絵は同じ道を一緒に追いかけていたものの、現実の波に翻弄された元夫婦の悲哀と、しかしそれでも変わらぬ”愛”を亡き名監督の金字塔的作品に重ね合わせた、リスペクト映画である とはいえ令和に合せた程よい"湯加減"に調整したところが妙であろう
重すぎず、テレビシリーズから乖離させずに、それでもドラマを着地させた"バイプレイヤー"に拍手である
内田有紀の韓国語を聞きたい方はぜひ!
内田有紀が韓国語を話します
以上
全編を通してものすごい朝鮮臭がします
ストーリーがまったく頭に入ってきません
なんなら誰が何を話していたのかも記憶に残っていません
スポンサー・権威者の意向を全面的に受け入れ、「孤独のグルメ」という名を冠した作品をとりあえず排出する
そして記憶にも残らず自然消滅する
松重豊氏の考えた幕引き方法がこれなのだなと
まあ商業的にはこれが八方当たり障りのない結論なんだろうななどど考えていたら終演しておりました
この2・3年、低予算ながら作りこみの素晴らしい作品やよくぞそこまで独自路線を貫いたと称賛出来る作品もある中、
この企画に予算を確保した手腕は真似の出来ない偉業といえるのではないでしょうか
伏線らしい伏線も無く、その役者をその場で出す意味は?という違和感などが常に渦巻き、ある意味胸がザワつきました
エンドロールもとてもサッパりとしており「次は無いよ」と暗に示しているかのよう
まったくもって「グルメ」じゃない、まるでインスタント食品を食べたような後味の作品でした
内田有紀さんのファンの方は必見です!
めちゃくちゃな展開!でもそれが…よくないよw
母親がドラマの大ファンなので親孝行も兼ねて…
まず、パリから始まるのはワクワクして最高!
杏ちゃんの演技の安心感、パリで食べるオニオンスープなんてお腹ぐーぐー。いいかんじ!!!
とおもったのは5分だけ
杏ちゃんの祖父役 塩見 三省の演技が大丈夫か?!
こんなんだっけ?!と言うぐらいの下手さ。。
杏ちゃんの祖父なら90代が現実。塩見さんは70代。
90代に見えないし見えるように演技するから無理がある。
終始キツかった。。
そして、謎の『いっちゃん汁』これがしつこいしつこい
これを食べたいとか抜かすことから始まるマジで謎の旅スタート。
それまでに、なぜか韓国を無理やり挟む、大人の事情感。
韓国で孤独のグルメが人気だから?
いやいや無理やりねじ込むなよw
そして、でたでた!『女の自立!男に媚びない人生の再スタート!』という女だらけの韓国島w
気持ち悪くてこの島は酷かった
そこに何やかんや行く前に五郎は何度も死にかけるし。
最後はラーメン?
ラーメンスープと汁は全く違う。
豚汁みたいな汁なんじゃないの?
それゃ、じーさんも違うってなるわ。
パスポートのことがあるのに飯食うなよw
【”幻のスープの具材を探して三千里”食材探しの波乱万丈のロードムービーからの名作ラーメン映画”タンポポ“風の流れがじんわりと沁みる作品。主演、初脚本兼初監督でこの作品レベルって松重豊さん、凄いなあ。】
■飛行機で、且つての恋人で今は亡き小雪の娘、千秋(杏)の祖父一郎(塩見三省:嬉しい。)の願いで絵を巴里まで届ける所から、もう美味しそうである。機内食のビーフシチューか、焼鳥丼で悩むところから(機内食あるあるである。)、巴里について相変わらずの嗅覚で選んだビストロでオニオンスープとビーフブルギニョンを頼み、美味しそうに食べるゴローさん(松重豊)。
で、千秋と一郎に絵を届けると、一郎から”想い出のいっちゃん汁を探してくれないか?”と頼まれて、引き受けてしまうゴローさん。
で、ナント、サップボードで五島列島の島へ向けてゴー!と思ったら、台風に遭ってアッサリ遭難。流れ着いた島は韓国領域で、曰くある女性だけのコミュニティ。出会った志穂(内田有紀:ホント、不老の人だなあ。)達に美味しそうな韓国料理を御馳走してもらい、韓国入国手続きをわざわざ入国審査官(ナント、ユ・ジェンミン!)に港まで来てもらい、その後東京で志穂の元夫(オダギリジョー)で、半分やる気がないラーメン屋さん”さんせりて”で炒飯を頼んだら美味しくって、スープ作りを常連の中川(磯村勇斗)と共に頼んじゃうゴローさん。
