「ドラマの映画化ではなく、1本の独立した映画だった」劇映画 孤独のグルメ galarinaさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラマの映画化ではなく、1本の独立した映画だった
見知らぬ街で飯屋を探すというドラマのフォーマットは一応入ってはいるがこれは紛れもなくドラマではなく映画だという面構えの作品になっていて、いい意味で予想を裏切られた。
本作を映画たらしめている大きな要素の一つは五郎が長崎の五島列島である事件に巻き込まれ、ある場所にたどり着く展開だと思う。
この飛躍を映画的なファンタジーとして受け止められるかどうか。
私はこの女性たちが集まる「ある種の避難場所」を描いたことが実に今の映画的だと感じ入った。
また、その後に展開されるオダギリジョーがなぜ飲食店を辞めてしまったかの理由。
これは、食べることをエンタメとして発信し続けてきたドラマなら避け難いテーマだと思う。
まだまだ私たちはあの憂鬱なショックから完全には抜け出せていない。
その事実を伝えつつも最終的には希望を描く。
なかなか滋味深い作品ではないか。
監督を頼んだけど断られたというポン・ジュノに松重さんはこのテーマを伝えていたのだろうか。
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