良くまあ、尺2時間に満たない中で、このストーリーを収めたモノである。
◆感想
・ヤッパリ、ゴローさんの食事を美味しそうに食べながらの、脳内ナレーションが良いんだよね。そして思うんだ、食事を美味しそうに食べる人に、悪人は居ないよねってね。
・個人的には、塩見三省さんを久しぶりに観れた事が、嬉しかったな。キャスティングも松重さんが指示したのかな。若手からベテラン、そしてユ・ジェンミンまで登場するとはなあ。
・ご飯も当然美味しそうで、特にユ・ジェンミン演じる入国審査官を待たせての、食事シーンは面白かったな。ゴローさんならぬユ・ジェンミンの脳内ナレーション。”コイツ、ホントに美味そうに食うな・・。”クスクス。で、そこで重要な食材ファンテ(タラの干物)を見つけてしまうのである。巧い脚本だなあ。
・で、東京に戻って志穂の元夫の店に行って、炒飯を二度食べて腕の確からしさを確認した上で、”いっちゃん汁”を作って貰うシーン。ナカナカ味が出ない所で、ゴローさんはファンテの干物を思い出すのである。
そこからの展開は、伊丹十三監督の名作「タンポポ」を思わせる。志穂が考えた”さんせりて”のロゴマークがタンポポのロゴマークに似ていて、ようやく完成したスープで作ったラーメンを、ゴローさん、中川、滝山(村田雄浩)がカウンターに座って、夢中で食べてスープを一斉に飲み干すシーンは、絶対に「タンポポ」へのオマージュだと思ったな。
<その後の展開も、とてもハッピーで、ドラマに敬意を表したような嬉しいサプライズ(ナント、遠藤憲一さんが主演のグルメ番組ロケで”さんせりて”が使われる。)が韓国の志穂のコミュニティで流れて、送られて来た元夫のスープを飲んだ彼女が、コミュニティの皆にラーメンを作ろうと立ち上がったり、ユ・ジェンミン演じる入国審査官の家族が、同じくTVで流れるグルメ番組を見ながら、あのゴローさんが美味しそうに食べた店で、漸く焼きサバを食べるシーンの連動性など、見事でありました。
今作は、食材探しの波乱万丈のロードムービーからの、名作ラーメン映画”タンポポ“風の流れが、じんわり沁みる作品なのである。重ねて書くが、主演、脚本を兼ねた初監督でこの作品レベルって松重豊さん、凄いなあ。>
ドラマスペシャル孤独のグルメ
はじめのパリや五島探索までは見てて美味しそう、お腹が空いたと思いながら楽しめたが、韓国へ遭難あたりでこれいる?や実はの場面で段々白けてしまいました
食材もほぼ韓国のものこれなら五島である必要が感じられずはじめから韓国で探す話で良いのではと
故郷五島の昔の母の味と言うならば五島の食材で揃える話を見たかったしラーメンや韓国の無理やり感に違和感が多く感じてしまいました
ただ食事シーンは変わらず美味しそうに食べていてこちらもお腹が空いてしまう作品でした
イメージ通り
予告ではドラマ版とはかけ離れた波乱がありそうで少し嫌な予感がしていたが、実際のところはいつも通りで安心した。
映画なので多少の誇張や強引な展開はあるものの許容範囲内でむしろシュールな笑いを誘う。
肝心の食べるシーンは相変わらず美味しそうで20分前に食事を済まして見たのに鑑賞後はすっかりお腹が空いた気分になってしまった。
ドラマ版の雰囲気を維持しつつドラマパートをメインに組み立てられ、新しくもいつも通りなファン納得の「劇映画」に相応しい内容だったと思う。
スタッフロールで、キーパーソンのオダギリ・ジョーの役名にフルネームが設定されてないのにネタキャラ全開なダニエルにフルネームが設定されている事に気付いて笑ってしまった。
『孤独のグルメ』をベースに『タンポポ』『寅さん』「松重分」を混交したダシの妙味に舌鼓。
ああ、なるほど、
ラーメン屋を再興させるお話だから
『タンポポ』のマークなんだな!!
終盤に入ってようやく気付いて、帰りにパンフで答え合わせ。
僕はちょうど伊丹十三が俳優から監督に鞍替えして、『お葬式』でヒットを飛ばした時期のことをよく覚えている。あの伊丹監督が第二作に何を撮るんだろうなと、みんなが期待をみなぎらせていたら、思いがけずマカロニ・ウエスタンテイストのラーメン屋再建物語『タンポポ』を出してきて、驚かされた。このあと、伊丹監督が『マルサの女』でさらに大ヒットを飛ばしたせいで印象が若干薄くはなっているが、『タンポポ』は日本ではめずらしいグルメ映画の走りであったし、ブニュエルの『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』を意識したセクシャルな要素も楽しい、それなりに衒学的で前衛的な映画でもあった。
松重監督は、そんなグルメ映画、ラーメン映画の嚆矢である『タンポポ』にオマージュをささげて、ラーメン屋「さんせりて」の商標イラストを『タンポポ』にしたというわけだ。
パンフでは、とにかく『タンポポ』カット(カウンターで食べている人たちを横アングルの寄りで撮る)をやってみたかったと、松重監督は発言している。
合わせて感じるのは、山田洋次監督の影響、とくに『寅さん』からの影響だ。
(パンフの監督インタビューでは寅さんには言及されないが、かわりに『幸福の黄色いハンカチ』の話が出てくる。)
「マドンナ」(杏&内田有紀)が出てきて、しばしのあいだ、五郎と温かな交流を深める展開があって、五郎は結局、相手のために「一肌脱ぐ」ことになる。とくに内田有紀のためには「離れ離れになっている想い人との仲を取り持つ」ことに。まさにやっていることは寅さんだ。
そのために五郎が「旅」をすることになる点、どこに行くにしても寅さんがいつも同じ腹巻とジャケットを着ているのと同様、五郎もいつでもどこでも(遭難しているときでさえ)同じ「背広」を着ている点。本当は好き同士の二人を引き合わせるやり方が「粋」で「さりげない」点。
いずれも、いかにも寅さんっぽい。
ここに、福岡県出身で、北九州の風土と食にこだわりがあり、韓国との交流にこだわりがある松重監督自身の「個性」と、思いがけないくらいに有能な「監督/脚本家としての才能」が加わって、この劇映画『孤独のグルメ』は成立している。
ちょうど、映画が4種類のだしの選定と調理をめぐる物語であるのと同様、本作では『孤独のグルメ』テレビドラマ版というベースの「だし」をもとに、伊丹十三や山田洋次のテイストを加え、さらには松重監督独自の味付けを加えているということだ。その4種混合の「マリアージュ」がまさに絶妙の「塩梅」で、作品を成功せしめている。
本作で語られる秘伝の「和風魚介とんこつスープ」の組成は、今回の劇映画『孤独のグルメ』のありようとの面白いアナロジーを形成しているというわけだ。
― ― ― ―
今日はよんどころない事情で、珍しく公開初日に足を運んだが、僕は必ずしも『孤独のグルメ』テレビ版の良い視聴者ではない。
たまにやっていたら観る程度。ただし、原作のほうは月刊誌『パンジャ』に連載されていたころから読んでいた(2年近くで休刊した徒花のような雑誌だったが、チャイドルブームと『孤独のグルメ』を功績として後世に遺した)。原作漫画が、国内以上にフランスで大人気で、向こうでは作画の故・谷口ジローが巨匠としてガチで崇められているのも知っていた(おそらくなら、だからこそフランスが序盤の舞台なのだ)。
今回観て何より思ったのは、松重豊監督のバランス感覚の良さである。
最初、予告編を観たときは、僕が著しく苦手としている福田雄一監督に似たテイストがほの見えて、「俺、最後までこれ我慢して観られるのかな??」と思うくらいにビビらされたものだったが、実際に観てみると、思いがけないくらいに「抑制された」つくりの映画版だった。
すなわち、テレビシリーズのテイストから外れないよう、どんなときでも「通常営業の五郎さん」になるように、きわめてこまやかに作られていた、ということだ。
たしかにスケール感は増した。
三か国をめぐるロードムーヴィー仕立て。遭難アクション。多数のサブキャラ。
でも、基本の部分は驚くほど、「いつもどおり」に作られている。
決めぜりふ。孤独ショット。食事時のふるまい。食べ方。BGM。
そこの『孤独のグルメ』としての「型」は、意地でもゆるがせない。
だからこそ、違和感が少ない。すっと入っていける。
いつもの世界線の延長上に、劇映画をきちんと位置づけられる。
むしろこのドラマとしての「冒険」は、映画ならではのスケール感とは別のところにある。
「食」の受容について、いつもの食べ歩くだけの「受け」の姿勢から、「料理を調理する」側へと一歩踏み込んでいる部分。これこそが、海外渡航よりもマドンナ要素よりも、なにより一番の「冒険」要素かもしれない。
それでも、じゃあ「五郎さんに作らせるか」ってところまでは敢えて踏み込まないのが、松重監督なりのバランス感覚だ。
あの五郎さんが、ふだんの食べて評価するクリティックの側から、とある味を求めて食材を集めるプレイヤー側に一線を越える。特別感のある、踏み越え方。だからこそ、この作品はテレビドラマ版ではなく「劇映画」として、作られねばならなかった。
それでも「本当に食材を見つける」人間は内田有紀だし、「本当にだしを調合する」人間はオダギリジョー。そこはちゃんと「プロ」に任せて、五郎はコーディネーターとしてしか動こうとしない。そこでぎりぎり「食べる人」としての「五郎さん」のキャラクターをつぶさないよう、配慮がなされている。この辺が、五郎が五郎として五郎のまま「冒険」できるギリギリのラインだというわけだ。
結果として、劇映画の展開は「いつもの裏」を行く作りになっている。
すなわち、通常版の『孤独のグルメ』は、「見ず知らずの店に当て勘で入って、その雰囲気や味から類推して店の背景を夢想する」作りである。しかし今回の劇映画は、「店の背景や夫婦の置かれている状況はすべてわかったうえで狙ってその店に行って、そういった事態を解決できる究極の味を逆算して見出していく」作りとなっている。
「味」から「店の背景」を引き出していくドラマ版に対して、
「店の背景」から「味」を引き出していく内容に切り替えられている。
そこが劇映画の「キモ」ということだ。
― ― ― ―
もう一点、特筆すべき点として、松重監督が仕掛けてきた複数の「メタ的遊び」の面白さがある。
『孤独のグルメ』というテレビドラマを知り尽くし、作品の内容にも積極的にかかわり、ついには監督を引き受けるまでに至った、熱くて覚悟の完了した男が、あふれかえる作品愛とスタッフ愛をこめて、作品内で入れ子構造を用いて『孤独のグルメ』を大胆にいじってくる。
これが、けっこううまく決まっていて、実に楽しい。
そこで出してきた俳優のあまりの互換性の高さにも爆笑したが(「みんな俺と同じこと考えてたのね、というか、松重さん自体思いっきり俺の代わりをやるならコイツってふつうに思ってたんだww」)、番組スタッフの実際の取材の動きを再現するとか、エキストラへの気配りを再現するとか、細かく番組やスタッフへの愛着を練り込んできているのが面白かった。
考えてみると、
パリに行ったらマジで杏がいるってのも、
韓国に行ったらユ・ジェミョンのイミグレがいるってのも、
ラーメン屋の店主役がオダギリジョーってのも、
ラーメン屋の常連の中川君が実はアレってのも、
さらにはこの映画の監督が松重豊というのも、
みんなある意味「出オチ」であり、メタな仕掛けだといえる。
松重さんは、こういう仕掛けが好きで、しかも実にうまい。
他にも、細かい部分で感心させられた点がいくつもあった。
●内田有紀が海岸べりで「私はいまとっても幸せで」といって振り返るシーンが、逆光になっていて表情が陰になってよく見えないのに感心した。彼女の実はさみしくて満ち足りない気持ちや、自分の心に対してウソをついているうしろめたさが、一瞬の「陰」と表情に集約されている。
●登場したときのオダギリジョーは、あからさまに世間でいうところの「難あり店主」であり、SNSなら炎上必至のかなり感じの悪い態度で客に接していたが、だしの食材を目にして、何かしら感じ入るところがあってからは、理不尽だったり不機嫌だったりの理由で怒鳴り散らすようなことは一切しなくなるし、「なんか物足りないんですよね」とかかなり不敬な煽りを中川君からされても、突っかかりもせず、むしろ「そうなんだよねえ」と素直に応対している。
このへんのキャラクターづくりも、バランス感覚が非常に良いと思う。
●五郎さんは、ラーメン屋に対して最後まで食材の提供主が奥さんであることを伝えない。同様に、完成したスープを奥さんに送るときにも、スープの作成を夫のラーメン屋に頼んだことは敢えて伝えない。ただ、「さんせりて」のロゴ入りの中華どんぶりを同封するだけだ。内田有紀はひとくちで、それが「自分の提供した食材で、夫が作ったスープ」であることに気づく。
なんと品の良い演出! なんと粋なはからい!
●終盤の「例の撮影」シーンで、「六郎」役の俳優が、心のナレーションを口で出して言う。そこで「それやっちゃうともう『孤独のグルメ』じゃなくなっちゃうんだよね」と客にいったん思わせておいて、「本番では心の声は言いませんので!」と本人に言わせる。巧みな上げ下げで、ここも演出がうまいと思った。
― ― ― ―
その他、観ていて思ったことなど。
●アバンの飛行機内での「ビーフの機内食がどうしても食べられない」ネタって、これもしかしてブニュエルの『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』(食べたいのに食べられないネタの不条理映画)を意識されてます??
●フランスでのシーン、エッフェル塔とビストロでの食事はロケだったけど、その前の到着してしばらくって、ものすごく合成っぽくなかった? 気のせいかな?
●塩見三省って昔からこんな演技だったっけ? ちょっと軽くなにかあったような印象。
●いっちゃん汁の味捜しで、「あの食材だ」って確定されるまでのロジックが、僕には今ひとつわかりにくかった。
●SUP(サップ)で海を渡ろうとするとか、さすがに原作のテイストからかけ離れすぎているんじゃないかとは思ったけど、これもしかして「スープ」とかけたダジャレ?
●遭難先の「女しかいない島」って、ちょっと新版のほうの『ウィッカーマン』(ニコラス・ケイジ版)を想起させる。あれは、蜂の社会を模したフェミニズム・ホラーで、こちらは「龍宮城」に例えられる「傷ついた女たちの楽園」だという違いはあるけれど。
●フレンチのシェフ出身のこだわりのラーメン店主が、コロナと食材の高騰で没落していく流れって、旧京都全日空ホテルの総料理長だった松村氏がラーメン店「勝本」と「八五」を大行列店として成功させながら、コロナの影響で負債額12億で倒産させた(のちに復活)のを思い出させる。
●とにかく、松重豊は食べ方がきれい。ええっと思うくらいリフトして、それがびっくりするくらい容量の大きい口腔に、するっとスムーズに吞み込まれる。口から出っぱっているものが消えるスピードが異様に速い。このへん、実は作品の根幹だと思う。
●塩見三省の落ちは、なんとなく読めていました(笑)。
ただあれ、別に「味が物足りない」という総意から干しだらに変えただけで、もしかすると「エソ」のだしを使ったままのスープなら、おじいちゃんに満足してもらえたのかも。あと、前に「さんせりて」で出していたラーメンの味が、なぜ「いっちゃん汁」に近いのかについては、さりげにあまりちゃんと因果関係が説明されていない気もする。
●あえてシリーズのために映画化を言い出し、結局は自分で監督をするにいたった松重さん。ちょっと『刑事コロンボ』とピーター・フォークの関係性を思い出しました。またぜひ、次なるチャレンジを!
映画なので,「孤独のグルメ」とは思えない展開があって面白かった。
予告編を見たとき、孤独のグルメでパリに行く必然性があるとは思えなくて思わず笑ってしまった。公開されたら絶対見に行こうと思った。もちろんパリへは出張だから必然性はある。
パリでは、エッフェル塔を背景にして言う「腹が減った」が面白い。そしてこの後,例によって「こいつはウマイ」とか言って、出された食事を美味しそうに食べる。
オニオングラタンスープがとても美味しそうだった。
松重 豊さん(188センチ),杏ちゃん(177センチ)、2人とも背が高いので、並んでパリを歩くとカッコいい。食べ物ではないが映える。
パリでは顧客からスープ探しを依頼され、ここから映画ならではの冒険の旅が始まる。
このあとの五島列島では、テレビドラマでは起こり得ない話となり興味がわく。
嵐に流されてどこかの浜辺に行き着くなんて、「孤独のグルメ」とは思えない命懸けの展開だよ (^^)。
貝とキノコなんてマジで即死するぞとは思いながらも、五郎さんが死ぬわけないので安心して見ていられる。
まあとにかく、このアトどこへ行こうが、「腹が減った」の定番セリフと、心の中で 「ああだこうだ」ブツブツ言いながらウマイウマイと食事を平らげて満足感に浸る流れに揺るぎはない。
「オジサンが,ただメシ食ってるの見てイッタイ何が面白いんだよ?」って言われちゃうと、その通りなので返答に困るのだが、
「まあとにかく、それが面白いんだよ ( `Д´)/」である。ウンウン。
僕は深夜にやってるのを,たまたま見る程度なので10回ぐらいしか見たことがないが、ドラマを見たことがある人も,見たことがない人も両方楽しめると思う。
今回1番驚いたのが、テレビがもう13年もやっているってこと。マジか (゚д゚)
それからテレビで松重豊さんが食べるのは撮影時が初めてで、取り直しなどしない一発勝負、しかもホントに1人で完食してるので少食の松重さんは大変らしい。
ただし、今回の映画は監督も兼ねたから2回目とのこと。
松重豊監督による迸る井之頭 五郎への愛情
もはや井之頭五郎=松重豊監督・主演だからこそ、
非常に高いクオリティでの人間ドラマへ昇華した作品だと思います。
笑い、泣き、フィジカルにエンターテインできる映画になっていて、
ピンチに陥る五郎にドキドキしつつ、それでも笑いをとっていく五郎にホッとしたりして
まさか本作でここまで感動できるとは思ってもおらず、素晴らしい出来としか言いようがありませんでした。
私は原作未読・ドラマも未視聴ですが、それでも全然楽しめますし、
むしろ情報を入れていないからこそ、虚心坦懐に観て楽しむことができたのかもしれません。
冒頭の飛行機内で食事にありつけない、フランスでスープと牛肉を堪能、という冒頭のシーンから
今回のストーリーの軸である「いっちゃん汁」に到達するまで、
井之頭五郎による「腹が減った」からの食事シーンは秀逸ですね。
ほんと松重豊の表情及びモノローグが素晴らしいんですよね。いちいち面白いしグッときました。
脇を固める、村田雄浩、杏、内田有紀、磯村勇斗、オダギリジョー、みんな最高の演技でした。
そして今日から情報解禁の善福寺六郎役の遠藤憲一、素晴らしかったです。めちゃめちゃ面白かった。
井之頭 五郎の真面目で真摯な人間性も本作の魅力なのでしょう。
私も大ファンになりました。
エンドロール後のセリフもグッときましたね。
いやぁこんなに面白いとは!!
大好きな作品になりました。
面白かった。年末スペシャルと同じぐらいには。
映画でやる必要あったのか?と思ってしまいましたが、
原作から、ドラマシリーズもスペシャルも全て観てきた身としては、やはり観なければならないでしょう。(笑)
で、面白かったです。
スペシャルと同じと言えば同じです。テレビで流しても映画だとは気付かないのでは。
ただ、出てくる店が実在するか、架空かの違いはあるでしょうね。ラーメン屋さんは明らかに架空だし。
映画だから、なんでしょうね。
パリはほんのちょっとです。(笑)
あとは韓国がほとんど。
懸念されてた「恋愛要素」とか、「冒険要素」は、安心してください、ありません。
冒険してないです、ただ流されただけで。
「映画要素」はあります。
ラーメンのシーンは間違いなく「タンポポ」のオマージュでしょうけど。
いつものように、ただただ行った先で美味しいご飯を食べるだけです。
物語はありますが、食材探しのミステリーかと言われるとあっけなく見つかりますし、早々と解決します。
盛り上がりには欠けますが、孤独のグルメは、「こーいうのでいいんだよ」
孤独のグルメに派手な盛り上がりなんて求めちゃいけない。(笑)
なのでスペシャル同様、安心して観れます。
善福寺六郎が最高に面白かった(笑)。ここがヤマ。
遠藤さんノリノリ(笑)
二代目させるつもりなんじゃないですかね、本当に。(笑)
スタンディングボートで海渡ろうとするとか、その辺に生えてるキノコ食べちゃうとか、ケンカ強いはずなのに簡単に腕ひねられちゃうとか、水に浸かってスーツとか乾かす時間ないだろとか、あと汁のためにあのおじいさんいくら払うんだろうとか…そう言った不自然な部分はありましたけど、いんだよ細けえことは(笑)。
ご飯食べるシーンと独白が全てだから。
1997年の漫画原作ではハードボイルドグルメだったのに、
すっかりコメディになってしまいましたね。(笑)
漫画も2巻はドラマに引っ張られてハードボイルド要素無くなりましたしね。
久住さんもこれで良いと思ってらっしゃるのでしょう。
最後が第一話の焼き鳥屋につながるのが、また良い感じでした。
全85件中、61~80件目を表示